「天職」って何だろう
あなたの就いているその職業、「天職」ですか?
天職とは、天から授かった職業。また、その人の天性に最も合った職業をいうようだ。
その定義
ソースが見つけられなかったのだが、私が以前読んだ文で印象に残っているものがある。
「天職とは、己の好み、能力、他人から求められること。これら三つが、バランスよく成り立つこと」
私は、この考え方が好きだ。
どれだけその仕事を望んでいても、能力があると信じていても、実際に務めたのち、才能がない、と評価される事もあるだろう。
もしくは、能力があり、周りからの人望を集めても、その仕事への本人の情熱が無ければ悲しいものだ。
(調べていたら、paid;賃金、対価という項目も含まれた四主軸を唱えるサイトもあった。賃金が支払われないと無給ボランティア、または搾取なのでは、という事である。確かに、生きていく上ではお金は必要である…
私がトロントの保育業界で働きたいと思ったのは日本の保育士の給料が激安だから、でもある。
でもここなら、お金に囚われないで生きていけるな、とも思っている。
住宅バブルはあるが…この話はまた後日…)
私の場合
私は幸運にも、保育士という職業に中学生の時に巡り合い、やりがいを持って勤めて来た。今は休職中だが、この先働きたい、と思う職場はやはり保育園である。
かといって、他の職業に目がないか?というと、そういう訳でもない。
やってみたいと夢見て来た職業は山の様にある。例えば、
建築士(建築物が好きだが、数字が苦手。定規も嫌い。その為、高校の時に希望進路から除外した)
インテリアコーディネーター(家具が好き。色が好き。模様替えも好き。トロント市の講座をもって、学びたいと思っている)
アイスクリーム屋さん(ただのアイス好き。夢の職場。握力もある。冷え性なのが難点=花屋さんも同じ。花が好き)
アパレル販売員(ただの服好き。アルバイト経験済。就業中に自分が着る服を、自費で購入しなければならない確率が高いことが悩み)
など。
そして、職業、とまでもいかなくとも、学んでみたい学問も数多くある。行動経済学、発達心理学、ジェンダー社会学、日本語教育学…
いつ、天職に巡り合うか
例えば、私の母。アパレル企業、電気メーカー企業、とフルタイムで働いたのち、退職。私の青年期に友人に勧められて始めた、パートの清掃の仕事が一番好きだった、と聞いた。
もともと綺麗好き、きっちりとした性格の彼女。時間内に与えられた課題をチームワークでこなし、ピカピカになった室内、クライエントに喜んでもらう事が最高だったそう。
***
私の元同僚、友人の一人は、短大卒業後、企業の一般職として入社。数年働いたのち、保育士を目指すべく専門学校に進学。その後、保育士としてずっと働いている。
***
近年では、トロントでの元クラスメイト、孫がいる女性が進学しているのを目の当たりにしたり、こちらでは高齢の大学進学者などは授業料が無料になることが知られている。「セカンドチャンス」ならぬ、サードチャンスや、無限チャンスもありだろう。
天職に巡り合えない人もいる
とはいいつつ、天職に巡り合える人はほんのわずかだと思う。職場の労働環境(劣悪な長時間労働や人間関係、給与やベネフィット)などで、憧れの職から身を引く、なんてこともよく聞く。
大学を卒業間近になって、やりたい職業が分からないと立ち止まる若者や、何十年と一つの職を貫いても本当にやりたい仕事なのかは分からないと悩む壮年期の人もいるだろう。
チャレンジ精神
先日、友人とメールで話していて、「今の仕事、天職?」と問いた。すると、
「天職かは、実感はあんまりない。面白い仕事だと思うけど、それだけやってるのは飽きちゃうんだよね。だから時々休んで違うことやっちゃう。そのうち全部が繋がって自分らしい仕事の形になったらいいなとは思う。」
という返信。
なんというか、少し驚いたのが本音。と、同時に身が引き締まる思い。
彼女は本業の傍ら、国際支援やNGOの活動にも定期的に携わっていて尊敬している。
彼女の言葉を聞いてふと、私に足りないのはチャレンジ精神だな、と思った。
そして、他の友人も、こんな事を呟いていた。
「意識高くて行動でも証明してる友人が、現状維持はむしろ後退って言ってて、最近ようやくそれを理解し始めた。だからこそ実際に行動できるその友人すげーともなってる。」
”現状維持はむしろ後退” すごい。名言である。
こうした意見を聞いたあとは、天職なんてものは幻想にすぎないのでは?なんかと思うようにもなる。
私は保育士+αを求めて、カナダに住み着いた。ところが今、己の生活に精一杯でなんとも、前進していない。
色々な分野にアンテナを張って、強く生きていきたい。
職業選びについてのオススメの映画
たまたま、うちの小学生と夕飯時に観ていた(みんなで観る映画はファミリーフレンドリー=基本アニメになりがち)
「モンスターズ・ユニバーシティ」(2013)
有名なモンスターズ・インクの続編、というか前日談。
初めて観たのだが、良かった。子ども、というより、人生の迷える大人やティーンに観てもらいたい。
寄り道しても良いんだな、とも思える。
(日本バージョンの予告では、
マイクが“小さい”から人一倍の努力をしているかのようにナレーションが入るが、
彼が努力しているのは“目標”があるからだと思う)
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