3歳の女の子から貰った一足早いクリスマスプレゼント
その日私は同期の彼女と夕飯を共にした。
お昼ご飯は何度か一緒に行ったことがあるけど、夕飯は初めてだ。
そこには3歳になる彼女の娘さん、Mちゃんもやって来た。
場所は職場からすぐのファミレス。
「初めまして」
と、出会ってすぐは私も少し緊張気味で…。
そんな私の気持ちが伝わってしまったのかお母さんに抱っこをせがむMちゃんだった。
さて、店内に入って食事を待つ間、彼女が紙に鉛筆で絵を描き始めてからは次第に私たち2人の距離は縮まって行った。
いつも職場で見せる顔とは違う同期の彼女。
私55歳。
彼女が確か30歳。
Mちゃんは3歳。
おいおい。
知らない人からしたら、親子3代のお食事にも見えなくはないなぁ。
なんてことが頭に浮かぶ。
実はこの日。
私はちょっとしたクリスマスプレゼントをMちゃんのために用意していた。
クリスマス柄の紙袋を渡すと嬉しそうに中を見ようとしていた。
一つは保育園に持って行けるようにキャラクターのティッシュ。
もう一つはクリスマス柄のシール。
大きなツリーが台紙となって、毎日日付が載った場所に1枚づつオーナメントのシールを貼り付けて行くアドベントカレンダーだ。
これは丸く筒状にしてあったので広げないと何かわからない。
Mちゃんはママから
「これは帰ってから開けようね」
と言われた。
そしてその紙袋はテーブルの上に帰るまできちんと置いたままだった。
(あれ?こういうプレゼントって、もしかして帰る時に渡す方が良かったのかしら?)
久しぶりにこうした小さな子供と交流をした私は、心の中で少し反省した。
向かいに座った私を指差し
「これなに?」
とママに聞くMちゃん。
「この人はだれ?」
の意味だと私にはわかった。
ただ横にいたママは
「失礼でしょ?この人は?でしょ」
と私の手前言い直してくれた。
私は「○○さんだよ〜」
とMちゃんに言うと
「○○さん〜?」
ときちんと言ってくれるのがとても嬉しかった。
お店を出るまでに
「これなに?」
「○○さんよ〜」
「○○さんか〜」
のやりとりは何回も続いた。
私はその度に名前を言った。
そしてこんなやりとりが楽しくて仕方なかった。
(横にいるママはハラハラしてたのかも知れないけど)
そして、楽しい時間はあっという間に終わりとなった。
お店を出る時。
Mちゃんの左手はママと手を繋いでいて、右手には私があげた紙袋を持っていた。
しばらく歩くとMちゃんは右手の紙袋をママに
「持って」と渡した。
そして空いた右手をどうするのかと思っていたら横を歩いていた私に差し出して
「手を繋ごう〜!」
と言ってくれた。
「え?○○さんと手を繋いでくれるの?」
私は応えた。
「うんっ」
と笑顔のMちゃん。
分かれ道までの数分間。
小さな手を握りしめる私のカサカサの左手。
心の中はこの上なくポカポカだった。
出会ってすぐ、ママに抱っこをせがんでいたMちゃん。
でもどうやら私との時間を楽しんでくれたようだ。
分かれ道でその小さな手を離すと
Mちゃんは
「バイバーイ!」
と私に向かってぶんぶん振ってくれた。
Mちゃんから一足早く貰ったクリスマスプレゼント。
こんなに可愛いくて
心あったまるプレゼント。
一体何年ぶりだろう。
帰り道、見上げる月が少し滲んだ私だった。
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