君を待つ。街灯の下、1本のタバコ。

寒空の夜、街灯の下で1本のタバコを吸う。君を待っていたその日の夜は、体がとても震えたが、なんとなく心は暖かかった。

「おまたせ。 あー! またタバコ吸ってる」

ムッとした勢いで咎める君の顔は、言葉とは裏腹に、いつも嬉しそうだった。

タバコは嫌いだと言った君。ぼくが吸っていいか聞くと

「だめ! くさいっ!」

と言う君を見ながらも、我慢できないので火をつける。

「もー。結局吸うのになんで聞くのさ」

むすくれて言う君の顔は、いつもかわいい。

「許してくれ。ぼくのガソリンなんだ」

適当な言い訳をすると、君はいつも嬉しそうに

「もう、しょうがないなぁ」

と、笑ってタバコと逆の腕を抱く。

本当に嫌いなのかと、いつも不思議に思いながら、君の温もりを感じて安心するぼく。

「でもね、吸ってる所はかっこいいから、ちょっと好きなんだ」

これだ。この言葉がタバコをやめない原因のもっとも重大なポイントだ。

やめようと思えばやめられる。

でも、なんだかんだ言って吸わせてくれる君。それを眺めて喜ぶ君を見ていると、別段やめる必要は無いのかなと、つい甘えてしまっている。

そんな弱いぼくも肯定してくれる・・・

「君が好きだ」

「ん?なんか言った?」

やばい、思わず声が出た。

「ん。なんでもない」

顔をそらしながら誤魔化すぼくの横腹をつつきながら

「なんだよもー! ちゃんと言え!」

またむすくれる君の姿を見て、思わずキスをする。

「好きだって言ったんだよ」

君は顔を真っ赤にして俯き

「くさいよ。バカ」

と照れるのであった。

ある寒空の夜、タバコで繋がる恋のお話。

陰キャオタクの妄想日記でした。

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