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行動経済学のナッジ理論

2月に入りだんだんと花粉が気になり始めたグッチ氏です。
今年は例年より多く飛散するそうなので、これからしっかりと対策をして行かねばと思いつつ、まずは体調を整えて睡眠を十分に取ろうと思います。

行動経済学とは

今回は行動経済学のナッジ理論についてご紹介しようと思います。
様々な行動経済学が提唱されていますが、今回は行動経済学に応用することで、望ましい行動をとれるよう後押ししアプローチする部分について考えてみようと思います。

ナッジと聞くと「難しそう」と馴染みがなく聞き慣れない言葉かもしれませんが、実は日本の日常場面でもとても多く取り入れられています。

ナッジは「小突く」という意味です。
軽くヒジでつつくようにユーザーを後押しして、好ましい選択ができるように、そっと仕向けるための方法です。

ナッジは、ユーザーが間違わないように操作してもらう、楽しみながら使うことができる、といった目的で用いられます。

またナッジを取り入れる際には、ユーザーにとって嬉しいことは何かを考える視点と提供する側が、ユーザーに起こして欲しい行動は何かを考える視点が大切になります。

ナッジが使われている場面

ソーシャルディスタンス

例えば新型コロナウィルスの感染対策のひとつとして、ソーシャルディスタンスを保つよう推奨されました。
コロナ禍前までは実施されていなかったスーパーやコンビニエンスストアレジ前の足マーク。
実はこれ、印を使ってソーシャルディスタンスが保たれるようにする取り組みが、まさにナッジあたります。

また有名な事例では、公共トイレを清潔に保つために小便器の底に目印を付けた取り組み。
印を付けたことで利用者の飛沫を80%軽減することに成功したそうです。

タクシー

最近、注目された日本国内の事例ではタクシーの乗降車場所を、決められた場所を守らないドライバーが増加し困っていたところ、京都市とNTTデータ経営研究所の取り組みで喚起のボードを設置しました。

このボードは、ボード部分に窓があけられていて、タクシーを利用しようとしている利用者からは、「禁止場所に停車しているタクシーです」というメッセージと窓からそのタクシーが見えるようになっています。

逆側のタクシーからは、禁止場所に停車していると「利用者から見られていますよ」というメッセージと窓から利用者が見える仕組みとなっています。

喚起ボード

この取組で最大9割の違法駐車を削減することに成功したそうです。
ボードたった1つを使って人の心理を動かす仕組みは大変に興味深いですね。

FitsPlus(フィッツプラス)のデザイン制作

フィッツプラス

そこで業務でもこのナッジを取り入れた取り組みを考えています。
私が担当している業務は、主にFitsPlus(フィッツプラス)のデザイン制作になります。

https://fitsplus.co.jp/

FitsPlus(フィッツプラス)は、一人ひとり全ての人が輝くように活き活きした「ウェルネスな暮らし」を送れる社会を創ることをVisionとした主に予防医療の領域を担っています。

サービスとしては、企業が利用している各健康保険組合より健康診断などで注意が必要と判断された利用者の方へ特定保健指導サービスを行っています。FitsPlus(フィッツプラス)の特徴として自社で国家資格保有者の管理栄養士と直接契約を行っているので、食事に特化した指導が可能になり、つらい運動や過度な食事制限を行わずに目標に近づけることが大きな特徴です。

ナッジを取り入れた取り組み

パンフレット

今回は健康保健組合より注意が必要と判断された利用者の方へ、特定保健指導の案内を行うパンフレットへナッジを利用した取り組みを行ってみました。

このパンフレットでは特定保健指導プログラムの内容を紹介する物となっていますが、利用者が手にとった時に「面倒だな」「難しいそうだな」と思われないように行動経済学のチートを利用してみました。

チート(Cheat)は、『人は「すごい」より「楽チン」な方を選ぶ』心理を指します。
チートとは日本語だと、ズルをする、うまく逃れる、という意味にあたるそうです。

人は楽ができることの方を好む傾向にあるという部分を利用して、パンフレットの最初に目に入る部分へ心理的なハードルを下げることを狙い「簡単」「楽」のキーワードを配置しました。
また費用の部分も利用者が気にかかる部分となるので、「参加費無料」も大きく配置しています。

またパンフレット内に利用する画像にも行動経済学のバイアスの仕組みを利用しています。
ユーザーはパンフレットなどの媒体に人が出ていると、相手のことを意識して、つい着目してしまいます。
テレビCMやポスターなどにも人が多く利用されていますが、実は行動経済学が考えられているかもしれませんね。

おわりに

行動経済学のバイアスやナッジは様々な場面やシチュエーションで利用ができるので、今後も特定保健指導を利用しやすく、プログラムが継続できるような取り組みを取り入れて行きたいと思います。

また紙媒体以外にもアプリ開発やUIでも、行動経済学を取り入れられる部分が少なくないので、ユーザーが楽しみながら使うことができる製品をチームで作っていきたいと思います。

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