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【議事録】第6回真山ゼミ 新刊『"正しい"を疑え』読書会

今回のゼミのテーマ

真山先生の新刊『"正しい"を疑え』の読書会を開催しました。
まず、参加者が一人ずつ本を読みながら疑問に思ったことや考えたことを共有しました。その後、それらの質問や意見に対して真山先生にお答えいただきながら、全体で議論を深めました。

参加学生からの質問

学生A

  • お上への不信はどのように解消すればよいのか、解消する必要はあるのか。

  • コミュ力について:”お互いに分かり合うというよりも理解する"。相手に拒絶されたり、無視されたりした場合にそれをどう捉えればよいか?

  • "すべての「正しさ」を疑え、というわけではない"。疑って良い正しさと、そうでないものとはどのように判断すればよいのか。

学生B

  • そもそも本を読まない人に対して、どう働きかけるか。働きかける必要はあるのか。

  • 自分は、バックグラウンドが違う人(全く異なる文化を持つ人たち)と接する際、共通項を探したり「同じ人である」という考えを持って接したりしている。一方で、○○人はこういう文化・考え方を持っているであろう、という相手の背景へのある種ステレオタイプ的な理解も必要。どう折り合いをつけたら良いのか?

学生C

  • ニュースや歴史的事実など、さらに具体的な事象と結びつけて説明してあったら面白かったのでは。どのように事例を選んだのか伺いたい。

  • 人間関係が希薄になっている点について。人間関係は面倒くさい。軽いコミュニケーションが選択される中で、どうやって人を説得すればよいのか。

  • 小説の中で騙される経験があると良い、ということに関して。現実に騙されて良かった(勉強になった)という経験があれば伺いたい。

学生D

  • "正しいは不動ではない"。では、いつ行動に移すための結論付けを行えばよいのか。(行動に移すためには「これはこう」という自分なりの解釈を設定する必要があるが、どの時点でそれと結論付ければ良いのか)

  • 誰かを信じることは本当にダメなことなのか?SNSなどでは自分の信じたいことを信じるという風潮もありそうだが、正しいを疑うべきタイミングとは?(人生の中で)自分(の知識・経験から)だけでは結論を出せないので他の人を頼る、ということもあるのでは。

  • どうやったら「社会性」や「モラル」を身に付けられるのか?
    法律には違反しておらず儲かるが、社会性を考えると正しくない、という商売もある。どうやって社会性やモラルを守ったうえで正しさを身に付けられる?

学生E

  • 指導者を盲目的に信じることはある。誰かを信じることが、社会の安定に寄与しているという面もあるのでは。

  • 「正しい」の中でさらに「正しい」ものは何か、という軸があってもよいのでは。本著では民主主義の例が挙げられていたが、他に事例はあるのか、あるとして触れていないのはなぜか。
    cf. ロールズ、井上達夫

  • 違和感を持ったことをおかしいと言った方がいいと書いてあり、自分も同意するが、反対されることもある。反対する人にはどう話したらいいか?

学生F

  • 大人にこの本を読ませるには?大人を変えたい。

  • 宗教の対立:現実問題として、絶対に分かり合えないということはある。分かり合えないということを分かったうえで、妥協点を探すための腹を割った交渉はできるのか?
    戦争/裁判(法律という感情とは乖離したものによって、一方的に決められる)/多数決

  • 正しさを極度に主張する人が増えていると書いてあったが、日本人が否定すること、否定されることに慣れていないのが問題なのではないか。日本人の「否定すること」への拒否感についてどうお考えか。

学生G

  • 「疑う」とはどういうことか。「疑う」の定義が自分とずれている気がする。本当にそうなのか、と「疑う」のか、背景がどうなのか、と「疑う」のか。(後者の)なんでそうなったのか、という背景をぎりぎりまで調べて理解する、という方が自分が考えている「疑う」

  • 最終的に何が事実なのか、ということを疑う、について。同じものを見ても違うように見えるなかで、前提条件を決める際にも情報を選択している。何を基準に選んでいるのか?

  • 「日本人は不安気質」に関して。真山先生、ゼミ生は不安になることはあるか?(ぼやき)

  • 何を知って伝えたら、相手を知ったことになるのか?(ぼやき)

学生H

  • 人は感情の生き物。派閥を作ったり、人によって「この人が言ってるならいい」となったりするなど、意見が変わり得る。アイディア至上主義(この考え方は客観的にみて費用対効果が高いから取り入れよう、というような考え方)にはならないことに対して、どうすればよいか。

  • 日本では意図をくみ取るような教育をしていないのでは。どうやって教育を変えたらいい?

  • 人間関係においての対立や口論について。昔は激しい対立が怒っても、人間関係が急激に広がることがないため、その人間関係の中に留まっていると後々腑に落ちることもあったそう(cf.宮台真司)。それに対して、SNSでは自分の意見と反する人を過剰に攻撃すればよいという風潮。予定調和から抜け出して、メンタル強く、自分の人生を生き抜ける人材がどうすれば育つのか。

学生I

  • 「疑ってはいけない正しさ」とは、例えば自粛警察ならば法律に違反していないかが判断基準になるのか。

  • お上との信頼関係の崩壊をこのまま放っておいたらどうなるのか。

学生J

  • どういう読者を想定して書いたのか。

  • 人間関係、本物の親友がいるかについて。心の支えになる人はいらないのでは、という考え方についてどう考えるか。沢山の人とかかわりを持つことに楽しさを覚える人や、相談役はカウンセラーで代替できると考える人もいるのでは。

  • 「正しさ」の境界線はどこに?

真山先生からの回答&ディスカッション

とりあえず順番に回答していく。質問者だけでなく、他の人も質問があれば議論を深めていってほしい。(真山先生からの回答が中心ですが、以下には一部学生の発言も含まれます。)

お上への不信

  • 権力者の側が変わったわけではない。

  • 情報過多になった社会の中で「情報を出してもらっていない」という不満が溜まっている状況。

  • 情報は出されているが、それを調べる力がない。また、調べるのが難しい場所に置いてあったりする。原発の不安定性について、ホームページには書いてある。

  • なぜ原発事故で不信が生じたのか、災害には「悪者」がいないから。

  • 具体的に書くと、「細部」に目が行ってしまう。状況の共通認識を読者に持ってもらうためにはある程度俯瞰的に書く必要がある。

  • お上を堂々と批判するだけの知見があればよい。批判する際のマナー=対等な状態で、AさんがBさんに意見を言う。⇔ちょっとだけ齧った知識でもって他者を否定しようとする

  • 「あいつが悪い」を疑え

コミュニケーション能力について

  • 中国に赴任した日本の企業の課長が「席替えしよう」と言ったら社員が辞表を出した。その理由は、席が「風水」で決まっているため、とのことだった。それに対して、「馬鹿か」と言ってはいけない。

  • 中国では「偉そう」な上司でなければ信用されない。

  • 理解するとは相手を理解した上で行動すること。

「正しい」とは。

  • 当たり前のことが認められなくなったときに衝突が起きる。

  • 真似すればよいのではない。イスラム教徒が自身の信念によってお祈りをすることと、形だけまねること、その差が分かるということが理解するということ。

  • 落としどころの付け方:絶対に意見が折り合わない、という前提に立つことがスタート。国際法(宗教観を無視して作られた法律)では決着がつけられない。
    例)イスラエルとサウジアラビア:国境の線が引けないので、中立地帯を幅として作る。線が引けないことを認めて、利害関係のない第三者が仲裁を買って出る。

  • 日本のようにゼロイチしかない→妥協点を見つけて分かり合ってお友だちになって終わる、というのは世界では通用しない。

民主主義

  • 民主主義の理想は熟議を尽くすこと。言いたいことを全て言った、話し尽くして仕方ないから多数決で決める、というのが民主的。

  • 物事を決める際には、3つの考え方以上の考え方を持っている人たちが必要。AとBという対立する二つの主張はどこまでいっても対立するので、第三の考え方Cを持っている人が必要になる。

  • アメリカとイギリスの二大政党が成功した最大の理由は、たまに裏切るから。日本では多数党がいい。イタリアやフランスが多数党なのは多様性の国だから。

3つの考え方について

  • 中立として入る第三者の考え方について、第三者たるためにはどのような条件が必要か?
    →国連では強い国は議長国にはならない。利権が絡まない国。
    例)ヨーロッパが揉めたら→アフリカ、アジアが仲裁に入るべき
      アフリカが揉める→アメリカ、アジアが仲裁に入るべき(ヨーロッパは宗主国のため)
    ⇔しかし、現在の国連ではそれが上手く機能していない。常任理事国が強すぎる。何らかの新しい方法を考える必要がある。インドや日本は中立であれる国。

小説を読まない人をどうしたらいいか?誰をターゲットに書いているか?

  • 人の目を気にしている人を対象にしたい。

  • 自分の考え方にそれなりの自信がある人(誰か・何かにすがっていない人)はそもそも対象ではない。

  • 騒がしい世の中、自分はどうしたらよいのかと悩んでいる人に対しての処方箋を書いたつもり。

  • 「真山仁」を知らない人にとって、どこまで影響があるのか、は不明。そこで、端書に自分の紹介をいやいやながら乗せた。

  • 日本人は良い人が多く、信じてしまう国民。「アガサ・クリスティー読んでみようか」と思う人が1人でもいればよい。

  • 中高生になると社会的な問題意識がある人が出てくる、そのような人に対してSNSは情報があまりに氾濫している。


  • 自分が実現したいことを考える際に心に留めておいてほしいのは、日本は平等社会で、同じだけ努力したら同じだけ成果が得られることを望んでいるが、それは幻想。

  • すべての人が社会課題について考える必要もない。出る杭になる人たちにとって、「あなたは正しくない」と否定されることが一番怖い。

  • 普遍性は大切だが、みんなに届けるというよりも、出る杭になろうとしてる人たちが打たれないようにと思って、そういう人たちにこの本が届けばよいと思っている。

外国人と話しているとき

  • 宇宙人と話していると思っているわけではない。

  • 共通項を見つけようとするが、それでも全然理解できないことがある。

  • 中国の北京大学の学生にインタビューしているとき、反日デモが盛り上がっていた。しかし、学生たちに「反日デモについてどう思うか」と聞いたところ、「国家を背負っていく我々にそのような質問をするな」と言われた。日本への個人的な感情ではなく、中国と日本との関係性が中国の繁栄にどのような影響をもたらすかを考えているんだ、と。

  • 言葉を交わしている中で出会った違和感について、そこで会話を終わりにするのではなく、なぜそう考えるのだろう、というところを突き詰めていく。先入観が間違っていた、と気づくこともあれば、色々と調べて前提がずれていたと思うこともある。

  • アメリカ人と一口に言っても多種多様な人種が集まっている。白人の中にも区別があり、イタリア系は料理、などなど。それを飛び越えようと努力している人たちがいる社会と、「大学どこ」で会話がはずむ国とは根本的に違う。あなた(自分)の先入観をどれだけ疑えるか。

親友について

  • 友人なんていらないのでは、という話が出てくるのはみんなが若いからかも。

  • 歳をとってくると、家族がいて夫婦であったとしても、腹を割って話せる人がいる人は少ない。

  • なぜわざわざこの人のために無駄な時間と金を使うのか、ということを考えずに付き合える人と出会えると、それは腹を割って話せる人という財産を手に入れることになる。

  • ボロカス言うのはやめましょう、ハラスメントだめ、という教育をしている状況では、なかなか「何でも言い合ってぶつかり合った人と生涯の友として今も続いている」という関係性の築き方は厳しいかもしれない。生の人間関係を作っておかないと、気づいたらひとりになってしまう。

不安になること

  • 歳を取るほどそう(不安に)思う機会は増える。純文学はいざ知らず、エンタメ作家としては、「自分はダメかも」と思ってしまうと書けなくなる。

  • 「自分はこれでいい」と思いつつ、「これで良いんだろうか」と思う気持ちも常に持っている必要がある。

  • 不安と常に戦う中で自分を支えてくれるのは人間関係。

  • たとえ辛いときに助けてもらっても、助けられることに慣れていないと、他人だ、と突き放してしまう。

  • 価値観が近い人と話し込む、ということくらいはやっておいた方がよい。

人を信じてはいけないのか

  • 大切なのは、鵜呑みにしてはいけないということ。信頼している人であっても、それを盲目的に信じるのはちょっと違うのでは。

  • 自分は「頑張ってほしい」と思うと介入してお節介を焼く→30代くらいまでは、半数くらいは最終的には裏切る。かつては怒っていたが、そもそもありがとうと言われるためにやっていたわけではない、と思うようになった。

  • 裏切られることを恐れ、信頼関係を築くことを避けて最終的に一人になって自滅するよりも、裏切られたとしてもこの人を信用しよう、と決めたほうが心理的に楽。但し、ここで自分の判断で「決断」する、人のせいにしない、ということが重要。

  • 20代のうちはいくらでも信頼して、騙されて、という経験を積めばよい。人と向き合うことを忘れないで。

違和感

  • 違和感を口に出しても気づいてくれない人がたくさんいるのは事実。そういう人に分かってほしいと思ったら、「なぜかというと」と説明してあげるか、あるいは分かってもらわなくていいや、と諦めるか。

  • この人と一緒にいると楽、という大事な人に対して、違和感を伝えておこうと努力するのは大切だが、同時に、相手を調伏しようとすると上手くいかない。「分からないなら、別にいいよいいよ」と流せるくらいのスタンスで。

  • 共通項が多い、ココだけは共感できる、というところを重視して、その他のところは違っていても無理に自分の「正しさ」を押し付けようとしないことが大切。

大人を説得する方法

  • 自分が聞きたいくらい。

  • 日本は良い国だけど、段々良い国ではなくなってきているから、若い人が少しでも住みやすい国にしていこうよ、と呼び掛けているが、影響力は微々たるもの。そこで諦めてしまうかどうか、根競べ。

  • 分からない人は分からなくてよいが、しかし1人でも分かる人を増やしたい。

  • 今回の書籍化:私立高校での講演を見た出版社の人から話が来た。

  • 講演会(現役の管理職など大人向け)「正しいを疑え」という話をテーマにすることが多かった。

  • テレビに出て話をする際にニュースの中心的な取り上げ方とは異なる見方をする。「何でこういう考え方をするんだろう」→「クリスティを読む」という人も毎回10人くらいはいる。

  • 余裕のある視方をする、ということは、同意してくれる人は多いが、会社組織の中に入っていると難しかったりする。

  • SNSや口コミで地道に広げていく。

  • 伝える努力を辞めない以外にはない。

「疑う」の定義

  • 本当に疑ったとき、やることは調べること、聞くことくらい

  • 意見が食い違ったときには一生懸命説明するしかない。説得するか、されるか、物別れに終わるか。

  • すぐに「まあいいか」と諦めない。

  • 少しでも双方が幸せになれる方法を模索することが大切で、憎み合うしかない、という状況を作らないようにするにはどうすればよいだろう、という考え方を全員が持つためにはどうすればよいか?

  • 黒白だけではない、本当に「正しい」のか、という視点を持つようになると、即断、即決をせずに引いて物事を見るようになる。

  • ジャーナリストになると良く言われるのは「虫の眼と鳥の眼を見なさい」。現場でのことが超レアケースなのかもしれない。

  • 日本は虫の眼は得意だが、鳥の眼は苦手。
    cf.日本の地図では日本が中心にあるが、世界の一般的な地図では日本は極東にある。

  • ロシアとウクライナの戦争が終わった後に日本が考えるべきは、ロシアは隣の国だということ。善悪で語れる問題ではない。アメリカは太平洋を挟んだ遠い国。ポイントポイントではなく、地球儀的な目で物事をみる必要がある。

  • 正しいと決めてはいけない。その瞬間に「正しくない人」が出てくる。

  • 人を殺してはいけない。では、核兵器を持ち込んで国民を脅かすテロリストを殺すのは悪?

教育の話

  • モラルの話もそうだが、本当は小学校や家庭の問題。

  • 地下鉄で学校教育は不要、ネットで勉強すればよい、という(広告を目にした。そういう)意見を持っている人もいる。確かに勉強はネットでもできるが、社会勉強は学校でなければできない。色々な特性を持った人が集まっている社会の中で、自分が正しいと言い続けることはできない、ということを一つの教室の中で学ぶのが教育の本質ではないか。

  • 今の道徳ではそういった社会勉強的な側面が落ちているのかもしれない。

  • 社会性動物である人間が他者と共存し、かつ心の余裕を保つためにはどうすればよいのかを教えるのが教育だと思うが、現状としては先生こそが正しいを押し付ける存在になってしまっている。

  • 目的のある勉強(例:宇宙飛行士になりたい)は良いが、そうでない人すべてに勉強を押し付けるのは良くないかもしれない。

  • 道徳教育で何となく右翼的な教育をしているような…。

  • 侵攻なのか侵略なのか、という言葉尻で喧々諤々の議論をしている。事実は日本が中国に攻め入ったということで済むはずなのに。

  • 天皇崇拝を強制する向きがあるが、本来は自発的にルールが生まれてくるはず、被災地を訪れている天皇の映像を見て尊敬の念を抱くこともあるのでは。しかし保守教育と「もっと自由を」という人たちが出てきて、「勉強できる人だけすればよい」という方向に流れる。

本の売り方

  • 芥川賞を取ってもそんなに売れない。

  • 今はしっかり読んで判断するというよりはセンセーショナルな帯で買うかどうか判断する。

  • 本質をどうやって捉えるか。

インフルエンサー

  • お前がインフルエンサーをしている場合か、という人格。

  • たまに100万部を超える小説家もいるが、同じ人は二度とは売れない。帯、というのは確かにある。「柴咲コウが泣いた」という帯で『世界の片隅で愛を叫ぶ』がバカ売れしたが、二度と同じような現象は起こらなかった。

  • お金の話を扱っている本は売れる。

  • 小説に関しては、ずっと冬の時代が続いている。単行本で3万部刷ったらベストセラー。昔は100万部がベストセラーで年に数人いたが、デビュー時は10万部、今は5万部、そして3万部に。

  • 小説で社会を変えたい、と書いてはいるが、今の若者にはあまり知られていない。しかし、だからと言って「諦める」というのは自分の言葉と矛盾するので選択しない。「売れる」というのはなぞ。

  • 芥川賞は新人賞。純文学なのでなかなか一般の人には届かない。賞を取って初めて1万部、という世界。

恩を受けても返さない人について

  • 復讐は無意味。

  • 関わらないことが吉。そういう人はきっと自滅する。

  • 自分がその人を見誤った、ということから学ぶ。

  • 人を見る目を養えた(かもしれない)というドライな部分だけでなく、どういうアドバイスをするか、ということが大切(成長に繋がる)。

  • 怒ることは体力がいる。怒るよりも、相手が分かってくれればそれでOK。

  • 筋を通すことが重要で、詫びてほしいわけではない。

ウクライナ

  • ロシアが侵攻したのは元カノに復讐しているようなもの。

  • アメリカとしてはロシアは面白くない。トランプ氏のような人を大統領にするのに一躍買ったロシアをやっつけられる。但し、バイデン氏の支持率が上がっていないことは誤算。

騙されて勉強になったこと

  • 昔ならばもっと怒ったかもしれないが、筋を通すのも大変なので、権利だけ剥奪するに留めた。

  • アメリカではエージェントがプロモーションを専門に担う。しかし、日本ではそうはならないので作家は貧乏。

  • 描きおろしでも4~6カ月かかる。30-40年前は、電車に乗るとみんなが文庫本を読んでいた。その当時は、「暫く書けない」というと出版社が月当たりいくらか出してくれた。

  • 斎藤浩平氏『人新生の「資本論」』は60-70万部売れているのでは。先述の通り、なぜ売れるかは不明。

なぜ陰謀論は売れるのか

  • ラノベやコミックは売れる。大多数に読まれる。

  • 社会問題や知的好奇心を満たすような本を読む人は300万人くらい。

  • 新書はラノベやコミックなどと知的好奇心を満たしたい人との間の人にアプローチしている

  • 映像化されるから売れるのではなく、本が売れるから映像化される。

YouTube

  • お膳立てを全部してくれるなら乗るが、少しくらい当たっても継続しないと意味がない。

  • 文字を書いている人間が話したことは一言一句厳しい目に晒される。またYouTubeなどの映像は残る。自分からリスクを取りに行くのは痛しかゆし。

売り込み

  • こちらから売り込むと、向こうの言うことをすべて受け入れなければならなくなる。

  • オファーがあった場合には、「これはやらない」と言える。

  • 谷原章介の朝の番組に出る。

  • 作家はワイドショーに出るな、と言われる。作家には神秘性が必要。

  • 売れているときこそ、謙虚に、控え目に、出し惜しみしなければ売れ続けることは難しい。

知る、分かる、動かす(ラジオ番組)

  • 知ったら分からなくなるし、動かせなくなることがある。慎重な態度を身に付けるようになる。

  • フィクションにしても、物語という勧善懲悪で動いているが、大人になると、より複雑なものを視なければならなくなる。

  • 世の中「知らないこと」が一番幸せ。大好きな人を見つけて、地方で仲良く暮らすのが幸せと言える。

  • 東大に来ている時点で幸せを捨てている(笑)。何も知らないで無知なまま突き進むのではなく、知ったうえで考えて進む。責任。

  • これ以上知ったら怖い、という感覚は本能なので、そうなったら逃げたほうが良い。

  • 但し、リスクを取り責任を持って行動しようという考えを持っている人にとっては「知らない」ということはダメ。

  • ぼろぼろになったうえでの達観と、自然体。中途半端はいけない。

  • 「これで大丈夫」と思わないこと。納得したら思考は止まる。行動のために知る。

  • 若いうちは挑戦して欲しい。突き進んで、信頼したり騙されたりという経験を経ていく。

  • とりあえず「知」を極めることが大事では。

次回

アガサクリスティー著『葬儀を終えて』の読書会を開催します。
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