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ヒガシノメーコ爆誕前夜

明日、3月8日はわたしの誕生日。(YATTTA!)
その前日である今日が隔週土曜のエッセイ更新日になったため、本日は自分自身をしっかりと振り返っていきたい。

そんなことは言っても、今は正直、誕生日ワーイなどと言える状況ではない気がする。新型ウイルスの蔓延、マスク不足、教育機関の一斉休校等、前向きでないニュースばかりが溢れている。さらにライブハウスからウイルス感染者が出たことから、ライブハウスやバンドマン、お客様などへの風当たりが強い。実際にバンドマンへの嫌がらせも起こっている状況だ。

だから、今は楽器を持って歩くことが怖い。本当なら昨日ライブをする予定だったのだが、ウイルス騒動のためイベント自体が中止に。非常に残念ではあるものの、この騒動の渦中で楽器を持ち歩かなくて済んだのだと少しだけホッとしてしまった。こんなことでホッとするのは悲しいけれど。


――そんな、陰鬱とした気持ちを一掃するような話をしていきたい。

兵庫県西宮市で嵐のように誕生し、そして嵐のように大人になってしまったヒガシノメーコ。生まれるとき、母のお腹のなかに、頭のネジを何本か置いてきてしまったため、学生時代も社会に出てからも、歩いては壁にぶつかり、また歩いては壁にぶつかり…悩み苦しむことが多かった。そんな時代に戻りたくないからこそ、年を追うごとに「大人サイコー!」と思わずにはいられない。

そういえば、高校時代の友人なんかとはもう10年以上連絡を取っていない。わたしは本当に高校に行っていたのだろうか。絵に描いたような青春はなく、大方の人間がキラキラとした思い出を築いてきた時間は「音楽」で塗りつぶされたけれど、むしろ、「音楽」という救いの手段があって良かった。

※わたしのスピード感のある生い立ちは、ぜひこちらをご覧ください。まず、「メーコ」ではなく「祈(いのり)」と名付けられそうになったことからはじまります。
▼2016年3月8日/25歳の疑問「なんでバンドやっているんだろう…」


そんなわたし、ヒガシノメーコ。まずは去年の誕生日についての振り返りから。
▼2019年03月9日/褒めてつかわす

このときのわたしは、仕事で訪れた街でキラキラ輝く子育てマダムたちを目にして、「ひぇぇ~~~」となっていたようだ。「母親でもなくて、妻でもなくて、バンドとライターをしている27歳として生きていること」がひどく心に突き刺さったらしい。
…なるほど。その話で言うと、現在のわたしはそんなマダムたちに何の感情も抱いていない。最強に可愛い姪っ子が生まれたことによって『オバさん』という鎧を身に着けたからかもしれない。マダムはマダム。わたしはわたし。そして、姪っ子は姪っ子。大好き。チュッ…。


そして、明日29歳となる自分を振り返る。
この1年である意味たくましくなったような気もするし、相変わらず周りの力を借りながらなんとか生きながらえている部分もある。このウイルス騒動で、経済的に追い込まれてしまう人が多いなか、わたしは(1件を除いて)担当案件がキャンセルすることなく、仕事に取り組めている奇跡のような状態。安心できない状況だが、心からありがたいと思っているし、仕事をくださる方々に助けられていると感じずにはいられない。

また、最近少しだけ心境が変わったこともある。それは、幼き日の自分のささやかな”悲しみ”に触れた記事をアップしてからだ。
▼2020年01月25日/「少女漫画」が好きだった幼き頃の悲しみ、そして、今

この記事を書いて、改めて自分は「絵」や「漫画」を描くことが好きだったのだと気づかされた。そこで、仕事の気分転換に絵を描くなど、気軽に絵を描くようになった。これまでエッセイのヘッダーには写真やフリー素材を使っていたが、自分で描いた絵を用いるようになった。移動時間に買った漫画を読んだり、レンタルした漫画を寝る前に読んだりと、昔のように漫画を楽しむようになった。過去に傷ついた自分を救い出せて、今は、ちょっとだけ幸せである。


”29歳”というのは、数字だけで見ると「もう30代の大台乗るじゃん…」となるような年齢。しかし現在のわたしは、年を重ねる自分に対して特別な実感も焦りもない。というのも、同じような失敗を、毎年同じように繰り返していたりして、果たして自分は前に進んでいるのか、逆に後退しているのか…なんだか毎年同じ自分を眺めているようだからだ。

でも、それでもいいじゃない、と思う。お金がそんなになくても、人が羨むものをたくさん持っていなくても、同じようなことをずっと繰り返しても、悪いことをせず、そこそこ元気に生きていければいい。

ずっと音楽を続けられて、好きな絵や漫画を描けて、そういう自分の作品を見てくれる人がいて、しかもライターという自分に合った仕事を生業にできて、幸せじゃん。幸せじゃんヒガシノメーコ。今年は一段と、そう思う。

これからの、29歳のわたしができることは――今後も自分のつめの甘い人生を楽しむことだ。それを形にして、周りと一緒に楽しんでいくことだ。そして、わずかなお金を稼いで、姪っ子に絵本やオモチャを買ってやることだ。(早く大きくなって、わたしと2人でドラえもんを観に行こう!)
これでいいのだ。…なんだか、今年は一段と、そう思う。


世の中が混乱し、いろんな人が苦しんでいるなかで迎える誕生日。少し複雑。そう思わずにはいられないのですが、それでも皆さんとこれからも、いろんなことを楽しんでいければと思っています。いつも見守ってくださり、助けてくださり、本当にありがとう。ステキで楽しいおばちゃんを目指して、今後も生きていきます。ありがとう!

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