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no.10 共通認識の多いコミュニティ内では商品開発が面白い③

この記事ではブランド戦略やマーケティング、具体的な例を挙げながら考察し、商品開発、販売の参考になるものを探していきます。

おさらいになりますが、共通認識の多いコミュニティ内では以下の項目が期待できて、

①アイテムの作製、販売を通して交流が拡がる

②協力者が生まれる

③有益なアドバイスを得やすい

④その他の活動がプロモーションになる

⑤目に触れやすくなる

①~⑤の項目は、それぞれ全ての組み合わせに対して相互作用があり、

ポイントは「共通認識」、「共感」、「余白」、「信用」、「拡散」です。

これらのポイントを意識しながら、今年僕が気になったサービスを例に考えていきます。

以下の物はオンラインサロンコミュニティの環境とは若干ニュアンスが異なる意味合いになる点もありますが、参考にして転用できるかと思います。


■「幸福洗脳」中田敦彦さん

「幸福洗脳」というブランドをご存知でしょうか?お笑い芸人の中田敦彦さんのアパレルブランドで、店舗も乃木坂にオープンしています。

昨年から今年にかけて放送されたラジオ番組「中田敦彦のオールナイトニッポンプレミアム」の中では、毎週ブランドの商品、進行、売れ行きからプロモーションにいたるまであらゆる紆余曲折について、怒涛の勢いでまくしたてるように一人喋りを展開し、熱量たっぷりのハラハラ感を味わえるエンターテイメントラジオです。(回が進むにつれて喋るスピードと熱量が上がっていきます。ちなみにゴリゴリのギットギトコッテリラジオです。二郎系。)

ブランドについて詳しく知りたい方はぜひ聞いてみて下さい。


・「中田敦彦のオールナイトニッポンプレミアム」

オフィシャルのチャンネルもできていました。

・「幸福洗脳オフィシャルチャンネル」

特徴をいくつか挙げるとすれば

・仰々しいデザインに高価格帯のアイテム

・目まぐるしく変化する戦略、トライ&エラーの数々

・ラジオを軸にしたストーリーの魅せ方

・成功しているモデルの分析、紹介、転用


ラジオの中で毎週変化のある紆余曲折のストーリーは、聞き手を引き込み先の見えない面白さ、目新しい価値観がありました。

例えばネット販売を開始して、すぐにやめる宣言。翌週には再開。(リスナーからのクレームが多発した)

他にも阪急メンズ館に出店が決まり、こちらも出店をやめると宣言した後の出店。商品を全国の居酒屋に置くためにリスナーに委託協力の募集をかけ、中断。はじめの内はブランドコンセプトも定まっていませんでした。

しかし何も決まっていない状態のまま進む新ブランドの様子は、不確実性からなる「余白」が生まれます。既に固まって先が見える完璧なものには余白が少なく、介在余地が無い為、受け取り手は入り込めません。そこには「共感」を感じにくいのです。

②協力者が生まれ③有益なアドバイスを頂けるようになる為には、「余白」と「共感」も大事な要素だと考えます。



毎週ラジオを使ったブランドについての発信で、実店舗ができてからはその場所にも交流が生まれました。ラジオ内でもリスナーが参加できる企画を通して聞き手の声の通りやすさがあり、「幸福洗脳」のブランドはラジオと店舗の交流から多くのファンを作り、回を追うごとに小さなコミュニティが形成されていく様子を感じる事ができます。

また「FR2」の石川涼さんも「幸福洗脳」ブランド戦略についてアドバイスをされたり、同じく芸人の西野彰浩さんもトークゲストとしてラジオに参加されていました。(幸福洗脳はFR2に大きな影響を受けています)

同時に中田敦彦さんのオンラインサロンも開設されます。

ラジオの発信を重ねる事により受け手とブランド側の認識の差を減らし、「共通認識」を増やしていきます。この段階に入るとブランド側の意図も伝わりやすくなりました。

ちなみに協力してくれる著名人の方々も①アイテムの作製、販売を通して交流が拡がった一例と言えるでしょう。

そしてそれを支えたのは圧倒的な熱量です。

ビジョンが明確に伝わってきて、それに対して進む圧倒的な熱量がさらに多くの「信用」と「拡散」を作ったのだと感じます。


■まとめ

「幸福洗脳」は決して万人ウケはしないデザインの高価格帯アイテム。

そのブランディングはいかにして差別化を図り、付加価値を生むことに集中して、あらゆるジャンルの成功事例や流行っているサービス、商品などを分析、紹介しながら「幸福洗脳」に転用、独自の世界観を創ってきました。

そのトライ&エラーの数々をリアルタイムで追っていける場所として、半年間のラジオという媒体の中にエンターテイメントを詰め込んだ現代らしいプロモーションの成功例だと考えます。

これらを支えたのは、全てのサービスに不可欠の「圧倒的な熱量」です。


次回は路線を変えて、実体験を元に「共通認識の多いコミュニティ内の学び」について、考察していきます。


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