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登山で5時間歩いたときに考えていたこと

登山を一人でしていると色々なことを考える。頭の中の考えが二転三転するどころではなく、十七転 四十六転くらいする。

1ヶ月くらい前に陣馬山→高尾山を5時間くらい歩いた。家に帰って考えていたことを思い出してメモに残していたので、それを記事にしようと思う。

(あくまで最近になって登山を始めた初心者の考えであることはご了承願いたい)


※ 以下の見出しについてる0:00のような時間は、出発からの経過時間を表している。かなりアバウト。

0:00 山に行くのって無駄すぎない?


朝早起きしてバスに乗って山に向かう。

バスに揺られながら「歩くためだけに早起きして遠くに移動するって不毛すぎない?マジで意味なくない?」という考えが頭をよぎる。

0:05 帰りたいのと気持ちいいのが交互にやってくる


歩き始める。

「暑い、だるい、疲れる。ここからあと5時間も歩くのか……」

という気持ちと、

「自然を歩くのって最高!気持ち良い〜〜〜〜〜」

という感情が交互に行き来する。情緒不安定。

00:15 今の考えをすべて文章にしたい


仕事、友達、お昼ごはん、洋服、恋愛、家族、映画、漫画、将来、恥ずかしい思い出……など脈絡なく様々な考えが浮かんでは消える。

歩きながら考えたことをすぐに文章化できたら5記事分くらいにはなるんじゃないだろうか。

「考えたことが文章になるエディタ」ができる2200年のnoteに期待。

0:30 いくら鍛えても辛い。現世が一番の地獄じゃね?


最近、運動をするようになったので以前よりは登山が楽になった気がする。

けれど「楽になった気がする」だけであり、やっぱり辛いものは辛い。しんどい。家に帰りたい。コーラ飲みたい。

そんなことを考えていると、足が丸太くらいの超人が息絶え絶えになりながら走って山を駆け上がっていった。

なぜ人間は鍛えたうえで、さらに辛いことをするのだろうか。鍛えれば人生が楽になるかと思っていたが、どうやら逆らしい。

筋力が足りない→鍛える→挑戦する→ 筋力が足りない→鍛える→挑戦する……

鍛えれば鍛えるほど負荷があがっていくので、鍛えれば鍛えるほどキツい人生になっていくのである。

地獄じゃん?
輪廻転生して地獄とか巡って人間として地上に生まれ変われるって言うけど、現世が一番の地獄じゃね?

0:50 階段つくったひとを恨む

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長時間歩くときに一番疲れるのは階段だ。足を振り上げなければいけないので太ももが悲鳴をあげる。

階段つくった人を一生恨む。なぜこんな悪魔のようなものを発明したのだろうか。

1:00 トレランしている人は前世で大犯罪をしているに違いない


歩いて登るだけでもこんなにしんどいのに、トレラン(山で走ること)をしてる人がけっこういる。しかも、40歳とか50歳くらいの人が爆速でかけぬけていく。

歩くだけでも辛いのに走るなんてどうかしてる。多分、前世で大犯罪をして相当な業を背負ったに違いない。現世でその罪を償うためにトレランをしているのだ。

1:30 一人旅が好きって言ってるやつ


「一人旅が好きです!」って言いながら、旅中にSNSに自分の行動を毎分のようにあげてる人は、本当に一人旅が好きなのだろうか。

結局それって誰かと一緒に行動してるのとあんまり変わらなくない?と思ってしまう。精神的につながっていて、本当に意味で一人ではないのではないだろうか。

ただ「SNSがなかったら行動しなかった」とも言えるので、あながち悪いことでもないのかもしれない。

(長時間歩いていると↑のように「Aは悪い」「いや、Aは良い側面もある」「いやいや、Bの方がもっと悪い」……などと考えがコロコロ変わることがよくある。疲労によって精神状態が大きく変わるからだろう)

2:00 疲れてるときに見る景色が一番美しい

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人工的に計算された作品ももちろん素晴らしいが、苦労してたどり着いて見た景色はなにものにも耐え難い美しさがある。

死ぬ間際に思い出すのは、汗水たらしながら見た景色なのかもしれない。

2:10 登山はお金を使わなくていいな


登山は交通費や食べ物代だけで済む。他の遊びに比べると低コストだ。

なんてコスパがいいんだ!!!!!!

2:30 イケメンはずっとイケメン

爽やかなイケメンが、爽やかに挨拶をしながら通りすぎていく。髪型も服装もまったく乱れていない。汗かいてないの?アンドロイド??

こっちはゆで卵に濡れワカメのせたみたいなびちゃびちゃな状態なのに、宝石に羽毛がのってるみたいな美しいビジュアル。精霊の加護があるに違いない。イケメンって不思議ですね。これってトリビアになりませんか?

2:40 お腹が空いても、満腹でもダメらしい


登山はエネルギーを大量に使うので、お腹が空かないようにしてなくてはならない。(ハンガーノックと言うらしい)

ただ、「満腹にするのも動けなくなってしまうのでよくない」とも聞いた。

コントロールするの難しすぎない?スフィンクスの出すナゾナゾかな?「少なくても、いっぱいでもダメなものな〜んだ?」みたいな。

3:00 家に帰りたい!!!!!!!!!!!


あfjぢそあjふぃおdsjfだ;いおdjfkjfkdsじゃfdkl;djさkl;fjdkl;さjkfjkdさjfflkだjfkl;あsdjdk

疲れた疲れた疲れた!!!!!!!

3:10 ワープして家に帰りたい


「今、ワープして一瞬で家に帰れるなら10万くらい余裕で出すね!!」

みたいな妄想をすることがある。

ただ歩きながら考えた結果、「ワープという超常現象を10万で体験できるって安すぎない?」という結論に至った。自分自身でこの回答にめちゃくちゃ納得した。

3:30 生きている実感がある


「ただ歩く」というのは一見すると意味のない行動だけれど、「生きている」という実感は湧いてくる。

スマホやパソコンに縛られないで無駄に時間を過ごすのは大事なのだろう。だからエンジニアには自転車や登山が好きな人が意外に多いのかも。

あと「登りきった!!」という達成感が短期的に得られる快感もある。

4:00 帰りたい!ビール飲みたい!風呂入りたい!!!!!


「ああ、歩くのっていいな!生きている!!」と「しんどい、家帰りたい」が交互にやってくる。最終的には「ビール飲みたい」が感情として優勝する。優勝してビールをかけるのではなく、優勝するために人はビールをかけている。

4:10 なめこうどんは最高です


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ふぁ〜〜〜〜〜

美味しい〜〜〜〜〜〜

最高〜〜〜〜〜〜〜

4:20 なめこうどんは最低です


ふぁ〜〜〜〜〜

歩く度にお腹がタプタプして気持ち悪い〜〜〜〜〜

最低〜〜〜〜〜〜〜

4:30 ダメなことを列挙して勝手に精神が追い込まれていく


「もっと丁寧に歩いていれば足首が楽だったかも」
「食べすぎなければもっと余裕で歩けていたかも」

不安な材料を上げていって、勝手に精神的に追い込まれていく。「あのときああしていれば……」と考えてしまうのは人間の性なのかもしれない。

5:00 ゴールである高尾山に着いて恥ずかしくなる


うお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
着いた〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

と思ってはしゃごうと思ったら、周りが私服の観光客だらけだった。

ゴールが高尾山なので、ロープウェイで登った観光客が多い。

「あいつ高尾山ごときに気合入れすぎじゃね?ww」とか思われてそうで急に自分の服装が恥ずかしくなってきた。爽快感がない。

5:20 リフトが一番怖い


高尾山はケーブルカーかリフトを使って下まで降りられる。リフトを使ったことがなかったので乗ってみたが、これがけっこう怖い。下を見ながら降りていくリフトの恐怖心。

「あー、山を登っているときは生きている実感がするなー!!」とか思っていたけれど、リフトに乗れば充分だよ。リフトだけで生死の体験ができるよ。


(下山後 その1) けっこう金使っている


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焼き肉!!!!!!!!
最高〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!

はあ、最高。

電車代、バス代、登山中の飲み物代、食べ物代、なめこうどんの料金、リフトの料金、銭湯の料金、焼き肉、家に帰ってビール……

めちゃくちゃ金かかってるな!!!!!!!

「登山はコスパがいい」って思ってたけど、全然コスパよくねーな!!!!


(下山後 その2) 「SNSで一人旅しているやつ」という考えは自分にも当てはまる


最初の方で「一人旅が好きって言ってるけどSNSあげている人どうなの?」ということを書いたけれど、こうやってnoteを投稿している時点で自分も同じなのかもしれない。

結局は誰かに見てほしい自己顕示欲があるのだ。業が深い。

欲というのもまた人間の罪なのかもしれない。だから僕も山を登ってその罪を現世で償っているのかもしれない。トレランしている人と同じだ。ああ、この世こそ地獄。

そして登山という地獄にまた行きたくなってくるから不思議だ。山って登ってるときは辛いけれど、また行きたくなる魅力がある。不思議ですね。これってトリビアになりませんか?

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