見出し画像

人に聴いてもらう

カウンセラーになったのは、2016年。
産業カウンセラーの資格を取り、人の話を聴くことを仕事でやり始めた。
カウンセラーになろうと思ったきっかけは、自分がカウンセリングを受けたり、対話の場に出たりして、聴いてもらうことのパワーを感じ、この、"聴く"体験を他の人にも味わってもらいたいと思ったのが、大きい。

だけど、大学の心理学科を出たわけでもなく、あるのは自分の体験ばかりなり、のわたしには、なかなかハードルの高い職業だった。

ボランティアで、ピアサポートの場に参加したりして、聴くことを大事にしたいと思い続けてはいた。
それまで、人にジャッジされたり、同情されたり、同調されたりしないで、ただ聴いてもらう体験をしたことがなかった。されたことがないから、したことももちろんない。

"聴く"を学び始めたときに、いかに自分が聴けないかについて、思い知らされ、うちのめされた。
こんなにジャッジだらけ、べきだらけな自分なのだ、と突きつけられた。
そのまんまの相手を自分の感情や思考は横に置いといて、共感的に聴く。
相手を尊重する。人間尊重の精神がカウンセリングには本当に大切。
そのように教えられ、実習をした。資格をとるのに、104時間以上の実習が必要だったのだけど、実習を終えて、資格を取得できても、”聴く”の先っぽに触れたくらいな感じだった。

人の話を聴けるようになるには、自分の話を聴いてもらう必要がある。
自分が聴いてもらう体験をして、初めて、聴いてもらうとはどんなことか?が体感としてわかる。それが大切なのだという。
わたしも、自分の話をなんどもなんども聴いてもらった。

資格をとってプロになったからと言って、聴くの修練が終わる訳ではなく、むしろ、プロになってからこそ、もっと修練が必要になると思う。
わたしは今、プロとしてやっていく人たちのための、カウンセラーズ・ゼミというものに参加しているのだけど、毎回、自分の聴き方の癖や、改善ポイントなどがわかり、本当に聴くを磨き続ける必要があるなーと感じている。

人にちゃんと聴いてもらうと、自分の中でぐるぐるといつまでも止まっているものが、抱えやすくなっていく。
持ちきれないと思っていたものも、まあこのくらいなら、抱えても大丈夫かとなったり、もういらなくて手離れていったりする。
一歩というほど進んでいないかもしれないけど、半歩でも一ミリでも、少しずつ進んでいってる、その希望が出てくるのが、聴くの魔法だなと思う。

これからも、聴くを磨きつつ、自分も聴いてもらいながら、進んでいきたい。


1096日連続毎日書くことに挑戦中です。サポートしてくださるとものすごくものすごく励みになります◎ あなたにも佳いことがありますように!