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幼なじみに地元を案内する日常ツアー

まや🍏✏️

幼稚園時代から30年以上の付き合いの親友。
私の良きところも悪しきところも知っていて、いつもズバッと意見を言ってくれる。

こまめに連絡をとっているわけではないけれど、行きたい場所があると
「ここ行ってみない?」
と年に数回誘うような仲。

彼女はおしゃれでグルメ。
おいしいお店情報もたくさん知っていて、スラっとした体型からは想像できないほど、食事やスイーツへのポテンシャルが高い!
本人曰く、
「外食はこだわっているけれど、自炊は栄養補給だと思ってるからシンプルなものしか食べてないよ!」

なるほど。

外食で心を満たし、自炊は質素に栄養バランス重視。
家でもお店でもおいしいもの食べたい!たくさん食べたい!!
な私とは違う、しっかり者。

彼女が紹介してくれるカフェはインテリアも素敵で、スイーツもおいしい。
お取り寄せや限定品もたくさんチェックしていて、私が知らないお店をたくさん教えてくれる。

カフェ紹介の記事のいくつかは彼女に付き合ってもらい、スイーツをあれこれ一緒に食べてもらった。

そんな彼女は美術品やアンティークの器も好きで、お気に入りのお店に足繁く通っているそう。
そういえば昔、一緒に美術館にも行ったっけ。
私はまったくアートに詳しくないけれど、美しいものをみるのは好きなので、たまに美術館や展示に行きたくなる。


そんなわけで、ずっと行ってみたかった武蔵野美術大学(通称ムサビ)の美術館に誘った。

結婚してからムサビからわりと近くに住んでいたけれど、美大卒でもなければアートにも詳しくない私が、足を踏み入れていい場所ではないと思っていた。

美術館好きな彼女となら……念願のムサビに入ってもいいよね……?

最寄駅と言ってもムサビから15分は歩く距離にある鷹の台駅で待ち合わせ、ひたすら玉川上水沿いの緑道を歩いた。

近隣の高校や大学の学生が歩く姿や、グラウンドで部活に勤しむ姿があった。
若いエネルギーは本当にまぶしいね、というような会話をした。

日向は汗ばむくらい残暑が厳しい日だったが、緑道に一歩入るとひんやりと涼しかった。
水と緑と土に囲まれるとこうも違うのかと、近所にいながら体感できる。
私は玉川上水沿いのこのエリアを『小平の軽井沢』と呼んでいる(笑)。
(玉川上水がわからない人はこちらを読んでね)

これは別の日に撮った玉川上水

しばらく歩くと聞き覚えのある音。
ソフトテニスの大会が開催されていた。
アラサーからアラフォーに移行中の私たちは、ソフトテニス部で汗を流した仲でもある。
10年前には当時の仲間でテニスコートを借りて、遊んだりもしたっけ。
今やってもラリー続かないだろうね、と苦笑いをして、コートを全力で駆け回る若者たちをしばらく眺めた。

朝の散歩にちょうどいいくらい歩き、ムサビの正門に到着。元気の良い警備員さんが挨拶をしてくれた。
「美術館に行きたいのですが……」
そう伝えると
「はじめていらしたんですね。ありがとうございます!ここから真っ直ぐ!突き当たりの大きな建物が美術館です。今日は食堂も他の建物も入れなくてすみません。美術館をゆっくり楽しんできてくださいね!」
ハキハキと、でもやさしく教えてくれた。
正門から気持ちのよい対応でとてもうれしかった。(関係者に届け)

なんだ、誰でも受け入れてくれるではないか!
警備員さんのおかげで、心軽やかに美術館を目指した。

おー!ここがムサビか!と建物、展示品にウキウキワクワ。

これだけムサビムサビ言っておいて、美術館内のことは手短に。写真でお楽しみいただきたい。

美術館ドーン

『みんなの椅子 ムサビのデザインⅦ』では世界の有名デザイナーが手がけた椅子が展示され、見応えがあった。

知ってるデザインもあれば、はじめましてのものも。椅子のちゃんとした情報は割愛。
私の感性だけでお伝えします。

ここはフランスですか?
オレンジかわいい
高級な和食屋
動き出したら怖い
お好みはどちら?
仏様になれる椅子
女子力
コッシーの生まれ変わり
抜群の通気性
ひとりエレクトリカルパレード
いやらしい想像しかできん
木漏れ日、大学感あってよい


複数のフロアがあって、見応えのある展示だった。グラフィックデザイナーの原弘氏の展示(こちらは撮影不可)も開催されており、戦前戦後の貴重な作品を見ることができた。

これらが無料で見られるなんて!
予定していたよりもじっくりゆっくり館内をまわった。
帰りにまた同じ警備員さんと挨拶をかわし、「暑い中ご苦労様です」と心の中でつぶやいた。(ちゃんと言ってあげてーと自分にツッコむ)

原弘氏のレトロポップなデザインがめっちゃ好みだった

その後も、駅まで戻る道中にギャラリーやカフェ、パン屋を巡った。
取材で訪れた店も多く、店主さんにお礼を言ったり、あれやこれやと会話が弾んだり。
一瞬、仕事モードな自分と地元モードな自分が見え隠れした。

なんか変な感じである。

私たちは東京の西側で生まれ育ち、大人になってからお互いほんのちょっと東へのぼった。
今暮らすまちを案内する機会はなく、いつも会うのは違うまちだった。

お互いなんでも知っているような気がするけれど、大人になってからの顔ってあんまり知らなかったのかもしれない。
仕事の相談はするけれど、仕事モードの顔は知らないのだ。

なんだか気恥ずかしくなった。

「マヤの地元の顔がわかってうれしい」
そう言われてさらにむず痒くなった。

私の日常に彼女を招いたマイクロツーリズム。
生まれ育った地元での黒歴史も知っている。
今の地元で私がどんなふうに生きているか、大人になった私をはじめて見られているような感覚。

あっちこっち歩き回り、カフェでじっくりしゃべり、あっという間に時間が過ぎた。

彼女が私の地元にすっかりなじみ、夕暮れと疲労感がいい具合にマッチした頃、しっかり者の彼女は明日の仕事がつらくならないよう帰宅すると言った。
行ってみたかった居酒屋も提案したのだが、彼女は金曜しか夜の誘いは受けないらしい。
誘われたらホイホイ飲みに行ってしまう私とは大違い。そんな彼女の筋が通っているところが、居心地が良い。

帰宅してから、今日のお礼と感想が届いた。こうして余韻を楽しみながら、日常の延長を旅する週末。とても贅沢な時間かもしれない。

そして寒くなる前にまた多摩エリアを満喫しようと約束を交わした。

大人の休日を楽しめるようになった私たち。
5歳の私たちも、10歳の私たちも、20歳の私たちも想像していなかった今がここにある。


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