結局、MBAは転職で有利なの?
MBAとは、Master of Business Administrationの略称、日本では、経営学修士と呼ばれ、経営学の大学院修士過程を修了すると与えられる称号です。
欧米では、大手企業CEOの約4割がMBA取得者と言われており、まさにビジネスエリートの登竜門といっても過言ではありません。
それでは、私が長年過ごしてきた、医療業界でキャリアアップや転職する際にMBAは必要なのでしょうか?
MORITA自身も29歳から31歳にかけて、営業をしながら、オーストラリアのBond大学MBAを修了しました。
その経験を含めて、医療業界でのMBAの必要性を考えてみます。
ちなみに、アメリカTOP10の有名大学MBAとは全く違う、比較的社会人をしながらでも取得しやすい、通信過程でのMBAの話なのでその辺りはご了承くださいませ。
MORITAがMBAを取得した経緯
私がMBAを取得しようと思った理由は、いくつかあります。
当時、29歳で、医療機器メーカーの営業を3、4年経験していました。
営業成績も良く、給料も申し分なくもらっていました。
しかし、このまま営業だけで30代、40代と過ごすとなると、将来営業しかできなくなるという不安が襲いました。
しかし、自分にはモノを売る事しか仕事をしたことがないので、いきなりマーケティングを含めた本社業務をやりたいといっても、無理があります。
また、大学時代にロクに勉強をしていなかったので、ビジネスの専門的な知識を身に付けたいという思いもありました。
キャリアアップをするにしても、営業成績は良かったですが、全国1位など突出した成績でもなかったので、何か本社勤務にふさわしい「称号」のようなものが必要と考えて、MBAが取得できる通信教育のあるオーストラリアのBond大学に入学しました。
仕事をしながら大学院の勉強をする
29歳で入学し、卒業するまでに通常2年のところを、丸3年かかりました。
外資系の営業なので、毎年10%以上売上upを求められていましたので、その数字を達成しながら、夜は大学院の勉強をしていたので、時間的に色々と大変な時期もありました。
特に最後のビジネスプランの発表はオーストラリアの本校で、英語でプレゼンがあったりと、仕事と卒論の両方でプレッシャーがあり、睡眠時間を削ってなんとかやりくりしました。
MBAの学費
学費は500~600万円程度支払った記憶があります。
それにプラスして合計で3回の現地でのスクーリングがあったので、そちらの旅費も自費で負担しなければなりませんでした。
海外留学でMBAを取得する場合は生活費を含めて2,000万円以上する事を考えると安いかもしれません。
同級生で大手日系企業や銀行勤めの人たちの中には、企業が学費を全額負担してくれるところもあり、羨ましかった思い出があります。
営業からマーケティングへキャリアアップ
MBAの卒業が見えてきた31歳の頃に、マーケティング部への社内公募があり、そちらに申し込みました。
役員へのプレゼンがあったので、そこでの自身の売り込みはこんな感じでした。
ー6年連続の営業目標達成。
ーこれまでのマーケティング他、本社機能とのコラボ事例多数。
ー英語の堪能さ。
ーMBA取得によるマーケティングその他本社機能に関する知識がある。
ー仕事と勉学を両立できる貪欲さ。
これらを中心にプレゼンして、見事にマーケティング行きが決定します。
当時、マーケティング行きは人気だったので、1枠に対して営業成績優秀者6人が応募する激戦でしたが、MBA卒業という目玉を準備していた私が勝ち取った形になります。
J&JでのMBAホルダーの立ち位置
余談になりますが、
ではそもそも、アメリカの有名大学MBAを卒業して、ジョンソンエンドジョンソンなどの医療機器メーカーに入社した場合はどうなるのでしょうか?
通常であれば、幹部候補からの出発になると思うのですが、私がいた頃のジョンソンエンドジョンソンでは、MBA出身でもまずは営業スタートで、そこで結果が出なければ、辞めていくという過酷な状況でした。
実際に何人ものMBAホルダーが、営業に出されて、結果が出ずに辞めていく姿を見ました。
一方で、その試練を乗り越えた方々は、元々優秀な事もあり、社内ではどんどん出世していきました。
今では、ある医療機器メーカーの社長になった同僚もいます。
一方で、MBAを取得してなくても出世した人も大勢見ています。
彼らは実践の中で知識を得ていきますし、出世すればするほど、学歴よりも実績のほうが重要視されますのであまりMBA云々は関係なくなっていきます。
転職でのMBAは効果アリ??
マーケティングに2年、アメリカ本社で1年働いた後、転職をします。
マーケティングマネージャーとして3社から内定をもらったので、それまでの実績と、MBA取得という事が大きく効果としてあったのかなと思っています。
しかし、面接や書類でMBAを全面に出すのではなく、あくまでも
ー仕事と両立しながら、必要な知識を取得できる粘り強さ。
ーMBAで得たビジネスの共通言語が理解できている。
といった程度の副産物を強調しました。
実際にMBAで教えてもらった事はあまり実践に役に立たない事が多いので、あまりMBAを強調すると、
「こいつ頭でっかちだな。」
と思われますからね。
MBAは仕事に役に立つのか?
前述した通り、あまり役に立ちません。
これはアメリカの有名大学MBAを卒業した人に聞いても同じ答えでしたので合ってると思います。
ただ、経営上の必要最低限の知識を得る事は間違いなくできます。
では起業する時に役に立つかと言われると、それもあまり関係ないと言わざるを得ません。
経験上、起業していて成功する人たちは、知識よりも実行力が大事だと感じます。
まとめ
・営業でマーケティングなどの本社勤務したいヤツは、MBAが有効!
・転職でMBAは(有名大学以外は)、オマケ程度に考えろ!
・「MBAを勉強したら能力が上がる」は嘘!
・MBAは実戦ではあまり役に立たない!
・MBAをひからかすとウザがられるから気を付けろ!
・外資系で出世したいならMBAより、英語と実績!
以上、私の経験から「MBAは有利なのか」を考察してみました。
この情報がお役に立てたら幸いです。
転職エージェントMORITA
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