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SO LONG GOODBYE 8.アバンギルドの壁

2020年1月16日 UrBANGUILDにて

稽古場。部屋に入った瞬間、サウナかと思う。
ここの空調、ものすごく強い。暖房を最低設定温度の17度まで下げているのに、ものすごいモワーンとした暑さ。かといって暖房を切ると、ものの数分で震える。難儀だ。

古いバナナを脱気する。
おそらく3日ほど前にパッケージングしたバナナだが、おつとめ品で買ったらしいそれは既にずいぶんとじゅくじゅくで、日に日に汁が溢れ出してくる。バナナから出た空気のせいでもはや真空パックでもない。袋の中に、液体とバナナが入っている。
昨日の時点でだいぶ触りたくない感じになっていたが、いよいよ今日は限界だった。ぼったりとしていて、そんなわけないが若干重そうにすら見えてくる。

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ということでもう一度パッケージングをしなおすことに。
袋を切ってみると、中からアルコールのにおいがする。発酵してる?
もともと二本だったバナナは合体して、まるで一本のようになっていた。
トイレットペーパーで少しずつ丁寧に水分を吸ってから、なんとかパッケージングする。

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うまくいきました。もう一本のバナナにしか見えない。これ二本あったんですよ。信じられる?
部屋の中と河井朗のバッグの中にはかすかにバナナリキュールの匂いが残った。
そこから二時間ほど稽古をして、お昼を食べてアバンギルドへ移動する。

緊張していたのかあまり覚えていないのだが、果物を買いに行ったりコンビニへ行ったりした気がする。
果物の吊り実験もした。うーんバナナ……壁と馴染むなあ。

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そのうちリハ。写真を撮った。ひたむきな星屑で映像を担当してくれていた西くんが記録映像を撮りにきてくれた。冬なのにサンダルを履いていた。そして終わったらすぐに帰っていった。家が近いとはいえ、そのフットワークの軽さ、羨ましい。

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やはりというか、アバンギルドの舞台壁と痛んだバナナが驚くほど馴染む。馴染みすぎて見えないくらいだ。壁全体が痛んだバナナの表面に見えてきた。
バナナは仕方がないので他の果物を一部変更することに。河井朗、果物を買い足しに走る。

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ややあって、開場、開演。終演。一回やっといてよかったね、と河井朗。いろいろわかることもありました、そうですね。

帰り際、河井朗は知り合いに真空パックされた果物をお土産に渡していた。(バナナはきちんと持ち帰りました。)

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アバンギルドの酒はなぜか濃く、酔って終電を逃してしまう率が高いのだが、この日はちゃんと終電で帰りました。立派。

数日開けて、また稽古開始。2月9日の公演に向けてリクリエイションしてゆきます。(河井朗談)

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第41回記念Kyoto 演劇フェスティバル

〈U30支援プログラム〉採択作品
ルサンチカ『SO LONG GOOD BYE』

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「人は一日八時間食べてはいられないし、一日八時間飲んでもいられないし、八時間セックスしつづけもできない。八時間続けられるものといえば、それは仕事だ。それこそが人が自分も他の人すべても、こんなに惨めで不幸にする理由なのだ。」

第41回記念Kyoto 演劇フェスティバル
2020年2月9日(日)
ホール開場15:40 / 開演16:00
京都府立文化芸術会館 ホール

【料金】
一般前売:1,000円(当日1,200円)
高校生以下前売:500円(当日700円)


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