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「絶対音感」と「リズム感」のはなし|ゆるゼミvol.02

仕事などで使わない限り無くても困らないけど、あると嬉しい。
個人的には「後天的」かつ「専門教育なし」に身につけられるものだと思っているので、ちょっと体験談を交えつつ書いてみることにします。
※以下紹介する習得方法について、特に裏付けはありません。個人の経験をベースに書きますので、あくまでご参考になりましたら。

生まれつき音感やリズム感に自信のある方は、この記事あまり面白くないかもしれません。

「絶対音感」の定義、「リズム感」の定義

絶対音感は、weblioによると

任意の音の高さを、他の音との比較なしに知覚しうる能力。

定義の言葉は辞書などによって様々ですが、ざっくり「適当に鳴らしたある音を、他の音を聴かずにドレミ(=音名)で言い当てられる能力」と言い換えることにします。例えばドラクエのオープニング曲が流れてきて、最初のファンファーレの「パー パパパッパッパー」を「ソー ソソソッソッソー」とピアノで弾けたり歌えたりする力。

リズム感は、ハッキリした定義は決まっていなさそうですが「一定のテンポを継続して刻める能力」と言えば良いでしょうか。例えばQUEENのあの曲の「ドンドンチャッ、ドンドンチャッ」をズレずに最後まで(長いから一番だけでも)できる力。

どちらも程度が色々ある。

絶対音感とリズム感について大まかな説明をしましたが、精度のレベルは色々あります。

絶対音感の精度レベル
ドラクエのオープニング曲を例にすると、いちど曲を聴いて「音がわかる」人にも「わかる」のレベルは様々あります。下記にいくつか例をあげます。
①「ソーソドーレーミーファーソッドー...」とメインのメロディー(主旋律)の音名がわかる
②主旋律に重なって同時に鳴っている他の音(和音)も、何度か聴き返せば分かる
③一度聞けば和音全てが分かる
④チューニングが440ヘルツか442ヘルツか分かる*
 *同じ「ドレミ」の音でも微妙な高低差を聴き分けられる、という意味。下記のURLに分かりやすく解説されています。
https://music-thcreate.com/2018/02/12/440hz-441hz-442hz/

リズム感の精度レベル
こちらも様々あります。例えば下記のような感じ。
A. 流れている曲に合わせて、ズレずに手拍子ができる
B. 途中で曲を止められても、その曲と同じテンポで手拍子ができる
C. 曲を聴いてテンポの速さ(bpm*)を言い当てられる
D. 指定されたbpmを、何も聴かずに手拍子などで再現できる
*bpm=1分間の拍数(beats per minute)のこと

ちなみに筆者は、絶対音感レベルは上記の②、リズム感レベルは上記のC~Dくらいです(bpm10の位までなら指定通り再現できる程度。)
※耳を鍛えれば精度は上がるようで、筆者が高校の吹奏楽で毎日チューニングの音を聞いたりメトロノームで基礎練習をしていたときは④(でも和音の聴き取りは苦手)とDでした。逆に何もしないと精度が少し落ちたように感じます。

専門教育なしで「絶対音感」を習得した方法

筆者は絶対音感がありますが、生まれつき持っていた訳ではなく、三, 四歳の頃のホームビデオにはとんでもなく調子っぱずれな歌を大声で歌っている姿が映っていたりします。幼少期、歌とか音楽は「得意」ではないが「好き」だったのでしょう。
では、いつどうやって絶対音感を習得したのか。

毎日遊んでいたゲームのオープニング曲を覚えた
これだけです。正確に言うと、覚えた後にリコーダーで吹いたり鼻歌を歌ったりして音階を覚えていきました。

8歳くらいの頃。我が家にプレイステーションがやってきて、最初に遊んでハマったのが「ファイナルファンタジー9」。ゲーム中の楽曲は全て植松伸夫さん(愛称ノビヨ)が作曲しており、中でも一番好きだったのが、スタート画面で流れてくる「いつか帰るところ」という曲。

笛の音でゆっくりと始まるこの曲を聞いた8歳児が思ったのは、「わたしもリコーダーで吹きたい!」。という訳で、まずソプラノリコーダーで出だしの音を探す。「ドレミファソラシ・・・ドレ・・・レー、レ!」という具合で一音ずつ鳴らして、出だしにぴったり合う音が「レ」であることが分かった。あとは熱意のままに(ほとんどテキトーだが)後に続くメロディーを、リコーダーをピーピー吹きながら探っていく。

①覚えた曲は「ドレミ=音名」をカタカナでメモする
メロディーを構成する音名が分かったら「レーミファーソーラー、シドシーラーソーラ ファーミーレー」とカタカナでメモ(当時、楽譜が読めなくて書けなかった。)あとはリコーダーで吹いたり、ドレミで歌ったりを繰り返した。

②曲を聴かずに頭の中で歌えるよう、練習する
何日も飽きずに繰り返していると、そのうち曲を聴かずとも「レーミファーソーラー」のメロディーを正確に頭の中で歌えるようになり、音を覚えた。

③耳コピを楽しく続ける
その後もアニメソングや小学校の校歌など、好きな曲をリコーダーや鍵盤ハーモニカでドレミに置き換えながら演奏していった。だんだん慣れていくと、気づいた頃には大抵の曲は一回聞いただけで吹いたり弾いたりできるようになっていた。いつの間にか、「あれ、わたしのこれって絶対音感なのか」という具合である。

※注意点
ちなみに筆者の場合、最初に覚えようとした曲が簡単だったのが幸運だった。
シャープやフラット(ピアノの黒鍵)をほとんど使わない
・メロディーの大半が「レミファソラ」と一音ずれで構成されている
メロディーの種類が少ない(言うなれば、Aメロ+Bメロの繰り返し)

無学ながら、たまたま初心者に向いている曲から始められたのが良かった。今でも和音を聞き取るのは得意ではないので、その点はピアノを習っていた人などには勝てないと思っている(筆者は習い事ゼロ人間でした。)

日常生活の音がドレミで聞こえるか?

筆者の場合はNOです。流れてくる音や会話など、全部がドレミで聞こえて困るというケースもたまに聞くのですが、もしかしたら「物心つく頃には絶対音感を持っていた」という方に多いのではないでしょうか。
自分は音に「ドレミ」という概念がある事を知ったのが小学校に上がる少し前くらいだったし、音をドレミで聴き分けられるようになったのもその数年後。あとから導入された概念によって全てが音名で聴こえ始める、という事は起こりませんでした。
生活の中では「ドレミで聞くぞ」と意識すれば、スイッチの「ピッ」と鳴る音やヤカンの湧く音、CMソングなどをドレミに変換できるという感じです。

専門教育なしで「リズム感」を習得した方法

一方のリズム感。
精度を上げるためには、メトロノーム(任意のテンポを鳴らし続けてくれる機械)を使った訓練が必要かもしれませんが、ぼちぼちレベルであれば特に訓練しないで行けるのでは、と思います。以下に筆者がリズム感を得るのに役立った方法を書きます。

秒針がカチカチ鳴るアナログ時計を部屋に置く
小さい頃に住んでいたアパートの部屋に、秒針が「カッチッカッチッ」と一秒に2回のテンポで鳴る時計が置かれていた。寝ても覚めてもこのカチカチが鳴り続けていたおかげで、わたしの頭には(たとえば外で遊んでいるときでも)聞こえるはずもないときにカチカチ音が聞こえることもあった。

この時計のカチカチ音、音楽的に言い換えると「bpm120」=1分間に120回=1秒に2回鳴るテンポの速度、である。時計のカチカチ音に耳をさらし続けた結果、意図せずして一定のテンポでリズムが刻めるようになった。


こんな感じで「体に染み付く」くらいに一定のテンポを聴き続ければ、個人差こそあるものの、リズム感の基礎は手に入るのではないかと勝手に思っています。

時計のほか、通勤・通学時などに毎日同じ曲を聴きながら、歩くテンポを合わせたり呼吸を合わせたりするのも良いかもしれません。(なかなか意識しないと出来ないので、時計のように強制的に聴かざるを得ない”環境”を作ってしまうのが楽だとは思います。)

ちなみに筆者は中学校から始めた吹奏楽で打楽器を担当。そこからメトロノームを使った基礎練習を毎日続けて、精度を上げていきました。今は趣味でドラムを続けています。

子供の方が習得しやすい理由の考察

絶対音感やリズム感について、よく「小さいうちから訓練した方が習得しやすい」という意見を耳にします。

これは、音楽というものを概念としてボンヤリ分かり始める時期に「音には高低差があり、音楽的には音の高さごとに名前がある」「音楽にはリズムというものがある」という概念を知る(多くは音楽教室やピアノ教室など、大人から教わる)ことが大きな要因になるのではないでしょうか。
小さいうちから日常的に、音名やリズムの概念を知ったうえで音を聞くのと、知らずに聞くのとでは、音の認知の仕方そのものが変わってもおかしくないように思いました。

もう一つ理由があるとすれば、モチベーションの問題でしょうか。訓練を積んで同じ成果を出しても、子供は「すごい!」「よく出来るね!」「いいな」とたくさん褒められる傾向にあるのに対して、大人は褒められることが少ない(、と言うか誰かに披露するチャンスが少ない)ので、自発的に習得しようとする場合にやる気が続かないのでは・・・。
もちろん子供に比べて大人の方が時間に余裕が無いなどの理由もあると思います。

長くなったついでに書いておくと、筆者のやる気が続いた要因の一つには「ピアノが習いたかったのに(経済的な理由で)習えなかった」ということが挙げられます。音楽が好きだったから小さい頃はそれが悔しくて、自分でやったる!という気持ちが続きました。
小学校では校歌の伴奏を出来るのはピアノを習っている子の特権だったのですが、それをひけらかす子が居たので、ある日の音楽の授業のあと鍵盤ハーモニカで校歌伴奏を(耳コピで)吹いたことがありました。その子から「なんで?!誰から楽譜取ったの!」と言われ、嫌な顔をされたのを覚えています。いま振り返ると大人げ無いことをしたなと反省。ごめんなさい。

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以上、「絶対音感」と「リズム感」のはなしでした。


#とは #絶対音感 #リズム感 #耳コピ #メモ



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