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コミュニティとしての飲食業のあり方② (ライフスタイルにコミットメントするには)

飲食業が提供するのは料理だけではない。その空間、そこで「体験」するシチュエーションの全てが商品になります。その体験の対価として顧客は店を利用します。その「体験」がどれだけ自分のライフスタイルにコミットメントするかで持続性が生まれてくるでしょう。ここで店側が気を付けなければならないのは、「気に入っていただく」ことに終始してしまわないことです。もちろん大切なことではありますが、この姿勢は悪く言えば虎尾を売ることにも繋がります。この場合買った側(顧客側)に一つのマイナス要因が生まれたとき、何十倍の負の財産となって周囲に派生していくこともあるでしょう。

時にはマイナスに感じてしまう事すらもなんだか許せてしまう…、これってなんだかあるシチュエーションに似ていますよね。僕はゴッホの絵画がとても好きです。特に南フランスに渡ってからの彼の作品には色彩が溢れ、力強さが漲っています。しかし晩年の作品は精神を病んで、非常に重苦しい色調に変化して仕舞います。初期の作品にも同様に彼のもがき苦しむ心の葛藤が表に溢れ出ているのですが、僕はこの頃の作品があまり好きではありません。しかし私はゴッホという画家そのものが好き(ファン)なのです。彼の生き様は私に大きなインスピレーションを与え、今でもその作品から非常に多くの刺激を受けています。だから苦手な初期や晩年期の重い作品にも興味が湧き、展覧会があれば私は足繁く通うのです。

お店のファンを作るにはこのスタンスが必要であると思っています。深く顧客がお店にコミットメントするだけの魅力づくりを徹底的に考えることが重要になってきます。そのあるべき形が店と顧客が繋がり、また顧客と顧客が繋がる「コミュニティ作り」にあると考えます。この発想はディズニーのブランでイング戦略にも似ていますし、キングコングの西野亮廣氏のオンラインサロンの発想にも通じていると思います。


つづく→


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