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東京寫眞帖 : 中延ねぶた祭り

またしてもご近所ネタです。

隣町の中延では1年おきにねぶた祭りを開催しています。
引っ越してきて16年、毎回ちょうどお彼岸で帰省するときに重なってしまっていたのですが、今年初めて見ることができました。


昨日の夕方5時過ぎ、薄暗くなってきたところを、会場である中延の商店街へと向かいました。
スタート地点は、東急池上線の荏原中延駅近く。
近づくにつれて太鼓の音が聞こえてきて、自然と足が早まります。
付近の道路は、驚くほどの人出でした。体に響く太鼓の音に圧倒されながら、少しでも前へ。

ねぶたが見えました!
このねぶたはアテルイでした。

ねぶたの実物を見たのも初めてですが、昭和通りにこんなに人がいるのも初めて見ました(笑)
それに、外国人の観客が多いのにも驚きました。
そもそも昨日は、昼間に用があって中延を通りかかったときにカメラを提げた外国の方をちらほらと見かけて「今日、何かあったっけ?」と首をひねり、それでねぶた祭りがあることを思い出したのです。
皆さん、こういうイベントがあるということをよく知ってますよね。感心です…

ねぶたに続いて、巨大な太鼓がやってきました。
通りの向こうまで人、人、人。
太鼓隊の後ろ姿。
先のしなった長いバチ。
バチは細いのに、ものすごい大音量が出ます。
鉦を打ち鳴らす音、お囃子の笛の音、
たくさんの人で賑やかな様子に心が躍ります。
ハネトさん。花飾りのついた笠が独特ですよね。
次のねぶたがやってきました。
那須与一かと思いましたが違うかも。
真打ち登場?!
やたらと大きいのがズズズ… とやってきます。
通りいっぱいの大ねぶた。
観客の手が一斉に上がります(自分も。笑)
大ねぶたの背面は、中国風の美人図でした。
背面アップ。
この大ねぶたは「劉邦斬白蛇」というテーマだったので、それで中国美人図だったのですね。

ねぶたはこのあと中延商店街を練り歩くことになっているので、横道から商店街の真ん中あたりへと先回りすることにしました。

が、しかし。

さっきは運良く見通しのきく良い場所からねぶたを見ることができましたが、商店街は既に中に入れないほどの人だかり。
並んだ頭や差し上げられた腕の向こうに、お囃子の人や、花笠がチラリと見えるばかりでした。

隙間から1枚。
大ねぶたがぶつからずに通れるのか、
ハラハラしました。

ねぶたが商店街に揃ったところで、中入り。
ハネトさんたちも休憩です。事務局からビールが差入れされていました。美味しかったろうなあ。

左側の赤いハネトさんは
「NO盆踊り NO LIFE」と書かれた
ウチワを持っていました(笑)

中入り後、ねぶたは商店街を向こう側の端、大井町線の中延駅側まで行ってから折り返してきます。
戻ってきた時はこれまでに見た3基の他に、もう2つありました(ねぶた祭りの開始に少し遅れて行ったので、最初に見逃していたようです)。

近所の児童センターのねぶた。
ペンギンかな?
六郷工科高校の雷神ねぶた。
高校生がとても元気で微笑ましかったです。

ところで、この記事を書こうと思ってネットを調べていて、昨日のねぶたが青森の黒石から来たことを知りました。
そうと知っていれば、もっと違った気持ちでねぶたを見たかもしれません。
去年の夏の弘前旅行で、黒石にも足を伸ばしました。こみせ通りという江戸時代からのアーケード街や津軽地方独特の大石武学流の庭園を見たいと思って、それで行ったのです。
その時に訪れた「金平成園」という庭園で、ボランティアの方にとても親切にガイドしていただいて、それ以来、黒石には親近感を持っています。あのガイドさんのお名前を聞くか写真を一緒に撮るかすればよかったと今でもちょっと後悔しているくらい。あの方、どうしているかなあ… 
人と人の縁は、たとえこんなふうに一回きりのものであっても、それとも一回きりだからでしょうか、ずっと心に残るものなのですね。

それはともかく、昨日は実物のねぶたをはじめて見ることができて、とても満足でした。
いつか青森で、本場のねぶたを見よう。

昨日の昼間の中延商店街。
雷神ねぶたが待機中。

(2024.9.21)

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