元CIAが述べる「ウソを見抜く時差」

民進党内でも波紋? 「蓮舫代表が『戸籍を示し近々説明する』と述べた」と報じられる
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=85&from=diary&id=4664428

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元CIAとしてウソについては多少の見解があるのでそれを述べる。

まっとうな話し合いにおいて「正直に事実を話すこと」が正攻法である。正直に話すだけで「自分が有利である」「自分の思う展開(勝利条件)に持ち込めそうな場合」はそれだけで十分である。

つまり「ウソ」はいわば「勝負手」だ。ウソが通れば有利になるかもしれないが、見破られると著しく不利になる。なので、なるべくならウソはつきたくない、必要最小限にとどめたいというのが大半の人物の心理だ。とはいえ、まっとうに事実を話すのみでは、自分が望む勝利条件に届かない場合、ウソをつかざるを得ないと考える人がいる。

また、自己保身のために、ついウソを言ってしまうのも人間のサガであろう。火の粉が飛んできたら目を瞑ってしまうようなものだ。裁判所における発言で「証人の偽証罪」はあっても被告本人が嘘をついても罪に問われないのはこの辺りも理由なのだろう。

これらから読み解けることがいくつかある。
①ウソは基本的には「不利な側、弱者の戦術」である
だから相手が嘘をついてきたら腹を立てるのではなく「チャンス」だと思えばよい。
「ああ、ウソをつかざるをえなくなったのだな」と。
②ウソをつくタイミングはギリギリになりやすい。大概は追い詰められて嘘をつくので、表面のつじつましか合わないことが多い。 賢い連中ほど計画的にウソを用いる。
③ウソを立証するには「理由」「時差」に着眼するのが有効である。


実例を示そう。
たとえば、「子供のプライバシーに関わるから」という理由で戸籍を公開していなかった某野党の女性議員が「子供が成人に達したから戸籍を公開する」と言い出したあたりがよい事例か。

一見つじつまの合う言い訳を思いついた時は「神の一手」だと錯覚するものだ。だが理詰めで「理由」「時差」を確認すれば必ず矛盾が生じる。

当該ケースの場合、以下の順序で確認していく。
①「タイミングの確認1」
今回のタイミングで戸籍公開を行うのはなぜか?戸籍公開は今回の選挙における惨敗とは関係ないのか?
⇒予想される答え「このタイミングになったのは子供が成人に達して公開できるようになったからであり、選挙とは関係ない。たまたまである」
②「理由の確認」
戸籍を公開する理由はなぜか?
⇒予想される答え「身の潔白のために皆が公開しろとかつて言われていたからだ」
③「タイミングの確認2」
ならば戸籍公開は身の潔白を問われた二重国籍問題が生じた頃から考えていたのか?
⇒予想される答え「当然、そうだ」
④「ならば、以前問題になった時点で子供がハタチになったら公開すると明言しなかったのはなぜか?」


と言う展開か。

もう少し分かりやすく。

「タテマエ」は
今回戸籍公開をするのは選挙惨敗とは一切関係なく、要求されていたことに応えるためである。また「たまたまこのタイミングで」子供が成人に達したので公開するというところだろうか。

「真相」は
本来は戸籍を隠しきれるなら隠したいと思っていた。ところが今回の選挙の惨敗で風当たりが強くなった。さらに身内からも戸籍公開を求められた。公開せざるを得ない。今までは子供の個人情報の保護を言訳にしていた。それと矛盾せずに今回見せる理由として「子供が成人に達したから」と言うのを思いついた。

というところだろう。実際に公開しようと思ったタイミングはおそらく選挙に惨敗した「最近」なのである。「公開する理由」「公開を考えたタイミング」を突き詰めれば「時差」が生じるわけだ。

これらを見抜いて③の質問に「いや、公開を考えたのはあくまでも双子の子供が成人に達したからである」と抗弁するとどうなるか?

当時の言動と矛盾が生じるわけだ。

嘘をつかずに済ませるには適切な「勝利条件」「敗北条件」の設定が必要だ。何らかの不法行為を働き、事前にその罪を認めていながら、直前になって翻意するようなちぐはぐなやり方ではあっという間に詰められて当然ということだ。

CIA(内部監査人)や行政書士資格から「ルールについて」、将棋の趣味から「格上との戦い方」に特化して思考を掘り下げている人間です。