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花と朗読 制作記(2)

11月に福岡で華道家の杉謙太郎さんと催す「花と朗読」。
前回お伝えしたように開催場所は杉工場と河北邸の2箇所となっている。
趣の違う二箇所なので内容も変える予定。

杉工場の方では、コロナ禍に杉さんがとてもお世話になった陶工の山本源太さんへのオマージュ的な作品にしたいとリクエストがあった。
私も9月に福岡に遊びに行った時に、八女市星野村にある源太さんの窯へ遊びに行った。山の中にある源太窯はなんとも言えぬ趣があった。その敷地内には源太さんの作品が売られているギャラリーの他にも、彼の元に集まってきた数々のアートがセンスよく展示されている場所もあり、それぞれの場所でゆっくりと時間を過ごした。

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源太さんの口調はとても穏やかで、自分自身や自分の置かれている状況を丸ごと受け入れ、星野村に吹く風と共にその場所に佇んでいるようだった。

源太さんの作品の並ぶギャラリーには「土泥棒」(葦書房)と「蛇苺」(窯庭)という本が2冊平置きにされていた。どちらも源太さんの書いたものだった。楽しく長居をさせて頂いたお礼に詩集の一番はじめに書かれていた「火夫」という詩を朗読させて頂いた。「火夫」とは火を焚く人をいう。この詩は源太さんを星野村へと導くきっかけとなった詩である。

東京に戻ってから「土泥棒」と「蛇苺」を読んでみた。当たり前だけれど、あの時とても穏やかに見えた源太さんの内側には激しさがあった。ものづくりをする人の性である。源太さんの激しさには人間らしさがあった。憧れと失意と、肯定と、人の道への葛藤を垣間見ることが出来た。素敵だと思った。そうでなくちゃ、とも思った。勝手だけれど、人は作品の後ろにある蠢くエネルギーに魅力を感じたりする。

源太さんの心の葛藤を「土泥棒」より抜粋して。


その後に続く妻の手紙が素敵なので、その箇所もちょこっと。

こういう夫婦のやりとりは美しいな、と思う。映画のワンシーンを垣間見てしまったようだ。

さてさて、本番はどの箇所を抜粋して読もうか。

それとも、自分でも何か書こうかな。

杉さんの友人であるドラマーの田中徳崇さんも参加してくれるとのことなので、もっと激しく揺れ動くところとか読んだら合うかもしれませんねー。

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