2021年につくった本 ふりかえり
色んな本が、できました。
はい、みなさんこんばんは、長沢めいでございます。
今日は12/31ということで、コミケも終わりまして、同人的にも1年終わりといった感じかと思いますので、1年間の振り返りをしておきたいと思います
2021年4月 「追憶の鶏鉄」
今の時期に一番書いておきたかった一冊ですね。
やっぱり、観光業とか観光地が苦しい時期でしたし、それは今も続いていると認識していますが、そうすると、商売をやめてしまうお店がたくさん出てくる、と。しかも、料理の味って、写真とか動画には残せないんですよね。
「観光地は逃げない」なんて言っていた人もいましたが、とんでもない。料理の味は、無くなってしまうとたいてい帰ってこない。一度途絶えた味を取り戻すには、並々ならぬ努力が必要だし、味を絶やさないように応援できるものは応援しなければ、と思って、敢えて「無くなってしまった店、消えてしまったメニューへの想いを語る」ということをやってみた次第です。
制作する上でのこだわりとしては表紙でして。
本来、料理の写真って明度なり彩度を上げて、おいしそうな雰囲気に写真を補正するもんなんですが、この表紙に関しては敢えて撮った時のままに近い写真を使っています。というのも、ここに写っている駅弁は野辺地のとりめしで、それを新青森駅まで持っていって撮った写真なんですが、この駅弁はもう青森じゃ売ってないんですよね。だからちょっと、その悲しみを込めて通常と違うトーンにしてあります。
あと内容に関しては、三沢の話と野辺地の話が書いていて力が入りましたよね。
2021年5月 「天空橋って駅名は聞いたことあるけど どんな橋か見たことない という人に贈る本」
これを作ったきっかけが、大崎で4月に開かれていた「おもしろ同人誌バザール」っていうイベントで(弊サークルも以前、何度か出ていたんですがこの回は不参加)。参加サークルさんのお品書きを見ていると、「〇〇のやり方」「〇〇の始め方」みたいなニッチなハウツー本が面白そうだったので、それっぽいのをやりたいな、と。
ただ、鉄道関係の「〇〇のやり方」っていうと、結構細かい指摘をされてしまうことが多いので、検証にすごく時間がかかるんですよね。だから、「ハウツー本のふりをしていて、べつにハウツーではない本」にしようと思ったんです。
あと、花粉症がつらい時期だったので、あまり外に出ずに過去の写真のストックを活用できる本を作りたいなーとも思っていたんですが、たまたま写真のストックを見返している時に、大阪の京橋(橋のほう)とかを撮っていたので、あ、これだ、と。それで「駅名の由来をめぐる本」っていうのを思いついたわけですね。
ちなみにタイトルに天空橋を採用したのは、略した時に「天空橋本」になって響きがいいからです。天空橋朋花ちゃんの本と誤認させて買わせようっていう意図は無いです(さすがに間違えんやろ)。
2021年5月「ツギワク」
あと、こちらは弊サークルではなくて「しらゆき創作工房」さんの本ですが、こちらも編集協力という形で関わらせて頂きました。弊サークルだとインタビュー記事って扱わないので、「録音して文字起こし」っていうのが久しぶりの作業で楽しかったです。こんな感じで、他のサークルさんのお手伝いとかコラボレーションも色々やっていけたらいいな、と思ってます。
2021年6月「駅※1を、詠う※2。」
これはイベントとは関係ないタイミングで出したんですが、まあ、今季最大の問題作でしたね。
過去にもnoteで振り返ってますが改めて言及しておくと、この本って、やっぱり「紙に印刷されて本になっている」っていう点が面白いんだと思います。マンション広告のコラ画像を作る人ってTwitterを見ていてもたくさんいて、それ自体は別にそこまで変わったことじゃない。でも、それをまとめて本にしてしまう、というところが問題作たるゆえんかな、と思います。
今振り返ってみると、実はこの本って、私の生い立ちが深くかかわっているような気がしていて。まず一つは、私の祖父って大工だったんですよ。別に建築を習ったとかそういうことはないんですが、建築物を眺めるのが好きなのは、家系の影響かな?って思ったりしています。もう一つは実家が割と転勤が多くて、家にはよくリクルートの「住宅情報」があったんです。その影響でマンション広告を眺めるのが好きだったんじゃないかな、って。
で、もともと弊サークルって、鉄道自体よりも、鉄道と人との接点になる部分に興味関心があって、「鉄道が街に与えた影響」とか「駅にある料理」とかを取り上げてきたわけですが、それをマンション広告風に紹介してみたらいいんじゃないか、と。だから、突拍子もないことをしているんだけれども、実は地に足のついたことをしていたわけですね(せやろか?)。
面白かったのが、どういう経緯か「安住紳一郎の日曜天国」のリスナーさんたちの目に留まったらしく、リスナーさんたちの間で話題になってましたね。番組本編で拾われなかったのは残念ですが(わたし、安住さんすきなんですよ)、意外なところに広がっていったなぁと思いました。
2021年8月「山手線ドリル」
これはメロンブックスさんのエアイベントに参加しようと思って申し込んだけど、申し込みをミスって既刊で参加できなくなったから、慌てて作ったやつですね。実は。
もともとアイデアだけはあった本なんですけど、今こそこの本だ!って。いやほら、ドリルだから空欄だらけなんですけど、その分、私の方で書かなきゃいけない文章量が減るじゃないですか。実際、ストックの写真を活用して、2日くらいで仕上がりました。
まあ正直インパクトは薄い本かな?と思ってますが、鉛筆でも何でも書き込みが出来るしシールでデコったりとかもできるので、一度、そのあたりのプロに頼んで鬼盛りしてもらうのもアリかなとか思ってます。もし活用方法を思いついた方がいたら、Twitterでツイートして頂けるとうれしいです。
2021年12月「横須賀線・総武線(快速)」・「横須賀線・総武線(快速)ドリル」
今回の新刊の分厚いほう。とにかく分厚い本に挑戦してみよう!というコンセプトで、実際にその通りの本が出来たので満足しています。
ただ、これが予想以上に作業量が多く、全体の構成も11月中旬まで弄ってたり(横須賀を書いてトリにすることになったのは最後の最後)するほど難航していたので、本当は10月くらいに出そうかな、と思っていた本を後回しにしたり、色々と影響が大きかった本でもあります。
さて、あとがきは前にも書きましたが、ネタバレ含むあとがきも書きたいので、年開けにでも書こうと思います(通販でまだ届いてないよ、って方も多いかな?と思うので)。
2つだけコメントしておくと、まずノンブル(各ページのページ数を表示している個所)について。これをスカ色帯が出てくるようにしよう、っていう仕掛けをしてみました。閉じた状態だとわかりにくいんですが、手に取った時に出てくるようになって、これはこれで良いんじゃないかと思いました。
もう一つは表紙。
今回の表紙は「出来る限りタイトルをでかく書く」というのを意識して制作しています。意図としては「通販サイトで並んだ時には、表紙の縮小画像しか見えないので、その時点で何の本か分かるようにする」というのを考えていて、実際、メロンブックスさんの通販サイトで並んだ時に「ああ、横須賀線・総武快速線の本か」とわかるんじゃないかな、と思います。
で、この大きさで文字を入れても変な感じがしないデザインを考えた結果、映画のポスター、とくに洋画のアクション系のを参考にしてみよう、ということになって、この形に落ち着きました。いや、思いついたのは、ポプテピピックの円盤のパッケージを見てなんですけどね。
それで、一通り作り終えて思ったんです。あれ、今こそドリルなのでは?と
今回の新刊って、分厚い、というのは確かにアピールポイントではあるんですが、もうひとひねりしたい、と思って。それで、ドリルを副読本的に作ってみました。個人的にはこのスタイルを気に入ったので、今後の路線本はドリルをあわせて制作して、弊サークルの個性のひとつにしようかな?と思ってたりもします(知らんけど)。
まとめ:たのしかった
というわけで、今年は弊サークルでは6冊、編集協力で1冊、合計7冊の本に関わることが出来ました。個々の内容をみても、色々なベクトルの本を作ることが出来て、サークルとしての幅が広がったんじゃないかな、と思っています。いや、というか何のサークルなんだ弊サークル。
来年は、同人誌制作もですし、このnoteはnoteで独自のコンテンツを作っていけたらいいなとか、色々考えてます。お楽しみに!
とりあえず、本としては仙石線で一冊作りたいですね。でもたぶん夏には間に合わないから、夏は軽めのもので一品作りたいんですが、ちょっと今候補がいくつかあって、まよってます。まあ、決まり次第おしらせします。
というわけで、今年一年間ありがとうございました!
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