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[自己紹介] 教育大卒業したぼくが、いま、アメリカ人と一緒にビールを造るわけ

初めまして、Takumi Kanekoと申します。
令和元年、和歌山県有田川町にて旧保育所をリノベーションし「Nomcraft Brewing」を立ち上げました。いまは二人のアメリカ人と一緒に”クラフトビールでまちづくり”に挑んでいます。

※こちらは僕の自己紹介てきなnoteとなります。

ぼくは現在30歳(平成元年生)です。愛知県豊橋市で生まれ育ち、教育大学を卒業した、いわゆるところ真面目な人間でした。
そんなぼくが、どうして、有田川町にてアメリカ人と一緒にクラフトビールを造っているのでしょうか。

初めてお会いする人に「どちら出身ですか?」とよく聞かれます。
「愛知県です」と答えると100%の確率で「どうしてまた?」と尋ねられます。


(あ、またいつものパターン)ということで簡単に済ませてしまうことが多いんですが(すみません)、とりあえず自分なり「どうして、いま、ここに」いるのかにまとめてみました。
ぼくがどのような道を経て現在に及ぶのか、読んでいただければ幸いです。

note1つ目の記事は「教育大卒業したぼくが、いま、アメリカ人と一緒にビールを造るわけ。」

長い自己紹介です。
いま自分で振り返ってみても、まあよくできた話のようですが。

自分の今までを振り返ったら”旅・英語・行動”の三つがどうやらキーワードだったようなので、簡単なストーリーとともにつらつら綴らせてもらいます。


1)旅

ぼくは、冒頭に述したように真面目ないち男子でした。教育大学に通っていましたので、同期は皆先生です。しかし、進路を選ぶ段階で当時のぼくは何か違和を感じていました。

「このまま先生になって余生過ごしていて、果たしてぼくの人生は面白いのだろうか。」

いままで真っ当なレールの上を歩んできたぼくが、自らの別のレールを轢く瞬間が訪れました。採用試験も全てほっぽらかし、に出たのです。

バックパッカーインド

(ラジアスターン砂漠 / India)


ぼくは「ユーラシア大陸の東から西へ」という大まかな計画を立て、ホーチミン行きの片道フライトチケットを片手に2013年からバックパッカーになりました。

自分の感じるのまま、流れるまま、思うがままに旅しました。カンボジア全土原付旅、インドではヨーガに生き、ネパールではヒマラヤ山脈の峠越え。全てが新しく、全てが新鮮でした。自ら轢いたレールは、思いのほか、ぼくの生きるスタイルに合っていました。


ちょっと話はそれますが、”ひとり旅”はいいものですよ。一人で居たいときは一人でいられるし、誰かと居たいときは誰かと旅路を同じくすることができます。そして、なんといっても出会いの数。複数人で旅するより何倍もの新たな出会いがありますね。ぼく個人的には、特に自分と全く違った価値観を持つ外国人との交流の”楽しさ”にどっぷりはまっていました。


2)英語


旅先で、ひとつ気づきました。”世界の共通語は英語”だということ。
そして「英語はこれからの人生を楽しむために必須だ」ということ。

ぼくは帰国後すぐに、フィリピンへ語学留学に行きました。

1日8時間の”マンツーマンスピーキング特化型レッスン”という超スパルタ式英語学習を3ヶ月しました。
少し自信のついたぼくは、その足で2015年からオーストラリアへ一年滞在。

それから次に住む国を考えていた頃、メルボルンのとあるバーで隣になったオーストラリア人から「アウトドア好きならジャスパーへ行くといいぞ」と勧められました。

その場でググって、一晩興奮して、「ジャスパー行くぞ!」ってなりました。


そして一時帰国で衣替えをし(ジャスパーの冬-20℃普通です)、2016年カナダはジャスパーへ。ロッキー山脈国立公園内に点在するいくつもの湖でトラウトフィッシングをする日々でした。ひと夏で300匹は釣りましたねー。おかげで内陸でも魚に困ることはありませんでした。思い返しても、あの大自然へはまた戻りたいですね。

ワーキングホリデー カナダ

(レインボートラウト / Canada)


さて、カナダでの生活を終えたぼくは、日本へ帰る前にアメリカのポートランドへ向かいました。”全米一住みたい街 ポートランド”と称されるだけあり、クラフトマンやヒップスターの集まるミックスカルチャーな空間は刺激的な場所でした。


ポートランドでのある日、自家栽培して収穫したハーブや野菜を使ったレストラン併設ファーム”The Side Yard Farm”に興味を持ち、直接アポイントをとり翌日ボランティアさせてもらうことになりました。

The side yard farmのファーム長と土をいじりながら「ミシシッピ通りのピザ屋、俺らのハーブ使っててポートランドいち美味いからいけよー!」と他愛もないおしゃべりをしていると、日本人の集団が訪れました。

「まちづくりの視察に来ているんだ」と。なるほど。聞くと、和歌山県有田川町からわざわざポートランドへ視察来ているということで、ぼくは偶然見る日本人に少し興奮気味で”まちづくり”について話を聞かせてもらいました。

「日本に帰国した際には遊びにおいでよー。」と言ってもらったので、帰国後すぐに有田川町に遊びに行くことにしました。


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(The Side Yard Farm 自家製ハーブランチ / Portland)


3)行動:フットワーク


ぼくは、今まで興味あることはすぐに”行動に移す”ことを心がけてきました。

自分のやりたいことは常に移り変わり、今やりたいことは5年後、10年後、自分のやりたいことになっていないかもしれません。
今やりたいことをやれば、次もっとやりたいことが生まれてくるかもしれない。

それは逃したく無いですよね。
思い立って、少し考えて、「よし、それだ」と思えるなら迷わずその道を歩んできました。

「世界へ旅に出て、フィリピンで英語漬けし、オーストラリアで海外生活を、カナダで釣りをして、ポートランドで有田川町の人々に出会った。」


そして、ぼくはなんの情報もないまま和歌山県有田川町へ向かいました。

着いた先ではなんと、いままさに町の人々とポートランド出身のベン(現Nomcraft Brewing マスターブリュワー)が、「クラフトビールでまちづくりだー!」とskypeミーティングをしている最中でした。

(そんなことある?)

はじめは通訳者として間に入っていましたが、次第にこのプロジェクトの全貌がぼんやり見えて来ました。(ふむふむ、クラフトビールで創るコミュニティか。)

そんなところで、ある町の人から「一緒にやろうぜ!」と誘われた時は、「はい、やります!」とほぼ即答で答えていました。
(それが2017年、28歳の冬の頃。当時のぼくの人生プランは「30歳まで海外で遊んで(次はドイツかニュージーランドの予定だった)、それから何かしよう。」くらいのものでした。先のまだぼんやりしたプロジェクトでしたが、なんか面白そうでしたから、YESでしたね。)


そして、ぼくも醸造研修が必要だということになり、すぐにオーストラリアメルボルンへ再び飛び、20箇所くらいのブリュワリーのドアを叩き、無事醸造研修をさせてもらうことになりました。
帰国後、岩手県にて設備研修を終え、2018年11月より保育所のリノベーション工事がスタートしたのです。

オーストラリア醸造修行

( 醸造研修 / Australia Melbourne)


現在(2019年11月)、Nomcraft Brewingはポートランド出身のマスターブリュワー・ベン、シカゴ出身のビアソムリエ・アダム、愛知出身のぼく。小さい醸造所ですが、この三人で毎日忙しく駆け回っています。


あのとき、教師という道を選び、“旅”に出ていなければ、ぼくは今頃とある学校の生徒指導をしているでしょう。

あのとき、”英語”を勉強していなかったら、外国人と一緒に働くなんてことはなかったでしょう。

あのとき、直感したことを”行動”に移していなかったら、”いまのぼく”はここにはいません。


旅、英語、行動

今回細かいことはだいぶ端折って綴っております。
ですが、だいたい大まかにはこんな感じです。

そしてもちろん「いまのぼく」に後悔はありません。
あのときの選択は良かったと信じています。


20代が終わり、これから30代がスタートします。
歳を重ねるにつれて、人生さらにワクワクしてきます。

ちなみにぼくは最近「人生100年計画」でゆるーくイメージしています。

80歳まで旅できると考えて、まずは健康大事だね。食事と運動は最優先事項だな。それから結婚はいつごろだろ?家はいるのか?とか。

そんなことは、きっと大したことでは無いことだろうけど、でもひょっとしたら意外とそのイメージも大切なのかもしれません。
なにか心から”やりたいこと”に出会って、それを選択できるのか・できないのか。
選択するスピードも問われる時代ですから、ぼんやりでもいいから、そういったイメージがあると、助けになることもあるかもしれませんね。

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(Nomcraft Brewing / Aridagawa)


最後に、もう一つ。
ぼくはNomcraft Brewingで醸造者として働いていますが、同時にPR担当としても活動しています。”まちづくり”ですからやっぱり「有田川町の魅力」を世に伝えなくては。

町の魅力は、
「そこでしか味わえないもの」「そこでしか会えない人」「そこでしか見れない景色」そして「そこでしか体感できない時間」だと思っています。

世界を旅していた頃、ぼくの心を動かしたのは世界遺産や有名な観光名所ではなく、地元の人には他愛もないようなものでも、ぼくにとっては特別な、そこで出会った”人や食、景色、時間”でした。

有田川町にも、きっとぼくたちが気づかないような魅力がもっともっと眠っています。
ぼくは、PR担当として自分たちのビールのことだけではなく、「ここでしか味わえない町の魅力」も時間を見つけてはコツコツ世に伝えていけたらと思います。

あ、あとぼくが今まで世界で実感したことも。(これは残したいから)

そんなことをnoteに綴っていきます。

自分の「実感」を何より信じましょう。  「実感」にまさる基準はどこにもありません。   by Haruki Murakami 



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