ありとあらゆる娯楽の中で最も奇妙奇天烈だったのは、ロシア人が発明した「ゴキブリレース」だろう。 2020/05/15

 在宅勤務でも1週間乗り切った感じは出るもので、ウラジーミル・アレクサンドロフ『かくしてモスクワの夜はつくられ ジャズはトルコにもたらされた』を読み進めて読み終わった。

 帝政ロシアの崩壊後はトルコに逃れ、酒、ロシア人女性の給仕、ジャズバンドの演奏、ダンスを供するナイトクラブの経営でまたまた成功。これによってトルコにジャズをもたらし、ジャズのスルタン、と言われるまでになったのだけど、歴史的には全く無名の黒人フレデリック。よくもまぁこれだけ調べて1冊にまとめたもんだと感嘆しながら読む。通奏低音のように流れる差別のテーマは後半戦も同様で、アメリカの市民であることを認めて欲しいと訴えるも、外交官からもニグロとして差別を受けるフレデリック、彼にしてみれば、自分が生まれた祖国だけが自分を差別するという状況なわけで、理不尽さが際立つ。

 コンスタンティノープルに存在したありとあらゆる娯楽の中で最も奇妙奇天烈だったのは、ロシア人が発明した「ゴキブリレース」だろう。一九二一年四月、市内に賭博が広がるのを防止するために、連合軍当局はロシアの難民がベラのいたるところではじめた賭けゲーム「ロト」を禁止した。そこで、何か他に飯の種になるものはないかあれこれ試したあとで、チャレンジ精神旺盛な何人かが、どこにでもいる昆虫を使ってレースをするのはどうかと思いついた。
ウラジーミル・アレクサンドロフ『かくしてモスクワの夜はつくられ ジャズはトルコにもたらされた』 P.267

 禁止されるといろんなアイデアが出てくるものではあるけれど、ゴキブリレースはちょっと気味が悪いなと思いつつ、レースに出るゴキブリには「トロツキー」なんて名前もつけていたというから笑える。中にはたちまち大金持ちになった男もいたそうな。しかし奇妙奇天烈と言われると『キテレツ大百科』を思い出す。子供の頃アニメ化されていたけれど、原作はコミックで3巻程度の短編なんだよね。

 夜、出社していた妻が再開していた中華屋で餃子を買ってきた。うまい。そしてドラクエウォークの七章が始まるとともにレベルの上限が55から60に引き上げられていた。全職業レベルカンストを目指していたのだけど、道のりはまた遠くなりにけり。

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