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榊正宗が自殺について知って欲しい事

人はなぜ自殺するのか?

わたしは去年、とある誹謗中傷事件に巻き込まれ、結果的に閉鎖病棟(精神病院)に5ヵ月(去年の7月~11月)ほど任意入院することになりました。そして、その病棟で多くの自殺未遂者と交流を持ちました。

また、私自身も誹謗中傷を受けているときに自殺を考えました。その経験から、一般の人が理解できない自殺について、少し伝えられる事があるのではないかと思いまして、この記事を書くことにしました。

私は、医者ではありませんので、この文章は医学的に正確なものではありませんが、むしろ医学よりも自殺について理解をしてもらえると思います。あんまり長文になると読むのが大変でしょうから、専門用語を少なめにして、やや短めにまとめたいと思います。

まず、知って欲しいのですが、自殺というのは、「辛いから」、「逃げたいから」行うものではありません。そういったケースが無いとは言えませんが、多くの自殺未遂者と話していて、そういった話を聞いたことがありません。また、「あいつは自殺する勇気なんかあるはずがない」というセリフをたまに聞きますが、勇気とは関係ありません。勇気ある人は、死なないですよね。

結論を先に述べますと自殺は主に病気で発生します。

特にうつ病や、双極性障害などの精神の病気は自殺につながる事が多い病気です。しかし、これらの病気は、ストレスが原因で起きたとはいえ、発病した時点で、ストレスそのものは自殺の原因ではなく、病気の原因に過ぎないと言えます。

脳内物質の分泌異常。

ーーつまり脳という臓器の疾患ですね。それがうつ病や双極性障害です。

なので、自殺した人は心が弱い人ではなく、病気が原因で自殺に至るのです。嫌なことがあって自殺する……というのは、微妙に間違っているのです。

まずは自殺に至る病気について知って欲しいと思います。

また、うつ病と双極性障害では自殺に対する過程がやや異なります。これも、脳内物質の分泌異常から説明可能です(医学的に正確ではありませんが、体験談として聞いてください)

うつ病は、脳内物質が出なくなる病気です。

ドーパミン、セロトニン、オキシトシン、アドレナリン、ノルアドレナリン、エンドルフィンなど、様々な脳内物質が人間の行動を左右しています。

ここでは分かりやすくするために専門用語を避けて説明します。

・やる気
・冷静
・愛情
・危険回避
・痛み止め(麻薬的快楽)

だいたいこの機能が脳内物質には備わっています。

うつ病になると、危険回避と痛み止めのふたつを除いて機能が弱ります。そのため、やる気になったり、冷静になったりできなくなります。

ほんとに何もできなくなり寝たきりになります。

ですが、命の危険がせまると、危険回避行動+痛み止め(麻薬)が機能します。

そうするとどうなるか、命の危険に対して麻薬的快感を感じるようになってしまうのです。

リストカットをしている患者さんと何人か話す機会がありましたが、みんな同じ事をいってました。リストカットは気持ちが良いのだそうです。これは、体験した私もよく理解できます。うつ病になると脳内物質の分泌異常でやる気が出ません。危険回避+痛み止めの効果で、最後に脳内麻薬だけはしっかりと出るため、命の危険に快感を感じるようになり、自傷行為を継続的に行うようになってしまうのです。

普通だと冷静になる脳内物質がブレーキをかけるので、腕を切ったりすれば痛みを感じて二度と腕を切ろうなどと思わないでしょう。しかし、うつ病ではそのブレーキとなる物質がうまく出ませんから、脳内麻薬中毒になってしまうのです。

ちなみに、他人への殺意にも、危険回避と同じ状態が発生すると考えられます。そのため(自傷他害というのですが)他者への暴力にも快感を感じてしまうのです。

リストカットは、快感を得るためにやっているので、すぐに死ぬことはありません。しかし、より過激な脳内麻薬をもとめてエスカレートすることで、事故として自殺や殺人に発展する可能性があるのです。

これは、病気ですから病院にいって治療をうけることで回避する事が可能です。

異常に気が付いたら、周りの人が注意して、病院にいく事をすすめてください。理性が働いてるうちに、本人が早めに病院に行くのが一番ですが…。

つぎに、双極性障害のケースですが、こちらは、脳内物質の過剰分泌が原因です。めちゃくちゃやる気がでたり、めちゃくちゃ悲観的になったりします。むかしは躁うつ病と呼んでましたが、うつ病とは全く違う病気です。落ち込んでいるのと無気力が似ているので「うつ」という言葉を使っていましたが、双極性障害のうつは、マイナスです。通常のうつは、ゼロの状態といえるので、全く別の症状です。

双極性障害のうつ状態は、無気力ではなく、マイナス感情の脳内物質が出まくってる状態で、ある意味、負の暴走状態です。

躁の状態ではなんでもできる気分になって、妄想や幻覚で屋上から飛んだり、うつの状態ではネガティブになりすぎて薬を大量に飲んだりします。かなり極端な自殺を行ってしまいます。死ぬことにとても前向きなのでかなり厄介です。

こちらも、病気ですから治療することで、自殺を回避できます。しかし、躁状態のときは、テンション高すぎて絶好調に感じるのでなかなか病院に行ってくれません。周りの身内にとっては、説得するのが難しい病気と言えます。双極性障害は、遺伝や体質なども関係あると言われており、特定できる原因がない場合もあります。

うつ病は0、双極性障害は行き過ぎた正と負のモチベーションにより自殺の危険があるわけです。分かりやすいように図にしてみました。

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