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PIPE DREAM(2019) 13.名前

2019年1月28日
京都府立文化芸術会館、中京いきいき市民活動センターにて
 

週末のうちに、河井朗は何かを決めたらしい。
自転車で稽古場に向かう最中、どんどん資料のLINEが来る。
稽古場に入ると、河井朗は既に声を出していた。俄然やる気が出る。


稽古終わりに、17日以降の稽古場の予約をしに中京いきいき市民活動センターへ。
河井朗は中京いきいき市民活動センターを「いきセン」と略す。この略称、一般的なのか? おもしろかったので知人に話してみると、下ネタだと思ったらしく大笑いしていた。
いきセンは、古い病院のにおいがした。壁に折り紙が貼ってあったり、スリッパがバラバラだったりした。なぜだか少し寂しい気持ちになった。

ようやっと予約を終え西院まで出てラーメン屋へ。カウンターに座る。途端、カウンターの端、2つか3つ椅子の空いた先に座る男性を見て「まさやな気がする」と河井朗が言いだす。
瓶ビールを飲みながらラーメンを待つ間、コートを着たまま耳にイヤフォンを刺し黙々とラーメンを食べる一人の男性の横顔を度々見ながら「やっぱそうな気がする」「まさやな気がする」と何度も言う。
そんなことあるかいなと思いつつ「そうなの?」とかなんとか言っているうちに河井朗は立ち上がって声を掛ける。マジか、と引いていると、どうやら本物の「まさや」、安住の地の岡本さんだったらしい。マジか。
河井朗は「俺、知り合いに会う率高いねんほんま」と言っていた。
岡本さん、わたしはまったく面識がなかったのだが、わたしの周りには岡本さんのことを知る人が何人かいて、彼らは岡本さんを「おかもち」と呼ぶ。なぜだか気になっていたのだが理由をずっと聞き逃している。ちかごろ、あだ名というものは妙なもんだよなと思う機会が多い。

わたしは名乗るとき、だいたい「田中です」と言う。
昔はこの名字が好きでなかったが、このごろはめちゃくちゃに好きだ、田中、さいこうだ、名乗っているのに匿名性がある。わたしは田中です。



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Kyoto演劇フェスティバル
京都府文化芸術会館 U30支援プログラム
ルサンチカ『PIPE DREAM(2019)』
会場:京都府文化芸術会館 ホール
時間:2019年2月16日(土) 17:30
料金:一般|前売 ¥1,000- / 当日 ¥1,200-
   高校生以下|前売 ¥500- / 当日 ¥700-
予約:https://www.quartet-online.net/ticket/u30
WEB:https://www.ressenchka.com/


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