我殺す、ゆえに我あり (2/4)
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『例の件だが、後始末も無事に済ませたか?』
『はっ、メビスウ様。指紋、頭髪などの痕跡は一切残しておりませんし、スマホ等彼の所持品もバラバラに処分しておきました』
『ご苦労。ハコビに物を引き渡す際も誰にも見られていないな?』
『勿論でございます』
『結構。その調子で頑張りたまえ。頼りにしている』
椅子に座ったまま、軽く胸を張り、腕を何度か回す。俺は深呼吸をした。確かに、明らかな達成感があった。偉業を成し遂げたんだ、俺は。
部屋を出て隣のドアを開ける。「よう」
「