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職人かたぎ 手に職

私は職人が好き。というか職人という響きも好き。

noteやウェブではクリエイターという横文字の方がしっくりくるのかなあ。

なんとなく無形のものを作る場合はクリエイター、形あるものを作る場合は職人という響きが似合うのかなあ。

ググってみたらnoteに職人とクリエイターの違いについて書いてある記事を発見。なるほど、職人という響きには仕事人というニュアンスもあるのか、と興味深い。

私が今住んでいるドイツはまさに職人大国。

ドイツも日本も同じものづくり大国で、国を支えている産業の一つが自動車というのは分かりやすい例だと思う。

しかし、産業面だけでなく生活面でもドイツは多くの職人が支えている。手に職を持つ手工業の人たちが高いレベルを維持する仕組みがあるから。それがマイスター制度というもの。

「マイスター」とは国家資格「ゲゼレ」を取得したのち、さらなるキャリアアップや起業に向けて、各業種のプロフェッショナルの中でも師匠のような立場を目指すための資格を指す。技術力の向上はもちろんのこと、商業的・ビジネス上の知識を習得し、後輩を育てる立場になることも。そのため技術力だけでなく経営学・教育学・開発力について学ぶことが必要となる。

ドイツニュースダイジェスト | ドイツのマイスター制度

国家資格というと、医師免許とか教員免許とかのイメージを持つ私だが、ドイツではパン、ソーセージ、ビール、靴、木工家具などの職人に国家資格がある。

私が知る限り、独立するためにはこの国家資格が必要と理解する。

この国家資格を得るため約3年間、職業訓練生として実際に働きながら勉強をした上でマイスターの試験を受けることができる。詳しくは、こちら

とにかくこのマイスター制度のおかげだと思うが、そういった手に職を持つ人たちは自分たちの仕事に誇りをもっているように私は感じられる。

仕事柄、木工家具の職人さんと関わる機会が多い。先日も発注していた家具のことで工場を訪れた。

近年では手工業とはいえ、機械化・自動化が進んでいて家具の工場といえども、多くの加工機が導入されておりほとんどの工程が機械化されている。

しかし、最後の仕上げ工程ではノミを打ったりして微調整をしたりする。そのノミを打つ様、その真剣な眼差しに触れてふと感動してしまった。

(いいなあ、この光景。私もこういう眼差しで仕事。したい)

なんて思ってしまう。
また熟年の職人が若手の職人に対して、指導する姿もカッコいい。まさにそこには親方の風格が感じられた。

こう職人に憧れを持つのは、親の影響もあると思う。
ウチの実家は小さなケーキ屋を営んでいた。親父がケーキを作り、母が店頭を切り盛りするという小さなお店。

それでもケーキを作る親父の姿はカッコよかったし、全く洒落っ気のない親父がどうしたらこんな素敵なケーキが作り出せるのかと思うくらい素敵なケーキを作る。

そんな親だったり環境で育ったからか、やはり職人さんには尊敬の眼差しと憧れを感じてしまう。

そんなことを言っている私だが、職人の道を選ばず、会社勤めのサラリーマンという道にいる。しかも事務職。

将来のキャリアを選んだとき、両親が土日も休み返上で働いていた姿や自分が子供の時に土日に親がいなくて寂しい思いをしたので、絶対に会社勤めと決め込んでいた。でもものづくりには関わりたいと思いメーカーに就職したいと、そこは絞った。

でもこの歳になってますます職人には憧れの気持ちが強くなる。

やはり手に職って今の時代もいいな、とつくづく思った今日でした。

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