見出し画像

復刻版:第4回 メルカド(市場)デビュー

 (20年前に母が書いた駐在妻ブログを娘がnoteに復刻しました)

スーバーの野菜やパックのお肉にびっくりした私は、早速メルカド(市場)に行ってみることにしました。
バルセロナで市場といえば、ガイドブックにも必ず出ているサン・ジョセップ(サン・ホセ)市場を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、そこに行くには、我が家からは地下鉄の駅まで歩いて数分、地下鉄で10分あまり…決して遠い距離ではないのですが、前回お話ししたあのカリート(ショッピングカート)をゴロゴロ押して行くのもなんだか抵抗があります。そこで、家から歩いて12分くらいのところに、小さなメルカドがあることを教えてもらいました。

 そのメルカドの中…規模としては本当に小さいですが、そこには、肉や(牛・豚)、鶏肉や、卵や、八百屋、ハム・チーズや、パンや、オリーブや、塩づけの魚や、自然食品のお店、花やなどなど、狭いながらもたくさんのお店が並んでいました。私自身は、日本の市場という所へあまり行った事はありませんが、まず違うなと思ったのが、商品の並んでいる位置が高いのです。肉やなどは品物が見えるのですが、それでもお店の人がお客さんを見下ろしている…そんな感じです。特に、八百屋では、私の目の高さくらいから上に品物が並んでいて、「みかんを○コ」というと、勝手にお店の人が品物を選んで重さを計って計算してくれ、品物を渡してくれるので、自分で取ってみるとか選ぶということができないのです。渡されたいちごの半分以上がダメだった…なんてことも当然でてきます。さすがに4年近くも同じお店に通い続けるとそういうこともなくなりましたが、日本人の(私だけ?)スイカをたたいたり、メロンの後ろの匂いをかいでみたりして品定めをしてから買う習慣のある私にはなんだかイヤな気持ちがしました。

 やはり、人がたくさん並んでいるお店が、新鮮で安いというのはおわかりのことでしょう。もし、その人だかりのお店で買いたい時はどうしましょう。まず、「最後の人は誰?」ともちろんスペイン語で聞きまくります。すると「私よ!」と必ず誰かが言ってくれるのでその人の順番がくるまでひたすら見つめています。その間に、当然「最後の人は誰?」と次の人が聞いてくるので、今度はにこっと笑顔で「私よ!」と返事をしておくのです。きっとその人は私の順番が来るのをじっと待っているでしょう。自分の番がきたら、「何にするの?」とお店の人が聞いてくるので、「ジャガイモ1キロ!」と叫ぶと、さっと計ってくれて「あと、それから?」「それから?」「それから?」とどんどん聞いてくるので必要がなくなったら、「もういらない!!」というとお金をちゃっちゃと計算してくれます。日本語で書くとへんですが、ご存知の方はご存知だと思いますが、同じ言葉をお店の人は1日何回言うのだろう…というくらい、同じ言葉しか言いません。その間に買ったものは、手渡されるので、カリートの中にぼんぼん入れていくのです。何しろキロ単位で買い物をしているとあっという間にそのカリートは10キロくらいになっていたりします。そう、市場での品物の料金表示は全て、キロ単位です。トマト3個といったつもりで、3キロなんて間違われることもあります。キロで買う方法に慣れていない頃は、「もっと減らして!」なんてしょっちゅう言っていました。もちろん、スペイン語で野菜の名前なんて知らなかったですし、身振り手振りで「あれ!、その隣の、それそれ…」なんて大変です。いまだに、ニンジンと玉ねぎを間違えますし、ナスはなんど教えてもらっても忘れてしまいます。キュウリ(ペピーノ)とピーマン(ピミエントス)も似ていませんか???

 お魚、お肉についても同じようなシステムです。ただ、人が多いところは、整理券を用意しているところもあり、番号の整理券をとって、電光掲示板の番号を見つめています。15分くらい待つのはあたり前という感じです。なにしろ、お魚やさんでは、注文すればタイはうろこをとってくれて、3枚におろしてくれますし、イカなんて、きれいに輪切りにしてくれようとします。お肉も、日本人御用達?のお店では機械で薄切りにしてくれますし、スペイン人の中には、ハンバーグをきれいに作ってもらっている人もいます。でも、みーんなゆっくり、イライラすることもなくのんびり自分の順番がくるのを待っているのには驚かされるところです。イライラするのは私だけ!! まだまだスペインの暮らしには慣れません。

 バルセロナの町には、このような小さなメルカドがぽつんぽつんとあります。これも、しばらくしてわかったことなのですがメルカドによって品物の値段が微妙にというか結構違うのです。私の住んでいるところは、ある大通りを挟んでちょうど山の手と下町の境の山の手側なのですが、ちょっと坂を登って山の手のメルカドに行くと、お客さんもなんだか雰囲気もちょっと…日本人向けに大根や白菜もおいてあるのですが当然お値段も高く、下町の方が断然安いのです。当然、私は下町派となります。

 日本の生活では、スーパーに行くだけで、1度で日用雑貨から食料品、肉、魚、野菜まで大抵のものはそろうと思いますが、今、わが家では、食料品の場合、缶詰やパスタ類、調味料、水等は1ヶ月に一度、スーパーで配達を頼み、魚、野菜、果物は1週間に一度メルカドでまとめ買いをし、牛肉、豚肉は日本人向けに薄切りをしてくれる家からちょっと離れたメルカドの中のお肉屋さんから3週間に一度くらい配達を頼み、鶏肉はまた違うお店で買い物をして、大根・白菜が欲しいときは、また歩いてとことこ10数分の韓国食材店に行きます。どうしても日本食が買いたいときは(スペイン産みのり米、パン焼き用に日本のカメリアの強力粉などなど)は、バルセロナに1軒ある「東京や」という日本食材店に行っています。味噌・キューピーマヨネーズ…競争がないのでびっくりするような値段です。あと、中華食材店も2軒くらいバルセロナにはあるので、「出前一丁」を買ったりします。

 話しがとびますが、夫の日本出張で何が嬉しいかというと、食料品の買出しです。仕事で買う時間のないときは、実家に頼んでダンボールで直接ホテルに宅配便!! 海外で、日本と同じ生活をしようとして、白いお米を毎晩炊いて、お味噌汁を作り、もちろんおかずも日本食…、日本のように簡単に出来合いのお惣菜、冷凍食品なんてもちろんないので、餃子は皮から、コロッケを作り、パンも日本のパンが食べたいとパンを焼き…ケーキを作って、時には団子粉でお団子を作って…食材集めの買い物とご飯作りだけで1日が終わってしまうこともあります。

-------------------------------------------------------------------------------------

知られざる苦労が、、、

小さい頃普通に家で餃子や、食パンや、お団子を食べられていたのは影ながらの努力があったからなのか。。

餃子皮からつくるなんて独り身留学生には到底無理ですわ。

勝手にお店の人が野菜や果物を選んで測って渡してくれるっていうシステムはNYにはないなぁ。kgとg間違われたらたまったもんじゃない笑 イチゴ3kgなんて絶対いらん!!!

NYの日本食で重宝していたのは「Hマート」という韓国系のスーパー、あとはダイノブもめちゃくちゃ行った。

日本人の友達と割り勘してuber使ってNJ州にあるミツワという神のような場所があって(まさにリトルジャパン)爆買いしたりしたな笑

NYはかなり日本の食文化が入ってきているけどスペインはまだまだ無さそう。2020年の今はどうなっているのか?

娘より

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?