35 胸部外傷

救急に運ばれてきた胸部外傷疑いの患者さんを、最初の2、3分(Primary survey)で以下のことをチェックします。TAF 3Xと覚えます。心タンポナーデ、気道閉塞、フレイルチェスト、大量血胸、緊張性気胸、開放性気胸。次の5分(Secondary survey)で以下のことをチェックします。PAT BED 2Xと覚えます。肺挫傷、大動脈断裂、気管・気管支断裂、鈍的心外傷、食道損傷、横隔膜ヘルニア、血胸、気胸。頸静脈怒張があれば、心タンポナーデ、緊張性気胸を疑いましょう。

緊張性気胸は治療しないと30分で死にます。すぐに第二肋間鎖骨中線に18G針を数本刺します(胸腔穿刺)。そのがただちに28〜32Frの大きさの胸腔チューブを乳頭線の高さ(第4〜5肋間の高さ)の腋下中線のやや前方に挿入します。

心タンポナーデも治療しないと30分で死にます。治療は心囊穿刺です。

2本の胸腔チューブを挿入しても治らない緊張性気胸や増大する縦隔気腫がある場合には、気管・気管支断裂を疑います。


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