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本好きな私が密かに抱く罪悪感

私は本を読むのが好きだ。
本屋さんなら何時間でもいられると思う。
しかし、ある葛藤がある。
それは、最近増えているコーヒーを飲みながら本が読めるお店だ。

本を買うとき、私も軽く立ち読みはする。
しかし、その本1冊をそこで読み切ってやろうとは思っていない。
家でゆっくり読みたいと思うし、一番の理由は”罪悪感”かもしれない。

私は本を読むのが好きだ。
とくに時代小説が好きだ。
江戸時代の町民の長屋暮らしだとか、一膳めし屋の話など、涙あり笑いあり
ほのぼのと心温まるような話が特に好きだ。

文章を書くのは難しい、ましてや物語を考えて書くなんて私には到底できない。作家さんは、私たち読み手には想像もつかない努力をされているんだろうなといつも感心する。

そんな作家さんたちに、私たち読み手が出来ることと言えば、お金という対価で作品を購入することだと思う。売れれば売れるほど、印税が作家さんの元に入り、努力が報われるということだ。

しかし買わなければどうだろう?
書けども書けども売れなければ、書くことを辞めてしまいたくなるかもしれない。
そうすると私たちは読む楽しみを失ってしまう。

読み終えた本をずっと本棚に大切に並べていたが、整理収納アドバイザーの勉強をした際、こんな言葉を聞いた。

「20冊くらいになったら後輩にあげたり、古書店に売ったりする。読み終わったらスグ処分しちゃいますね」
「2回読みたいときはまた買って、その作者のかたにお金が入るのが正しいと思うんですよ」
(アメトークにて メイプル超合金のカズレーザーさん)

なるほど、そういう考え方があったか。
もう一度読みたいと思ったときは、また買えばいいのか。
妙に納得して、本棚の本をすべて古本屋に売った。

しかし古本屋は私のコレクションに対する熱い思いを知る由もなく、紙屑同然の値段で買い取りを要求してきた。
一度手放したものをまた返してもらうのもと思い、その場は泣く泣く承知した。

最近は、読み終わった本をメルカリで売っている。
というか売り始めた。
手間はかかるが古本屋に安価で引き取られるよりも少し値はつくし、買い手に対して「あぁ、この人もこの本に興味を持っているんだ」と共感が湧く。

そして、その売上金を動物保護団体へ寄付しようと思った。
これまでも東日本大震災で家族を失った動物を保護している団体へ何度か援助物資を送ってきた。
そんなこともあり、そうするのが一番だと思った。

作家さんから面白い作品が生まれる。
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私が購入し、堪能する。
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メルカリで販売する。
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①買った人が、私と同じように堪能する。
②売上金を寄付することにより、動物保護団体をサポート
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作家さんは、知らないうちに1冊で2人の人を楽しませ、困っている動物を助けることができている。

買った本を古本屋へ売ることで、新刊を買う人を1人減らしてしまっているのではないかという変な罪悪感があったが、この仕組みなら、その罪悪感から解放されるような気がする。

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