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ルパンと、蛸と、カイヨワと。

ロジェ・カイヨワ『蛸』を手に入れた。

その名の通り、「蛸」の本だ。

そもそも何で蛸が気になったかと言うと、たまたま読んでいたポプラ社のルパン全集『古塔の地下牢』でルパンの敵役ドーブレックがいかに酷いやつかってのがこんな風に書かれていたから。

おそろしい凶悪で、冷血で、ざんこくな吸血鬼みたいなやつです。しかも、やばんで猛獣のような力のある人間ゴリラです。ねばねばした大ダコみたいな、しゅうねんぶかいやつです。
P.82


人間ゴリラで大ダコみたい、ってスゲえなって思いつつ、そういえば蛸ってなんかヨーロッパで忌み嫌われてたよね、ってなことを思い出した次第。

で、何だっけって思って調べたら聖書まで遡るんだね。
旧約聖書の「レビ記」11章12節に
「水の中にいてヒレや鱗のないものは、すべて汚らわしいものである。」と書かれているのね。で、食べていいのはヒレや鱗のあるものだけだ、と言うところから蛸は悪魔の魚(Devil Fish)と呼ばれて忌み嫌われていた歴史がある。

何が言いたいかと言うと、先ほどのルパンの一節、要するにそんな蛸みたいにものすごく嫌なやつだって言う表現なんだよね、と思ったわけです。多分、生理的嫌悪感のレベルが違うんだろうなぁ、と。もっともこのポプラ社の南洋一郎版のルパン全集は翻訳と言うよりは南洋一郎の翻案みたいなところがあるから、ルブランが本当にタコみたいって書いていたかどうかはわからない部分もあるのだけど……。

なんてことを考えていたら、目に入ったのがロジェ・カイヨワの『蛸』。この本、まさにテーマが「蛸に関するイメージの変遷を、北欧神話やロマン主義文学、日本の春画などからさぐるロジェ・カイヨワのユニークな思索。」なんですよ。

もうそうなると気になっちゃってね、とりあえず買っとこうと。
ついでに銀だこも食べたい。食べながら読みたい。
タコワサも食べたい。呑みながら食べたい。

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