オッズ比の読み方

はじめに

まだ書きかけですので、ご注意ください。

オッズ比 (Odds Ratio) とリスク比 (Relative Risk, Risk Ratio) は、疫学 (公衆衛生学) の代表的な統計手法である。

リスク比は比較的直感的に理解しやすいのに対し、オッズ比はわかりづらい。まず、リスク比とは、例えばある要因を持っている人々のある疾患を発症する確率が20%であり、その要因を持っていない人々の確率が10%であれば、20/10 = 2.0 となる。このため、「この要因はこの疾患について2倍のリスクがある」と解釈することができる。

一方で、オッズ比の方はこのような解釈は直ちには行うことができない。また、医学論文でもオッズ比が誤って使われていることも少なくない1。以下で、医学論文におけるオッズ比の解釈方法を示す。

引用文献

1 Tajeu GS, Sen B, Alison DB et al. (2012) Misses of odds raios in obesity literature: An empirical analysis of published studies, Obesity, 20(8), 1726-1731, doe:10.1038/oby.2012.71

2 Johnson RJ, Lanaspa MA, Sánchez-Lozada L et al. (2015) The evolution of hypertension: Evolving views on the role of the kidneys, and current hot topics, Am J Physiol Renal Physiol, 308(3), F167-F178.

オッズ比とリスク比の違い

リスク比は、ある要因の有無が疾患へ影響するかどうかを示している。「〜比」である以上、1.0 であれば差はないことになる。とはいっても、1.01であれば差があると言えるのか?1.1ではどうなのか?という疑問が出てくる。このため、医学論文では95%信頼区間が1.0を含んでいる場合は、統計学上の有意差はないとする。これは p< 0.05 と同じ意味であるが、近年ではp値ではなく、より情報量の多い95%信頼区間を用いる。

オッズ比はどのような時に用いるのか?また、どのように研究デザインすべきだろうか?基本的に、リスク比が計算できる時には、リスク比を用いる。オッズ比を用いるのは、何らかの理由でリスク比が用いることができないためである。オッズ比を理解するためには、リスク比が使える状況について整理しよう。

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