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今でもずっと好きな人と最後に会って1年が経った

「まだ忘れられない、大好き」と「意外ともう気にしてない」を繰り返して、気づけばもうお別れしてから1年が経ってしまった。付き合ったわけでもない、大好きな人。たった半年間遊んだ、というより今思えば私が遊ばれてただけの、薄っぺらい関係性なのに、関わってた倍の期間も、会えなくなってからも思いを引きずってる。

今ではもう、嫌いになるのも忘れるのも無理だと諦めて、ずっとずっと好きなまま、素敵な思い出として抱えながら生きていこうと開き直ってる。それでもふと、ちょうど1年前に会ってそれ以来になっちゃったなあと思い出すとチクチクと胸が痛むし、あの時こうしてたらって未だに考えてしまう。

今付き合ってる彼氏もいて、申し訳ないなと思う気持ちもあるけど、それとこれとは別って、ただの言い訳に聞こえるかもしれないけど思ってる。


なんでこんなに好きになっちゃったんだろうってずっと考えてる。たしかに高学歴高収入で趣味も充実してて、単純に本当に素敵な人だった。でもたぶんそれ以上に、ドキドキさせるのがうまい人だった。

初めてのデートで、ツッコミながら私の頭を撫でてきた時。日が沈んだ後の真っ暗な海を見ながら抱き寄せてキスしてきた時。「今日はここまで」って耳元でささやいた時。

初めて家に行ったらさりげなく私を膝の上に乗せた時。セックスする流れになって、慣れてない私に「怖い?…恥ずかしいだけならやめてあげない」って私が大好きだった図書館戦争のセリフを言ってきた時(これはほんと偶然)。

コンビニで優柔不断な私を笑って「真剣に悩む姿、この前写真で撮ったよ」って言ってきた時。誰とでもデートするのか聞いたら「いいなと思ってる子じゃなきゃ会わないよ」と否定した時。家族との年末の過ごし方が似てる話をした時。

こんな瞬間にいちいち私はドキドキして、その度に好きになってしまった。こんな言動、慣れてるからこそ、たくさん女の子と遊んでるからこそ、出てくることなのに。

そして同じくらいかそれ以上に、ひどい言動にも気づいてたし傷ついてた。

あなたから会うのを誘ってくれたのはセックスするまでだった。それからはいつも私が誘って、会うのも土日じゃなくて平日になった。休日に会いたいって言ったらわかりやすく話を変えられた。

「いいなと思う」「可愛い」はいくらでもくれたけど、「好き」とは絶対に言ってくれなかった。約束して会ってるのに、仕事とか作業とかしてる時間が徐々に増えた。

今思い返せば私を家に連れて初めてセックスした日も、その後に別の女の子と約束してたよね。絶対にご馳走はしてくれなかったね。

関係をリセットしたいって言ったのにまた会おうって自分から言ってきたよね。それなのに当日にドタキャンとかもあったよね。全部振り回されちゃうんだ。

否定してほしくて「私たちってセフレ?」って聞いたら、否定も何のフォローもなく「そうだね」とだけ返してきた。


甘い言動も、でもその裏に潜むひどい言動も、東京で毎日のように生まれては消えていくセフレたちの物語でしかない。こんなに具体的に書いてるつもりでも、きっと「これって俺のこと?」って思う人が東京に300人はいるくらい、ありきたりなセフレの物語でしかない。

そんなのは全部全部全部わかってる。わかった上でも、やっぱり好きなまま気持ちが変わらない。ドキドキした気持ちは、後で種明かしされたって、変わらないから。

私は未練がましいから、今でも自分の名前が出るかもしれない仕事をする時、あの人に届け、私を思い出せって呪いをかけながら仕事してる。これを読んで、私を思い出せ。

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