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日本語の問いかけに対してもし子供が英語で答えてきたら。。。

今まで色んなバイリンガルの子供達を見て来た経験上、日本語と英語を混ぜて話す子供がいても、適当にやってると大抵その子が10歳を超える頃には混ざることもなくなり、一つの言語(もしアメリカに住んでいて日本語教育を行っていても、きちんと取り組んでいない場合、10才を過ぎると混ざることもなくなり、英語だけ話す様になる)だけで話す場合が大変多い。

私の感覚ではきっと子供自体が成長し、語彙も第一言語で増やしている段階で、順調に第二言語も増やすことが出来ない場合、自然とそのレベルの低い第二言語の語彙を使わずに第一言語だけで話す方が自然になる、と子供自身も感じて来るからなのでは?と思ってる。(私は言語学者の専門家ではなく、あくまでも現場の人間だし、根拠となる公的データはないんだけど。あくまでも私の過去10年以上の現場経験から感じる事である。)

なので、例えばアメリカで日本語教育をしていて、でも結構適当になってると、小1位までは会話自体も英語も日本語も出来るけど、小3くらいから英語と日本語の語彙に乖離が始まり、小4くらいではもう難しくなる。補習校等に通ってる場合、辞める児童が多いのはこの辺りの年代だ。逆にここで踏ん張れると小6くらいまでは頑張れる。

前にも書いたけど、胆になる年代の時期はもっと早くて、実際に面と向かっては言いにくいけど、私がもしはっきり言っていいのなら小1迄が勝負だな、って思ってる。そこまでに上手く行かないとその後1,2年で行き詰ってしまう、という感覚がある。

幼稚園児に日本語で話しかけても「プリスクールで習った英語も話して欲しい」という親心もあって、両方の言語を混ぜて話す日本人の母親を見かける時があるけど、普通に考えたら母親は日本語と英語の区別は出来るけど、子供にはわからないだろうし、難しいだろうな、って思ってる。またそういう親御さんの子供は結局英語の方が強くなって10歳過ぎたら英語のみ話すし、その後13才くらいになると今度は親の英語レベルを抜いていくので、そうなると逆に親は急に今までの方針を変えて英語を話すのをやめて(この辺りの親の心情を考えると可哀想なんだけど)日本語のみで話しかけるー>そして子供は英語で返事をする、と言う形になっている家庭をよく見かけた。

まぁ、そうなる気持ちはよくわかる。そして何度も書くけど、それでも家族としてちゃんと成り立っているし、愛情がそこにあって幸せに生きている家庭もいっぱいあるし、「これはこれでいいんです。」って言われたら私にしたら「そうですよね、私はあなたのご家庭の方針に何も文句を言うつもりもないし、尊重します。」と言うだけだ。

しかし、もし本当のバイリンガル育児を、って思うんだったら育児途中の自らの方針転換はなるべくしない方がいい。勿論厳しい道のりだから、辞めたり諦める人も多い。でももしまだお子さんが就学前で、本当のバイリンガルを!って思う方がいらしたら
子供に日本語で話し、答えが英語だったら「そう答えるんじゃないよ、日本語ではOOOOOOって答えるんだよ。OOOOOO。言ってごらん。」と言って「OOOOOO。」と子供にしっかり言わせる、というこの作業の繰り返しを続けていくこと
を心からお勧めする。でないと聞き取れるけど、答え方はわかんない、という子供に育つ。そしてその後、徐々に聞き取りも出来なくなっていく。

但し、全てに於いて「OOOOOO。」と教えて、「OOOOOO。」と言わせるのは本当に大変だし、親もか~な~り疲れる。でも異国の地で日本語を常に教えることが出来るのはやっぱり親しかいないから、そこは頑張れば頑張るほど子供の力が伸びるし、親としてもそれが結果として見えてくると思う。

これをするには家庭での意見の一致が不可欠だ。夫もしくは妻、もしくはパートナーにこの教育方針をしっかり理解してもらい、一緒に団結して進めていくことも大事な事の一つだ。

「アメリカ人夫が、私が子供と日本語で話すとわからないから怒ったりして、そんなこともあって夫がいる時は英語で話している。」というケースも良く見聞きしてきた。結局その場合、英語だけの会話になってしまうことが多い。

なのでそんな時は
1)アメリカ人夫にこの方針をしっかり理解してもらう様にこちらもきちんと根気よく説明すること。
2)アメリカ人夫のタイプにもよるが、一緒に日本語を学んでもらう。
等の対応を試してもらいたい。実際私のアメリカ人夫の日本語はこの25年で随分上達した。私の母(英語全くダメ、バリバリの関西弁)とも日本語で会話が出来る位にはなった。こっちの方が一挙両得だ、って私は思ってる。