
【英留学記】Parcelforceでイギリスから日本へ荷物を送る
1年間の留学を終え、いざ帰国。
ベッドのシーツやどうしても捨てられない本、日本でも使える食器類や鍋、そしてかさばるコート。
渡英時に極力最低限にしてきたとはいえ、さすがにスーツケース1個に詰めて帰ることはできない。もちろん、機内持ち込みも無理。
となると、残された選択肢はひとつ。荷物を送るしかない。
イギリスにはクロネコヤマトの支店があるが、集荷日の2日前までには集荷の予約を済ませ(本来は10日前までが望ましい)、前日午前中までには必要書類を送らなければならない。しかも、持ち込み発送は2022年時点ではできない。
自己管理の甘い人間には利用が難しい。ついでだが、日本企業の安心感はあるがそれなりに高い。
「明日には送りたい!」、もしくは「今すぐ送らないと帰国に間に合わない!」、あるいは「なるべく安く済ませたい」という人が選べるサービスのひとつ、それが悪名高きParcelforce(パーセルフォース)。
Parcelforce Worldwide(パーセルフォース・ワールドワイド)とは?
主に大きくて重い荷物を取り扱っている(Royal Mailは2kgまで)イギリスの郵便サービス。Googleで検索するとイギリス在住者やイギリス留学経験者などのブログで「日本で言うとゆうパック」と紹介されていることが多い。たぶんその通り。
とんでもなく評判が悪い。
Googleで「Parcelforce」と検索してGoogle Mapで適当な「depot」(倉庫)を選んで口コミを見てみると、出るわ出るわ、カスタマーの不満が。

835件もレビューがあって星1.9はなかなか見ないぞ?

「なにがなんでも避けろ!」とか言われてるし。

「なんで星0にできないんだろう!」とか書かれてるし。そして最後に念押しの「絶対に利用するな!」。
とまあ、現地の人から大不評なParcelforce。当然、日本人からの評価も低い。「届かなかった」「送り返された」「荷物を紛失された」と悲しい報告がたくさんインターネット上に投稿されている。もちろん「もう使いません」「使わない方がいいです」もセットです。(あと「日本の宅配サービスの質の高さを思い知った」も多い)
だが、「今すぐ荷物を発送できないと死ぬ」という局面にまで追い込まれるか、限界までコストを削減したくなると、Parcelforceくらいしか選択肢がないのも事実である。
そこである問題が生じる。
Googleで見つけられるParcelforceに関する日本人の投稿は、日本から送った荷物がParcelforceの手に渡って届かないだとか、イギリスから知人友人に向けて送った荷物がどっか行っただとか、通販でイギリスから買った荷物が届かないだとかがほとんどで、留学生が別送品を送るためにParcelforceを利用したという記事が見つからないのである。
この記事はそんな「Parcelforceで別送品を送るにはどうすればいいの?」というイギリスに留学している(そして今留学を終えようとしている)日本人に送るものである。
オンラインで安く済ませよう!
名前に「Worldwide」とつけるくらいだから、もちろん国際発送に対応している。
サービスは全5種類!
上から順に高いが速い。下2つにはTrackingがついていない。

紛失したかも…という不安を少しでも減らしたいなら、追跡つきの上から2つ、globalexpress、globalpriorityを選ぶのがベストだと思う。
「globaleconomy」はおそらく船便。これのみ、郵便局かdepot(倉庫)で直接、発送手続きする必要がある。
(真ん中はirelandexpress、国際便だがすごく限定的なので日本に送るときは使えない)
どのサービスにするかを決めたところで、次は発送手続きに移る。
当然、最寄りの郵便局やdepotでも手続き可能だが、平日は夜18時以降、土曜日は16時以降空いていないので、発送手続きをしようと思い立ったのが日祝や平日夜中ならオンラインで済ませよう。
あと、なんかオンラインの方が安いらしいみたいな噂をどこかで聞いた。知らんけど。

Parcelforceの公式サイトに行くと、トップページから「Quick Quote」で簡単に見積もりができる。
イギリスで住んでいる場所の郵便番号を入れたら、Sending toで「Japan」を選び、荷物のサイズと重量を入力する。
1個以上の荷物を送る場合は「+ Add another parcel」で全ての分を入力することを忘れずに!
「Get Quote」をクリックすると…

使えるサービスと費用が一覧になって出てくる。
左からExpress、Priority、Value(追跡なし)。上からCollect from my address(指定住所まで集荷)、Post Office(郵便局に持ち込み)、Depot(倉庫に持ち込み)。
さて、ここで注意!
絶対に「Collect from my address」は選ぶな!
Parcelforceの集荷は日本のクロネコヤマトや郵便局と違い、日付は指定できても、時間指定ができない。カスタマーはParcelforceが「○日の朝9時から17時までのどこか」で集荷に来てくれるということしかわからない。
(朝9時から16時までという指定もできます。自分はそうしました。が、16時までに来ませんでした)
つまり、最悪1日、ひたすら待ち続ける必要がある。自分は待った。
そのうえ、呼び鈴への反応が遅れただけで帰るドライバーもいるというのだ。
9時から17時まで1日中ひたすら玄関前で待ち続けるか、とっとと自分で持ち込むか、明らかに後者のほうが効率的である。
なので、持ち込みをおすすめする。
使うサービスを決めたら「Buy this service」をクリックする。
すると、こんなふうに発送者と荷物の詳細情報を入力する画面に移る。
2つ以上の荷物を送る人は「Parcel details」で「Add another percel」できちんと2つめも追加するのを忘れないこと。

その次は住所入力。問題が発生したときの送り返し先や送り先を入れる。
送り返されたときは…、まあ……、荷物は諦めよう…。
自分が帰国した後もイギリスに滞在する友人などがいれば、そこの住所を入力するのもいいだろう。

住所入力が終わると、一番面倒な税関申告に関する情報を入力するフェーズになる。
別送品ならExport reasonは「Personal effects」、VAT statusは「Personal - individual」を選ぶ。
そのお次はひとつひとつの荷物に何が入っているのかを詳細に記入しなければならない。ここでミスるとおそらく税関で止まったり、送り返されたりするので気をつけよう。
このHS Tariff Codeだが、要は国際的な取り決めで品物ごとにTariff Codeが決まっているのでそれを書いてね、というもの。
Parcelforceの画面だけではわかりづらいので、イギリス政府の「Trade Tariff: look up commodity codes…」というページも参考にするといい。
やり方は、まずParcelforceのほうで品物の大まかな分類を入力してみる。すると、いろいろ選択肢が出てくるので説明を読みながら、合うものを選ぶ。
そこで合いそうなものが見つからなかった場合はイギリス政府のTariff Codeのページで品物の大まかな分類を検索し、出てきたものから近いものを選ぶ。
時間がかかるが、最悪の事態を避けるために頑張ろう。
(※とはいえよくわからないので、最後の方はわりと雑にやりました。価格なんかは全部中古品なのでテキトーに「600円」とか「1000円」とか記入しました。)
すべてが終わったら「Next Step」を押して、「Summary」で入力情報を確認。ミスがなければ支払いに進もう。
支払いが完了すると、伝票や税関申告書がメールで送られてくるので全部印刷して、伝票は直接、税関申告書はクリアファイルなどに入れて荷物に貼り付けよう。
複数ある場合は荷物に通し番号(「1/2」など)を書くこと。
そして念のために「Unaccompanied baggage」(別送品)とも表記しておこう。おまじないです。
それらがすべて済んだら、あとは最寄りの郵便局に持っていくだけ!
お疲れ! 無事届くかは運試し!
(2022/9/14に荷物を発送しました。届いても届かなくても、運試しの結果がわかり次第、追記します)
2022/10/3 追記:荷物が届きました!
2022/9/14にイギリスの郵便局で差し出した荷物が19日間の旅を経て、我が家(東京)に到着しました。
中身もお皿が1枚割れてしまっていた以外はすべて無事でした。

追跡ありだったので暇なときにちょくちょくParcelforceの追跡画面を見ていました。
9/14から9/17にイギリスを出るまでは順調に進み、そこからおよそ11日間音信不通に。この間ちょっとドキドキしつつ待っていると、9/28に日本着のメッセージが!
そこから税関に4日ほどかけた後、日本国内は実にスムーズに移動してくれました(さすが日本郵便!)。
写真を撮り忘れましたが、Raymanの人に「これは丈夫」だと言われた外装の段ボールはわりとボロボロになっていました。
とはいえ、補強の意味も込めてガムテープでぐるぐる巻きにしていたので破れて中身が飛び出したり――なんていう事態にはなっていませんでした。
中のものは残念ながらお皿が1枚割れてしまっていましたが、これくらいは許容範囲です。
まあ、割れ物が入っているにしては雑な包装をしてしまっていたので、もしかしたら全部バリンバリンに割れてるかも、と考えていたこともあり、荷物を開いたときは「案外大丈夫だった! よかった!」という安堵を感じました。
Parcelforceで別送品を送るチャレンジは無事成功でした。
もう出発まで日にちがない!、荷物を送りたいけどなるべく安く済ませたい! というイギリス留学生の皆さん、自分に合った方法を選んで頑張ってください。
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