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《7》思い出の間違い ② 天気は生き物事件 【マヨコロの『英語あれこれ記』】

ある外国人がインタビューに答えているのを、テレビで見た。その人曰く、たとえ彼が「日本語で」話しかけても、日本人は
① 避ける
② 慌てふためく
③「英語で」話そうとする
のいずれかということがよくあるらしい。
「せっかく日本語を勉強するために来日していて、日本語を話したいのに、残念だ」
とのことだった。

また、別の外国人は、
「自分は英語圏出身ではないから、英語で話しかけられても困る」
と言っていた。

これを聞いて以来、私は以前にも増して、初対面の外国人には、まず日本語で話しかけるようにしている。

    *    *    *

ある時、日本を旅行中のドイツ人に出会った。

彼女は、日本語を勉強し始めてまだ間がなかった。初歩的な表現で一生懸命伝えようとしていたので、私も初心者にわかる表現を選んでゆっくりと応対していた。彼女がどうしても日本語にできない場合、英語で伝えてきたので、私がその日本語を教えた。

しばらく歓談していると、彼女は雲一つない真っ青な空を見上げて言った。

「キョウノ、テンキワ、ゲンキデス」

《あぁ、" The weather is fine today." と言いたいんだな》
と、すぐに気付き、
「『今日は良い天気ですね』と言います」
と伝えると、彼女は何度か繰り返し、
「アリガト、ゴザイマス」
と言って、ニッコリ笑った。

   *    *    *   

この間違いを聞いて、私はとても微笑ましく思った。

日本語の文法は、世界的に見てもあまり例のない独特なものである上に、表記法も漢字・ひらがな・カタカナの3種類ある。外国人が一から勉強するのは、日本語を日頃難なく使っている私達が想像する以上に大変なのだろう。

そんな難しい言葉を一生懸命話そうとしてくれるのだ。多少間違ったところで、バカにするはずがない。むしろ、彼女の一生懸命さに感激し、その間違いが可愛らしく耳に響いた。

   *    *    *   

英語の勉強を始めて何十年も経つが、まだまだ知らないことが山ほどある。今でも読めない漢字がいくつもあるくらいだから、英語が完璧でないのは当然のことだ。

もっと英語と仲良くなるために、私も負けずにこれからもどんどん間違い、新しいことを楽しみながら吸収していこうと思う。

興味を持って下さりありがとうございます☺️✨ 頂いたご厚意を活用し、英語に関する何らかの形で社会に還元するつもりです。