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GOOD WAR TOUR 3.架空の砂丘

情報公開されました。
稽古はじめ、まず、みんなの「あの日」を一言で集めてゆく。
これはWEBサイトのプロフィール欄に載せる用のもの。
「いつでも更新可能なので、変わったらまた教えてください」とのこと。
ときどき変わっているかもしれないので、ときどきページを確認してみてください。

綾子さんが「ヒロトノート」を持ってきてくれたのでそれを読む。これ、宝物だなあ。
出会い、初ライブ、遠征、友達との出会い、活休、そしてクロマニヨンズへ。
初め、キャピキャピしている。字もテンションも。中学生になったばかりの頃って、私もああいうテンションだった気がする。
綾子さんにもこういう時期があったんだ、と少し不思議。
だんだん字とテンションが冷静になってきて、文章で語るようになってくる。歴史だなあ。
ああいう記録、黒歴史として消してしまいがちだが、その段階を乗り越えるとかなりいい記録になるので残しておくべき、と切実に思う。
私は中学生の頃はてなブログで書いていた日記をある日突然消してしまったことを今でも後悔している。

新しいテキストができて、それを読んでみる。20分。残り3割ほど。
前回やった部分を立ちでやってみましょう。
「じゃあ集中してもろて」
朗くんはそう言って録画ボタンを押した。

ここで綾子さん早退。
そのあと何度か読んで、諸江さんに相談タイム。

PIPE DREAMは、朗くん自身が実際に死にそうな状態で、理想の死に方を語っている。
それがすごく真っ当で、納得感があった。
では、争いを語るため、あの日を語るためのの体の状態とは?

言葉を語るためのプランニングがされている。
これからやることは、今やっている取り組みの強度を上げること。

じゃあ本人がやるんが一番ってなってしまうけど、そうでなく俳優がやることの意味。
代弁者、語り部?
語り部って自分の経験を語っているのだが、人の記憶も背負っているというか、肩代わりしている印象もある。
自分プラス人の情報。情報と、感情の情報。印象の情報。

静か動かというと静の印象。
それが「モニュメント的」でもある。

「実際にモニュメントを見るとゾッとする。
位牌とかそれだけじゃなくて、生きている人の手垢もすごいなと思う。」

場所のパワーを感じたい。
その場所にいて成立する、綾子さん、諸江さん、伊奈さん。
諸江さんの作為をもっとみたい。今はちょっと綺麗すぎるのかも。
もっと手垢まみれにしたい。
「一回ヤンキーにペンキぐらい塗られたい。その後俺がちゃんと掃除したい」

PIPE  DREAMをリクリエイションするにあたって、いくつかの選択肢があった。
俺が一人でやるのか、誰かにオファーをかけるのか、俺とまなみさんとでやるのか、俺とおかんとでやるのか。
もう一度、俺が一人でやることを選んだ。
当事者性は凶器だ、でもその刃を自分に向ける。

俺がPIPE  DREAMをやることと、役者陣がGOOD WARをやること。
当事者と代弁者。
それぞれがそれぞれの言葉を語ること。

今回は、コレクション展。
モニュメントは、最終的にどうなっているの? と諸江さん。
それは誰が?
お客さんが?
「どうなんだろうね。」

さいごに引用。
「理解するとは、合意とか合一といった実質をともなうものではなく、分からないままに身をさらしあうプロセスなのではないかとおもえてくる。一致よりも不一致、それを思い知ることこそが、理解において重要な意味をもつ、と。」鷲田清一『大事なものは見えにくい』より
理解についての一見解。

稽古5回目
日時:2021年12月10日(金)
出席:河井、伊奈、諸江、渡辺、田中
場所:京都芸術センター 制作室4


本作は2021年2月に京都で上演された『GOOD WAR』のリクリエイションを行い、大阪と東京で公演を実施します。

『GOOD WAR』は、私たちが「あの日」と聞いて想像する争いと日常で構成されています。
私たちは生きている限り、これからも誰かと戦い続けなければいけません。現時点で戦っていなくても、生きている限りいつか争いに巻き込まれます。『GOOD WAR』ではいずれ来る「その日」と、過去にあった「あの日」との向き合い方を鑑賞者と共に考えるべく、だれかの「あの日」で集積された記憶のモニュメントとして演劇作品を立ち上げます。

GOOD WAR

原案 『よい戦争』(作:スタッズ・ターケル 訳:中山容 他 1985年7月25日出版:晶文社)
構成・演出 河井朗
ドラマトゥルク 蒼乃まを、田中愛美
出演 伊奈昌宏、諸江翔大朗、渡辺綾子
美術 辻梨絵子
音響 おにぎり海人、河合宣彦
照明 松田桂一
制作 金井美希
制作協力 (同)尾崎商店、黒澤健
衣装協力 MILOU
記録 田中愛美

日時・会場
2021年12月25日(土)〜12月26日(日)|こまばアゴラ劇場
2022年1月26日(水)〜1月30日(日)|クリエイティブセンター大阪 Drafting room(名村造船所跡地)
2022年2月10日(木)〜2月15日(火)|北千住BUoY

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