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年収の壁を超えた人たち〜あさイチ特集&年収の壁・支援強化パッケージの現状

2024/2/28のあさイチのお題は「年収の壁」でした。

税金の壁は思うほど高くないこと、壁を超えてもプラスでどのくらい働けば手取りの収入が減らないかを、わかりやすく教えてくれるメモ必須の特集です。
※2024/3/6の9:54までNHKプラスで視聴可能

あさイチ 知らないと損する!?“年収の壁”

この特集のなかで、番組としても力を入れていたのが、壁を超えた人の働きかたです。

壁を超えて収入が増えたことで自分にごほうびを買ったエピソードなどは、見ている側も心嬉しいものでした。

そうした、壁を超える人がどのように超えているかの事例が、厚生労働省の「年収の壁支援強化パッケージ」でも紹介されています。


現在、「年収の壁・支援強化パッケージ」を利用しようと計画届を提出しているのは、3,749件、取組予定労働者数としては、144,714人(令和5~7年度合計)との数字が、本日2024/2/29に公表されました。

そのなかで、「キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)活用事例」として2社の取り組みが紹介されているのが、興味深い内容となっています。

2社は、東京都の10万人規模の会社と、福岡県の2万人規模の会社、どちらも飲食業です。


この取り組みには、ふたつ、重要なポイントがあります。

ひとつは、ひとりひとりの事情にしっかり向き合っていること。

年収が増えるのは喜ばしいことですが、そのぶん労働時間が増えるとしたら、困るという人もいます。

どの程度の労働時間まで可能なのかどうか、それぞれの事情を確認しつつ、「このくらいはどうか」とひとりひとりの状況に会社から向き合っていくことで、実はもっと働ける人にはお願いできるし、難しい家庭の事情がある人についてはそれを知ることができます。

ふたつめは、「年収の壁」それぞれについて、税金な社会保険料がどのくらい増えるかを、きちんと見える化して説明するということです。

今回紹介されている東京の会社も福岡の会社も、「制度がわからない」「社会保険に加入するメリットがわからない」という人に対して、丁寧な説明を行なっています。

ばくぜんと「この壁を超えてはいけない」といういわば慣例にしばられている人に対して、リアルをきちんと示せば、その呪縛は知識不足によるものだったとわかるケースがあることを、この例は示しています。

年収の壁を超えて働いてくれる人が増えることは、国にとっては喜ばしいことです。

ですが、その人が仕事と育児や介護の両立で追われるような状況になることは、決してあってはなりません。

そのためにも、きちんと個々の事情を確認し、必要なマネーリテラシーをサポートすることで、こうして労働力も増やせ、かつ、無理ない程度で本人の収入も上がっていくというのは、今のやり方にあっていると思います。

厚生労働省の資料は2例しかなく、大企業なのので、「参考にならない」と思う中小規模の企業もあるかもしれませんが、「年収の壁・支援強化パッケージ」の活用方法としては参考になる部分も多いと思います。

お心当たりのある方は、ぜひ、確認してみてください。

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