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待て、しかして希望せよ! 2020/06/02

 家でできることは極力家でやるようにというお達しで、在宅ワークを継続しているのだけど、6月に入って2日目にしてまたもや都内の新規感染者数が30人を越えてしまい、東京アラートなるものが出される模様。いやはや、なかなか一筋縄ではいかない感じなのだけど、それより何より、コンゴで終息宣言を出す予定だったエボラ出血熱が再び感染者発生というニュースを見て、Twitterで話題になっていた早川書房の『ホットゾーン』ブーム再燃が思い出された。これは、、、やっぱり今読むべき流れだろうか。

 どうやら組織全体で残業も減って在宅による生産性向上みたいなのが数字でも見える化されてきた感じがするなぁと思っていたところで改めてなんか役に立つことがあれば、と思って谷口和信『「仕事の見える化」記録術』というのを読んでみたりしたのだけど、とにかくメモをとれと書いてあって、メモ嫌いな自分には本当に無理でございます、と思ったのだけど、逆に楽しくメモを取る方法ってないもんかな、と考えたりした。

 まぁある意味この読書の日記も自分にとっては楽しいメモな訳で、メモを取る行為自体を楽しくできればやるかもしれない。ただ、アナログなメモはまぁないな、という感じなのでじゃあ何でメモするの?って話になるんだけどPC両方で使えるアプリやWebサービスじゃないと無理よねっていう気分なのだが、じゃあnote使う?って言ったらそれはなんか違う気もするし、今更Evernote使ってみる?そういや昔、Evernoteに飛ばしてくれるメモアプリ買ったな、ほとんど使わなかったけれど、とかなんかそういうようなことをいろいろ考えてみたりした。

 とにかく、「すぐ書く、全部書く」ってのがルールらしいのだけどそんなことまともにやってたらずっとメモ書いてないといけないじゃないか、なんて思ってしまったりするわけだけれど、まぁ実際できたら素晴らしいことなのかもしれません。欲しいもの、やりたいことを書き出してみる、ってのは得意で、試しにやってみら『吉田健一著作集』『日影丈吉全集』『千一夜物語』3バージョン全部欲しいとか、そんなようなことはスラスラ書ける。ちなみに、日本の古本屋で検索したら、『日影丈吉全集』の特典CDもついた揃いってのがなくなっていて、いよいよ枯渇してきた感が出てきている。いつまでも、あると思うな本と金。見つけた時に買えそうだったら買うべきだね、と改めて思ったりしながらついに『モンテ・クリスト伯』を読了した。

 エドモン・ダンテスと結婚して幸せな日々を送るはずだったメルセデスの末路は少しかわいそう。二つの墓の間に生きる女。いや、でもこれでメルセデスとくっついてめでたしめでたしだったら、ご都合主義すぎるわけで、復讐を遂げようとも、失われた時間や大切な人は戻ってはこないのだなぁ、というのがこの作品のなんとも言えない物悲しさを生んでいるんだろう。

 「なんにも。このわたくしは、二つの墓のあいだに生きているというだけなのです。 一つは、はるか昔に死んだエドモン・ダンテスさんの墓。わたしはその人を愛していました! おお、そうした言葉も、いま色あせたこの唇には似合いませんわね。でも、いまでも心におぼえております。そして、なにものにかけても、その思い出だけはなくなすまいと思っております。も一つは、エドモン・ダンテスさんに殺された人の墓。殺されたのもむりがないとは思いますが、その人のため、祈らないではいられませんの。」
アレクサンドル・デュマ『モンテ・クリスト伯(七)』P.315

 そんでもってラストもなんだかグッとくるな。年とってから読む古典の味わい深さは年取らないとわからんものかもしれない。うまくいかないことも多いからね、でも「待て、しかして希望せよ!」なのだな。

 待て、しかして希望せよ!
アレクサンドル・デュマ『モンテ・クリスト伯(七)』P.440

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