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『膝痛 こだわりの保存治療』

メジカル裏ばなし 著者:宗田 大 先生/担当:整形外科 担当Y

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刊行に至るまで

 整形外科を受診する患者さんの主訴は,「痛み」がほとんどです。著者の宗田先生は,「膝痛」に長年向き合ってこられ,当社より2007年に『膝痛 知る,診る,治す』を刊行しました。あえて痛いところを押す「痛点ストレッチ法」を提唱し,これが広く受け入れられ,多くの読者の支持を得ることができました。
 刊行から11年が経過し,2007年当時の収載内容に科学的な裏付けが取れたり,新しい情報が出てきたりしたため,保存治療にフォーカスを当てた第2弾として,今回新たに本書『膝痛 こだわりの保存治療』を刊行することとなりました(実は当初は改訂の予定だったのですが,この話は最後の「メジカルこぼればなし」に詳しく書いています)。
 特に本書では,先生の診察風景をストリーミング配信しており,臨場感にあふれた動画は必見です。また,宗田先生だからこそ言える,本音がたくさんつまったコラムは38に上り,これらも是非,お楽しみください。

著者からのご紹介

 2007年に刊行した『膝痛 知る,診る,治す』が好評を得て10年経過しましたが,私の30年を超える膝痛の治療が前書ですべてだと感じられるのは残念だと思い,何とか新しい形で私の行っている膝痛の保存治療をまとめたいと思いました。新しい本書ではほぼ全部の内容をはじめから書きました。読んだ方がどのように感じられるかわかりませんが,一応思い残すことなく私の膝痛の保存治療についてまとめられたと思っています。まとまりやわかりやすさの点では前書のほうが優れているかもしれません。今後の保存治療の方向性を含め,私の中でもまだ十分に練られていない今後の課題についても書いてみました。とても科学的ではない読み物です。読者の方にはいろいろな印象を持たれると思いますが,一度ではなく何度か読んでいただきたい内容になっていると思います。また発刊に際し,ぜひ批判的に読んでいただきたい。いろいろなご批判を受けたいと希望しています。
(宗田 大 先生)

赤ゲラお見せします

 下図は,本書のp2〜3が出来上がるまでの変遷です。ご覧のとおり,項目タイトルだけでも,「からだの構造から,痛みの原因を考える」→「疼痛の部位と症状から傾向をみる」→「いろいろな膝痛」と,原稿をいただくたびに内容もどんどんアップデートされていきました。より良い内容に,さらに2007年版とできるだけ内容が重複しないよう,先生が執筆に配慮されていたことが伺えます。

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装丁への思い

 カバーにある注射の写真は,宗田先生にお願いしてご提供いただきました。大まかなデザイン自体は早い段階で決まりましたが,どの写真にするか,どこに写真を入れるか,写真の大きさをどうするか,など最後の最後まで微調整をしていきました。

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メジカルこぼれ話

 冒頭に書きましたが,当初は2007年に刊行した『膝痛 知る,診る,治す』の改訂ということで話を進めていました。そのため先生から,2007年版に赤字を入れていただいたりしたのですが,ある日先生から,「改訂したら,2007年版はどうなるのですか」と尋ねられました。もちろん,改訂したら初版は絶版となります。ところが,先生は2007年版も残したいとのことでした。そうすると,改訂はできないので,新しい内容で執筆いただかなくてはなりません。内容をアップデートしただけでは改訂になってしまいます。そのため,先生は当初考えられていたより,執筆にかなり苦慮されたと思います。
 本書の刊行目標は,宗田先生が学会長をされる今年6月の「日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会(JOSKAS)」としていましたが,どうせなら毎年5月に開催される,整形外科で最も大きい学会「日本整形外科学会学術総会(日整会)」に間に合わせたい思いが強くありました。ところが,執筆途中のお原稿はいただけるのですが,なかなか完成版のお原稿がいただけず,JOSKASでさえ間に合うか,心配で心配で心配で。
 しかし,忘れもしない昨年の12月26日,先生のお部屋に伺った際に「だいぶ完成形に近づきました」とUSBメモリに入ったお原稿をいただきました。早速,帰社してフォルダを開いてみると,そこには,図版原稿もほとんどそろった,全項目の原稿が入っているではないですか!! なんとハッピーな,1日遅れのクリスマスプレゼント!! 心の中でサンタさんに感謝するとともに,そこからは急ピッチで作業を進め,宗田先生のご協力もあり,なんとか今回の日整会に学会先行販売という形で間に合わせることができました。もちろん,JOSKASでも「学会長本」として販売することができて,本当によかったです。

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