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『〈あの絵〉のまえで』と、パリタクシー

今年のゴールデンウィークは、5/7(日)までカレンダー通りに休み、続けて5/8(月)〜5/10(水)まで休みを延長した。

その延長期間で、新潟県の南魚沼を旅した。里山十帖という宿泊施設に泊まるためだ。

里山十帖内のラウンジに、食文化や自然・植物関連の本が色々と置いてあって、宿泊者が自由に読めるようになっていた。

これもせっかくの縁、何か一冊読んでいこうと書架を眺めていると、原田マハさんの『〈あの絵〉のまえで』という短編集を見つけた。

美術がテーマの小説で、この本だけ、他とは明らかに毛色が異なっている。

このラインナップに、この短編集が並んでいるのはちょっと違和感があるし、もしかしたら宿泊者の誰かが置いていった本なのかもしれない……などと考えた。

一度目についてしまったらもう逃れられず、その場で一気に読み切ってしまった。日本各地の美術館に収蔵されている一枚の絵が、登場人物たちにささやかな感動を運ぶ、素敵な短編集だった。

こういう、旅先で偶然出会った本との出会いを大切にしたくて、今回からメモを取っておくことにした。「里山十帖×〈あの絵〉のまえで」のような感じで。

いつかそのメモを見返したとき、旅の思い出と本の思い出が同時に蘇ってくるような、つまりは2倍の幸せがやってくるようなことが起これば良い……などと期待している。


話は変わって、新潟から戻った5/10(水)に、「パリタクシー」という映画を観た。とても良かった。

ゴールデンウィーク中に、友人がフランス旅行に行っていた。

それに触発されたのか、「私もフランスを感じたい」という漠然とした欲求が起こり、ちょうど良さそうな映画があるということで観に行った。

これが大当たり。スクリーンの中で、私はフランスを旅した。

エッフェル塔、シャンゼリゼ通り、ノートルダム寺院、凱旋門、パルマンティエ大通り——本当にタクシーに乗ってパリの街を旅しているかのような、美しい映像体験だった。

「醜いアヒルだっていいじゃない。いつかあなたも旅立つときが来る」

マドレーヌ氏の言葉のひとつひとつが、もうすぐ連休が終わり現実に引き戻されてしまう、ささくれ立った私の心に優しく染み渡った。


明日から仕事なので、今日はあまりnoteを書く気になれないな……となりながらも、これだけはと思って書き留めた、雑な日記。



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