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発達障害で給料泥棒の私が不採用覚悟でアルバイトの面接へ行った話。


初めましての方は初めまして!

現役美大生の はなぽん と申します。


フリーで活動中の現役美大生。発達障害(注意欠陥障害)と双極性障害と闘って生きています。


この記事は、注意欠陥型の発達障害に悩む私が本日コンビニアルバイトを“不採用覚悟“で受けてきた話 です。


発達障害の内の1つである注意欠陥障害とは (不注意型の例)
・細部に対して注意を払えないことが多い
・勉強や遊びに注意を持続させる事が困難である
・直接話しかけられても聞いてないように見える
・指示に従わないことが多く、言われたことをやり遂げられないことが多い
・課題や活動を手際よく行えないことが多い
・よく物をなくす
・外からの刺激を受けるとすぐ気がそれる
・物忘れが多い

https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ より引用


上記に書いてあることを文字だけで見ると、


こんなことは誰でも当てはまる。こんなことは努力不足だ。何でもかんでも障害にしたがるな。甘えるな。


と、思う方もいらっしゃると思います。


実際に私は今までそのような言葉を沢山の方に投げられ、そして自分から自分へと投げ、自分を責め続けていました。


天然  個性  ドジ  おっちょこちょい



私を含め、発達障害の人が周囲にしばしば言われる特徴です。

そう、これは誰にでも当てはまるところは必ずあり誰にでもある一部なのです。

ミスをしない人間なんて、存在しませんものね。


ではその一部が何故“障害”となってしまうのか。


それは 頻度と作用の大きさ にあります。



発達障害は、生まれつきの 脳の障害 です。

完全な障がい者でもなければ完全な健常者でもない。その中間に位置する、言うなればとても微妙で理解されにくい存在。

大人の発達障害は、大人になるまで自身でも気付かないことが多いです。それは第一に、


・見た目は完全なる健常者であること。



そして症状が「誰にでも当てはまる一部」でもあるために、日常生活では天然・ドジ・マイペース・少しおかしい人。で済んでしまうからです。

実際に私も周囲からはそう言われていました。


大人になれば大体の人は誰しも働きはじめます。

この“働く”という場面で、発達障害はエベレスト並に高い障壁となりそこで初めて気付くのです。






時は数年遡り、私が高校1年生だった時のこと。

大学進学への費用を少しでも貯めるため、私は某ピザチェーン店でアルバイトを始めました。

「はなぽんさんは頭のいい高校だし、話し方も真面目だから期待しているよ。よろしくね。」

と面接時に店長さんからは言われました。しかし実際に働いてみると、私は蓋をひっくりかえしたかのような


超無能野郎だった。



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・皿を毎日のように割る(物をよく落とす)
・指示が頭で理解出来ず、混乱する。
・指示されたことを5秒後に忘れる
(真剣に集中して聞いている)
・しばしば頭が真っ白になってしまい、パニックになる。
・店の物をなくす。
・ケアレスミスを頻繁にしてクレームが来る。


挙げればキリがないのですが、私はとんでもない無能野郎でした。

はじめは、「最初は誰でもミスはあるからね、次は気を付けよう」「慣れれば大丈夫」と声を掛けて頂いていました。自分でもそうであると信じていました。

ところが1ヶ月経っても、3ヶ月経っても、


私の無能ぶりは毎日続きました。



誰でもミスは必ずします。

しかし、私の場合はその頻度が異常なまでに周囲と比べて多かったのです。

流石に見兼ねた店長さんや先輩には毎日のように怒られ、愚痴を吐かれ、裏では聞こえるように悪口を言われ、嫌われ、疎まれました。

当然です。私は存在自体が迷惑そのもので、居ても足を引っ張るだけ。余計な仕事を増やすだけ。お店の信用を下げるだけ。


正に、給料泥棒。

※実際に店長さんに言われました。



その頃の私の口癖は、


「申し訳ありません」「すみません」


でした。

1日何回口にしていただろうか。

周りに怒られることや嫌われてしまうことよりも “迷惑を掛けてしまうこと” が何より申し訳なくて、

心は罪悪感と自己嫌悪、自己否定で埋め尽くされていました。



この時点で自尊心なんてものはもう皆無。



辞めたい。これ以上迷惑を掛ける訳にいかない。



とはいえ大学進学という目標がある以上、お金を稼がなければならない以上、辞めるに辞められないジレンマ。



存在していてごめんなさい。辞められなくてごめんなさい。



毎日、泣きながらバイトの帰り道を歩きました。


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先輩に教えて頂いたことや自分が起こしたミス、メモに取れることはとにかくメモをしました。

家ではメモ帳を見ながら、何度も何度も仕事のシュミレーションをしました。恥をしのんで、分からないことや不安なことは何度も先輩方に聞きました。

仕事中は常に集中し、真剣に取り組みました。

それでも改善されないミス。


小学生でも出来そうなことが、自分には出来ない。


他人が当たり前にやってのけていることが、自分は何故か全く出来ない。


「自分の努力不足」だと、「真面目にやっていない」からだと、自分をひたすらに責め続けました。無能な自分が、何も出来ない自分が、心底嫌いで嫌いで殺したくて堪りませんでした。


今でも。



まともな思考をしていて、好きで周りに迷惑をかけたい人間が果たしているのでしょうか。出来ることならばなるべく円滑かつ円満に、トラブルなく働きたいと誰しも思いますよね。


そして当時、私には謎のプライドがありました。


将来少しでもよい企業で働くために、小学生の頃から勉強だけは努力して頑張っていました。なまじ成績だけは割とよかったのです。


しかし初めて働いて、悟りました。


勉強だけ出来ても、働くことが出来なければ何の意味もないと。


(就く仕事にもよりますが)

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自己嫌悪 自己否定 罪悪感 懺悔 絶望 不安 


いつしか常にそんな気持ちに囚われるようになり、初めてインターネットで


「仕事が出来ない」


と検索をしたことが、自身が発達障害かもしれない。と考えたきっかけでした。

その後私は発達障害を扱う精神科を受診し知能検査を受け、自身のIQ(詳しくは動作性IQ)が健常者よりも大幅に低いことを知り、発達障害の内の1つであるADD(注意欠陥障害)と診断されました。


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前置きが長くなってしまいましたが、以上が私が自身の発達障害に気付いたきっかけになります。



それでは遅ればせながら記事の本題へ。







ー自身が発達障害だと気付いて5年。


未だに、働くことが怖い。


また、迷惑を掛けてしまったらどうしよう。

また、周囲に疎まれてしまったらどうしよう。

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毎回そんな不安に怯えながら新たな職につく。


とはいえお金を稼がなければ生きていけないことも事実で、何だかんだアルバイトや仕事は続けていました。

周囲に疎まれることを承知で、働いている間は出来るだけ心を無にするように心掛ける。


まさに感情を持たないゾンビ状態。



いつからか、そうしないと自分の心が壊れてしまうと悟ったからです。

一々自分のミスに罪悪感を感じていたら、周りに申し訳なさを感じていたら、怒られることに傷ついていたら、自分を許せなくなってしまったら、自分を責めていたら、自分で自分を嫌いになってしまったら。



自分の心がボロボロになってしまう。

※発達障害の人は鬱病の併発率が高い傾向にあります。


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自分に存在価値 はあるのだろうか。


私自身も鬱病を併発し、何度もボロボロになりました。



私は辛くなる度、職場で失敗をやらかす度、職場で居づらくなる度、何度も何度も短期間で職場を転々としていました。(職場には申し訳なく思っています)

クビも何度か経験しました。

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自分は将来生きていけるのだろうか。まともに働けるのだろうか。


そんな不安ばかりが心に押し寄せる日々。


こんなことを言うのも不謹慎ですが、アルバイトならば簡単に辞めることも変えることも出来る。仕事における責任も正社員に比べかなり低い。

しかし社会人はどうだろうか。大学を卒業し、就職した先に、私はどうなってしまうのだろう。


待ち受けているのはクビ?ニート?生活保護?ホームレス?

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考えれば考えるほど、不安ばかりが押し寄せる。

出来ることならば私は周りの人と同じように、「普通」に働いて「普通」に暮らしたい。


その「普通」が、難しい。普通って何だろう。


最悪頼れる人が身近にいるとしたら、暮らしはめしかするとどうにかなるかもしれない。しかし、私はそういうわけにはいかない。


誰にも、頼ることが出来ない。


1人で地に足つけて生きていかなければならない。

それなのに、「普通」に働くことすら出来ない。


私に出来る仕事って、何だろう。


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答えは今でも、見つかりません。




そして私はまた懲りることなく、


本日また新たなアルバイトの面接を受けてきたのでした。



しかし今回は敢えて

不採用覚悟の面接

をしました。

初めて、


勇気を出して面接の際に自分の欠点や苦手分野を話したのです。



今まではただ自分の経歴や出勤希望日数等、相手からの質問に応えるような面接ばかりでした。

当然働きたくて応募しているのですから、自分の欠点を伝え評価を落とすようなことはしません。


ー今回面接の際に伝えたことー
・マルチタスクをこなすことが苦手で、1つの仕事にしか集中出来ない。(例 何かをしながら別の何かをするということが出来ない)
・人より要領が悪く、物覚えが悪い
・同じことを何度も質問してしまう恐れがある
・タスクが増えるとパニックになってしまう
・上記の理由で迷惑を掛けてしまうかもしれない


それでも、自分に出来ることは一生懸命頑張ります。


不採用覚悟で上記の内容を面接時に伝えました。



決して働く上で楽をしたいわけではない。

働く前から諦めているわけではない。

努力を面倒に考えているわけではない。


ただ、掛けてしまう「迷惑」を最小限に抑えたい…


当然店長さんには困惑され、「こいつは一体何を言っているんだ」という顔をされました。

突然こんな話をして、店長さんには申し訳なかったなと思っています。

しかし私の気持ちはもう、

これ以上失敗をして職場に迷惑を掛けたくない。

の一点のみでした。



職場のためにも、自分のためにも、採用されては辞め採用されては辞めの負のループから抜け出したい。




以前、私の発達障害を理解してくれている友人が 

「私はぽんちゃんが何かやらかしても、そういう子だって知っているから気にしない」

と、言ってくれました。そして、

「でも、知らなかったら戸惑うかも。」

とも言っていました。


予め相手の性質を知っているのと知らないのとでは、受け取り方や対応も変わってくる。


私は今まで自分の発達障害を隠して生きてきました。

簡単には受け入れて貰えないと、理解されないと経験で知っているからです。


しかし負のループから抜け出すためには、

・自分に合った職を見つけること。
・少しでも理解ある職場を見つけること。

この2点が今後必ず必要不可欠になってきます。


少しでも仕事が円滑に進むように割り振る仕事と扱い方を考えて貰うだけで、私たちは革命的に働きやすくなります。


今回私はその第1歩を踏み出しました。



プライドも何ももうない。



私は生きたい。




「何故バイトをするの?」と店長さんに聞かれ、

「生活のためです」

と答えました。


店長さんは少し考えた後、ある提案をして下さいました。

・1日研修という形で3時間どの程度働けるのか様子を見る。
・その分の給料は出すが、働き具合を見て採用するか決める。
・なるべく事情は考慮する。
・1つの仕事に集中出来る時間帯に入れる。 


私は驚きました。


希望が見えた。



店長さんなりに、出来る限りで私の立場を考慮して下さったことに。

困惑しながらも拒絶せず、受け入れてくれた。


思わず涙が出そうになりました。


初めて、自分のマイナス面を面接で伝えた。

もしかしたら間違っていなかったかもしれない。


勿論、苦労をかけて申し訳ないと心から思っています。

私が仕事の上司だったとしても、私が部下であれば辞めて欲しいとすら思うと思う。

もっと仕事が出来て、働きたいと願う人や代わりは沢山いるのだから。


しかし、私も生活していかなければ、生きていかなくてはならない。


私を将来雇う職場全てに、ごめんなさい。


けれど、私は諦めたわけではありません。
私なりに、自分の出来ることを全力で頑張ります。
出来ないことは何度だってチャレンジします。


なので私が働くことを、働きたいと願うことを

許して下さい。







職場や学校で、

「何かあの人ちょっと浮いているな」
「ちょっとあの人変だよね」


という人が、1人はいませんか?



もしかしたらその人は、見た目で分からないだけで、周囲や自分自身が気付いていないだけで、


私と同じような 


 「社会での生きづらさ」 


を持って社会に潜んでいる人かもしれません。

それは発達障害だけでなく、人とのコミュニケーションが苦手だったり、身体の障がいだったり、何か苦手なことがある人全てに当てはまります。


そんな人を見かけたらどうか、偏見の目を持たず


そういう人もいるんだな。


と、暖かい目で見守ってあげて下さい。




私たちを理解して欲しい。私たちのために労力を割いて欲しい、力になって欲しい。だなんておこがましいことは言えません。

ただ、少しでも暖かい目で見てもらえるだけで、それだけで私たちの生きる世界、見える世界は大きく変わります。

※余裕がもしあれば、困っている時に助けて頂けたら泣いて喜びます(笑)




障害は治ることはないため、一生向き合っていかなければならない。


薬でマシになるのは3割程度。効果が全く見られない人もある。


どう自分や社会と向き合って今後生きていくか。


まだまだ課題は山積み、未知なことばかりで、正直先の人生は全く予想出来ません。


今回このnoteを執筆したのは本日の面接での出来事が自分の中ではとても革命的で、嬉しい出来事だったので是非シェアしたいと感じたからです。


コンビニの研修は来週なので、採用されるように自分なりに頑張ってきたいと思います!


そして、今度こそ、職場に適応出来ますように。






最後まで記事をお読み頂きありがとうございました。人生の貴重なお時間を割いて頂いたことに感謝致します。

そして、このnoteを読んで少しでも共感して頂けましたら幸いです。

シェアして頂けると更に泣いて喜びます。

もし私同じような悩みを抱えていらっしゃる方がここにいましたら、



お互い強く、強く生きていきましょうね。




2020.6.19 はなぽん


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