ヴィーナスのスープ

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タキシラ・サーカス雑記/ショウの終わりに

諸行無常。
 端的にいうと、それが今回のテーマであった。

 もともと私は日本人が古くから自然と持っている心をベースに制作していたが、今回は祖父を亡くしたこともテーマに大きく影響している。
 いつも私を見ては穏やかに微笑んでくれた祖父はその波乱の人生を生ききり、この世を去った。

 永遠とも言える宇宙の時間の流れに対して、人の人生は儚い。しかし儚さの中に波乱や狂乱がある。
 短い一生を悩み、苦しみ

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生と死のあわいにて

お久しぶりです。

20日に退院しまして、さっそく今日から展覧会「タキシラ・サーカス」です。

今回の展覧会は私の人生観が色濃く反映されているな、と思います。

人間の人生は儚いもの。
無限ともいえる宇宙の時間の中で、本当に短い時間を、笑ったり泣いたりしながら生きていく人間を私は愛おしく思います。
6月に他界した祖父もその1人でありました。

そして、私も。

いままでの人生を振り返ると割と波乱万

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ありがとうございます!
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タキシラ・サーカス雑記/祖父のこと

6月に亡くなった母方の祖父は穏やかな人だったけれど、その生涯は波乱の連続だった。

祖父は北海道の田舎に生まれ、10代の頃に仕事を求めて小樽に移り住んだ。

幾つかの職を転々としたあと、建設業に落ち着いた。
ダンプの免許を取り、瀬戸大橋の建設にも携わった。

母と叔母が生まれた後、自宅が全焼。
そして祖母の早過ぎる他界と、相次いで不幸に見舞われることになった。

祖父が敬虔な仏教徒だったのは、そう

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作品解説「The Song From The Beyond 1,2」

「Beyond」というのは「あちら側」とか「向こう側」のことです。
生と死のはざまには、どうしても超えられない壁があります。
幽霊というのは、それでもその壁を越えたいという人間の気持ちの表れなのではないでしょうか。
亡くなった人には、もう会うことはできない。
しかし、だからといって故人のことをきれいさっぱり忘れられるかと言うと、そうもいかない人の方が圧倒的に多いのです。
人の死は遺されたものにとっ

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作品解説「中陰の恋文 壱・弐」

「中陰」は仏教用語で生と死のはざまにいる存在、またはその期間のことですが、私はこれを「幽霊」と結び付けて考えました。

ちなみに、日本では仏教と幽霊の繋がりは深く、お寺によっては幽霊画がたくさん収蔵されていたりします。谷中の全生庵さんですとか、有名ですね。

先ほどお話した「はざま」の存在としての幽霊を、ここでも表現しました。
生きておらず、死んでおらず、そういう状態に置かれたとき、私は何を思うだ

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作品解説「雨晒しのスクリプト」

皆さん、こんにちは。
お久しぶりです。

noteは今まで曜日ごとに定期更新して参りましたが、より自由な表現を求めて、これからは不定期更新とさせていただきます。

今回はスペシャル企画!
「午睡の夢のファントム」のオープニングパーティで行った作品解説のテキストを三日間連続で掲載します!

まずは「雨晒しのスクリプト」から。

人間が生きて死んでいくということに関しては、わかっていることもありますが

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アーティストとして生きるということ

先週、祖父が他界しました。
海が好きな、心の広い祖父でした。

東京の展覧会を終えた、すぐ後の出来事でした。

人間、生きていると様々なことがあります。
素晴らしい出来事もあるし、苦しみもつきまとう。

私は、自分がアーティストとしての道を歩んでいくということは、人らしく全力で現在を生きていくことだと、そう思います。

苦しいことも楽しいことも、人間だから起こること。
アートはその全てを否定しない

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「午睡の夢のファントム」

こんにちは。
昨日は更新できず、申し訳ありません。

「午睡の夢のファントム」銀座のフラッグギンザギャラリーで開催中です。

今日はあいにくの雨ですが、ギャラリー内は雨宿りするにはいい雰囲気です。
どうぞお越しください。
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稲場麻佑・Benedict Yu二人展
「午睡の夢のファントム」
6月13日(木)〜16日(日) フラッグ・ギンザ・ギャラリー
11:00〜

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