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意地でも歩きで。工数の見積には、たっぷりの余裕を見込むべき

私は個人事業主として、機械設計や製図業務の請負に従事しています。
そこで毎回悩むのが、作業時間の見積。

少なすぎると損をするので、自分なりに色々と気を付けています。
請負に限らず、個人的な仕事の見積もりには役立つ考え方だと思うので、紹介します。

単純な掛け算では、失敗する

例えば「1枚に5分かかる図面を、100枚仕上げる仕事」があるとします。
単純に「5分×100枚 ≒ 8.5時間」で見積もると、失敗です。
実績時間は、きっと超過します。

何故でしょうか?

すぐに思い浮かぶのは、発注元要因です。

よくあるのが、急な仕様変更や後だし条件の追加などの発生。
これは、見積もり時に条件をしっかり取り決めたり、追加見積を申し出たりと調整が必要になります。
しかしそんな追加要望などがなくても、冒頭の「5分×100枚 ≒ 8.5時間」ではやはり足りません。

全速力の走りではなく、ゆったり歩きで考える

「5分×100枚 ≒ 8.5時間」という単純な掛け算がだめなのは、ずっと全速力で走る想定だからです。

何かの作業時間の見当をつけるとき、無意識にベストの状態を考えてしまわないでしょうか?私はその傾向がありました。

時間は、「作業の段取りが整った状態で、かつ自分のやる気エンジンもかかり、スピードが乗った状態」でカウントすべきではありません。

「落ち着いて、息切れせずに歩ける」程度の強度で考えるべきです。

仕事の内容にもよりますが、私なら倍はかかると見ます。
冒頭の例だったら「5分×100枚×2 ≒ 17時間」が余裕を見込んだ作業時間です。

セカセカと忙しく走るのをデフォルトにしない方が良いです。
それは異常で、損なことだと思ってください。

ちなみに私の場合、夕方受注で翌日朝納品なんて案件がきたら、断るか特急料金を請求しますよ。
私は、全力=余計な負荷が掛かっている状態だと考えます。

休憩時間は拘束時間と同じ

さらに、休憩時間もカウントする必要があります。
個人差はありますが、私なら1時間につき20分程度です。

休憩というとサボりのように感じるかもしれません。

しかし、作業の半ばに挟む休憩は、拘束時間と同じです。
だって、仕事から完全に解放されたわけではありませんよね。
休憩は、仕事の品質を保つために脳みそと体を整える冷却時間ですから。

単純・複雑作業に関わらず、連続して稼働すると人間は疲労します。
私ならもうどうでもよくなって細部は放置気味になりますし、ミスだって増えてしまいます。

余裕があると、改善策だって生まれる

私はこれまで書いたように、できるだけ急がない前提で時間を見積もっています。
その結果、目の前の作業をこなすだけではなく、さらに改善する余裕も生まれます。

急がなければ脳みそもリラックスしているので、
「この作業、ツールで自動化できそう」
「スクリプトを書いてみよう」
と意欲がわき、結果的に大幅に実績時間を短縮できた……なんてこともありました。

「そんな簡単にできない」と思われるかもしれません。
確かにそうですが、そんな事こそ変化できれば、自分をずっと楽にできるので是非大ナタを振るってみて下さい。

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