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心の自動操縦(Autopilot)について

こんにちは。精神科医でジャズシンガーのメイ・オキタです。

前回までの記事では、心のメンテナンスに有効な「マインドフルネス」や心理的に辛くなるメカニズムについてお伝えしてきました。

マインドフルネスの基本的な2つの考え方

①することモード
②あることモード

に加えて、もう1つ知っておきたい概念「自動操縦」についてご説明しています。

自動操縦はつまり①のすることモードが過剰に働いて、心を乗っ取ってしまっている状態のことです。
目の前のことに意識を払いながら過ごしているマインドフルな状態と、この「自動操縦」で過ごしている状態の違いを知ることも、とても効果的です。

①することモードと②あることモードについてはこちらの記事をお読みください。

心理的に辛くなるメカニズムとその対処法
https://note.com/mayokita/n/nec855e5a40fe

子育てにマインドフルネスを応用すると、心が軽くなる

子育てをしていると、子どもがあらゆるものに興味を示すので、②のあることモードを上手に教えてくれたりします。

例えば、道端のたんぽぽを見つけ、近づき、眺め、触れ、綿毛の1つ1つを良く観察し、吹き飛ばす、というようなことを、小さな子供と散歩していると自然にすると思います。

花の色、形、葉っぱの模様。手にとって観察し、感じることは、「ありふれたものの中に、特別な豊かさを自ら見つける行為」です。これはマインドフルであればあるほどその素敵さを感じ取ることができるでしょう。

一方で、急いで約束に合わせて出かける予定があり、車を運転しているときなど、目的地に遅刻せずに到着しなくては、となると道端のたんぽぽなど気にもとめず、景色を楽しむこともなくただひたすら走っている、というようなことがあるかもしれません。

これは自動操縦のわかりやすい例と言えますね!

「急いで〜!早くして〜!」と子どもに言ってしまうような時はだいたいこれですね。私も例に漏れずですが(笑)

慌ただしい毎日になると、どうしてもこの自動操縦の状態になってしまいがちなのですが、「あ、また自動操縦になってるな〜」と自分で気づけるだけでも違ってきます。

そんな時は、お子さんがいらっしゃる方は子どもが小さかったころを思い出してみましょう。

初めて見つけたものをじーっと観察し、つぶさに報告してくれた時のような感覚で、目の前の物事を意識的に1つ1つ丁寧に見て、そして感じてみると自動操縦から抜け出すヒントとなります。

お子さんがいらっしゃらない方も、ご自身が幼稚園や保育園、小学校の頃に初めて何かに出会った、経験したときのことを思い出していただいたりするとわかりやすいかもしれません。

子育てでイライラしてしまうときは、おそらくこの「することモード」に心が乗っ取られた状態の時が多いのではないでしょうか。子どもが今何に意識をフォーカスしているかをキャッチできずにお子さんを強く叱ってしまったり、お子さん自身の持つ良さに目を向けられず結果ばかりが気になってしまったりしていないか、自分を観察してみましょう。
お仕事での不安やイライラも、同様に、ご自身の成果やノルマ、タイムスケジュールで頭がいっぱいになってしまっている時に生じやすいです。

ぜひ自動操縦の状態にまず気づけるように、時々このことを思い出してみてください。

気づけるだけでも、自動操縦から抜け出すきっかけになります。

「習慣を手放す」について

「自動操縦(autopilot)」の状態から上手に抜け出すためのトレーニングがこの「習慣を手放す」というものです。

忙しいとルーティーンをただこなすばかりになり、意識的に物事を選択したりできなくなる「自動操縦」の状態になりがちです。

心の微細な変化や五感で得られる感覚に気づけなくなってしまうので、自分で気づいたら調整をしていけると良いと思います。

意識的に「いつもと違うことを選択的にしてみる」→「そこで感じられる新しい感覚を味わう」というシンプルなものです。

次回の記事では実践的な「習慣を手放す」方法についてご紹介していきますので、ぜひ取り組んでみてくださいね。

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