株式投資私論・株価ホメオスタシス・本来線
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株式投資私論・株価ホメオスタシス・本来線

佐藤源彦@MBBS

生体にはホメオスタシス(恒常性維持機能)という生体の状態を一定に保つシステムがあります。例えば、暑い日は汗をかき、体温を下げ、体温を一定に保つというものです。これは脳の視床下部がその中枢であるとされます。

脳は当然ながら心理にも関係しますので、心理学の世界にもホメオスタシスの概念は存在します(心理的ホメオスタシス)。また、集団にも存在します(家族ホメオスタシス)。その人間の心が生み出した経済にも、当然、存在すると考えられます(例えば、アダムスミスの「神の見えざる手」など)。

今回は、このホメオスタシスが株価にも存在するのではないか、という考え方です。それが「株価ホメオスタシス」、別名、「本来線」と名付けました。

株価も上下の変動がありますが、上下したとしても本来の株価にまで戻るというのが株価ホメオスタシス=本来線の考え方です。

例えば、最近、テーパリング急進派のパウエル氏がFRB議長に再任され相場は下がり、コロナの変異種・オミクロンが発生し、相場を下げました。しかし、金利は下がったので株価は上昇し、その後、パウエル議長の発言で金利は上昇し相場は下げました。こうした浮き沈みの激しい相場ですが、相場の本来線を定めておけば右往左往することはないと思います。

ホメオスタシスは内部環境を一定に保つ概念なので、外部環境である地合いを省いたその組織の業績や期待値などの総合力のホメオスタティックなイメージです。イメージなので、その本質は人々の心の中にあるものです。つまり、

「短期的な上げ下げはあるが、この銘柄の適性価格はこれくらいだろうな」

という集団の平均的な観念です。

本来線とは今のところ、初期本来線、成長本来線など分けて考えていますが、成長本来線でテスラを見ていくことにします。

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紫色の線が私が引いた本来線です。テスラは2019年後半からライジングシテいき、この線上で成長していると私は考えます。途中2020年10月頃から更に強い上昇があり、2021年1月25日に900ドルをつけましたが、これは成長本来線から大きく外れます。その後、決算のミスや金利上昇があり、テスラの株価は539ドルにまで一気に落ち込みますが、落ち込んだのではなく、本来の株価に戻ったとここでは考えます。

現在はと言うと、成長本来線を大きく超えていますので、テスラはPERから見ても割高ですし、成長本来線からしても割高に見えます。

それなら暴落する可能性があるため、すぐに利確するべきかというと、そうではありません。下げる理由がない場合、ここから横這いに動くと考えられるからです。ですから、短期投資で考えている場合は利確もありですが、長期投資で考えている場合はホールドでいいと思います。
※個人的意見です。投資は自己責任でお願いします。

私はテスラを保有していますが(PFで保有率一位)、買い増しはしません。理由は本来線から大きく外れているため、短期的に上昇しても調整があり、基本、横這いに近い動きをするのではないかなと思うからです。

本来線を超えて高い位置にあり、横這い状態のよい例がアマゾンです。

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コロナショック後からスーパーライジングしてますが、これはコロナ社会になると人々は自宅に引き篭もるので、アマゾンのようなECサイトを利用するため、アマゾンにとって有利な外部環境となります。これは外部環境の影響であり、内部環境の力ではないので、本来線を大きく超えていきます。そして、2020年8月以降、横這いとなるのは(やや上昇していますが)、本来線が追いついてくるのを待っているからだと考えらえるのです。本来線から見ると割高と判断しますので、私はアマゾンには投資をしません。

また、コロナショックでアマゾンより更にライジングしたのがズームですが、私の主観ですと、ズームは本来線上に戻って来ていますので、ここからは安定する可能性があります。しかし、「落ちるナイフは拾うな」の格言もありますので、私は買いません。直近の決算を見ても魅力を感じませんし。

一応、分析のやり方を。

以下のようにズームがコロナでライジングする前の成長本来線をとります。

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そして拡大したものが以下となります。

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多分、下げてもこの線上には戻って来るのではないかなと予想。けど、怖いから買わないですよw

実際に私がこの成長本来線の概念で売買したのがズームインフォと言う銘柄。

決算を毎回クリアしてきた優秀な銘柄です。
決算後に大きく上げ(決算がよいので)、その後下げるパターンが多いです。

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私はこの銘柄を金利激下げ期に割安と判断し40ドル台で購入し、一回売って買い戻し、最近、大きく下げたので70ドルちょっとで利確しました。パウエル氏再任による金利上昇により、こうした小型株は今後、金利に弱いと判断したからです。

このズームインフォですが、本来線の評価では、現在65ドルくらいが妥当なところかなと思います。現在は、本来線からすると割安ですが、今後、金利の上昇局面で耐えれないと判断しました。

購入をしたのがデータドッグ。これは本来線を見ると下げるかもと思い、数回に分けて購入する予定です。多分、今週はまだ下げる要素があるので、拾って行こうかなと思います。私は5回くらいに分けて購入します。

長期で見るとこんな感じ。

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ちょっと高くて心配ですが、直近は成長本来線は好決算効果によって角度が上がったと分析します。

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短期でという条件で買いに行こうと思います。1月まではアノマリー的に相場は強いと思いますので、1月まで保有し2月で売るかどうかを決めます。

決算は強いですが、金利に多少弱い感じもします。クラウドSaaS企業なので、コロナには少し強い感じがします。直近、窓を開けていることからも伺えますが、地合いがいい時は上昇力が強いと思います。

ということで、今回は株価ホメオスタシス・本来線のお話でした。

ホメオスタシスに対して、成長性をアロスタシスと言います。そして、成長を阻む因子をアロスタティックロードと言います。こうした概念を使った分析もまた述べていきたいと思います。

それでは、また。

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佐藤源彦@MBBS
医療系の研究所と心理学の研究所を経て、その研究・臨床を社会に活かすために独立し心身の総合研究所・MBBSを立ち上げる。 【プロフィール】 https://www.mbbs.click/staff/