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ルポ 日本のDX最前線

タイムラインで多くの知り合いが読んでいたので気になって買ってみました〜!DXの事例ドラマが多く描かれていて、とても参考になりした。

政府CIOが発表した、「デジタル・ガバメント実現のためのグランドデザイン」では、行政のデジタル化の方向性が示された。52ページの文書は、「デジタルファースト」「ユーザー体験の向上」「クラウド化・共通部品化」といった官公庁らしからぬ視点が並ぶ。

韓国ではスマートフォンがないと住民登録番号が利用できない。対象デバイスを絞ることでコストも約1/3 に抑えた。

CoE : Center of Excellence
組織を横断する取り組みを継続的に行う中核となる部署、役割を指す。

2020年12月にDXレポート2が発表。ポイントは2つ。
1.企業向け、競争優位性を確保するため、変化に迅速に適応し続けること。企業文化(固定概念)を変革することが重要。
2.ITベンダー向け、現行のビジネスからの脱却する覚悟を持ち、価値創造型のビジネスを行う方向性に舵を切るべき。ユーザー企業とDXを一体的に推進する共創的パートナーになる。デジタルを活用して社会に新たな価値を提案する新ビジネス・サービスの提供主体となる。

日本のシステム開発は、ユーザー企業がお抱えのITベンダーに受託し、ITベンダーは下請けに再委託、そうして完成したシステムを納品するのが一般的。対価はシステム開発にかかった労働量で決まる。開発を長引かせれば儲かる仕組みになっている。米国はユーザー企業の内部エンジニアが開発する対価は労働量ではなく、提供価値に基づく。

経営層に最低限必要なのは「エンドユーザーの普通の感覚」ないよりもあったほういい。という感覚で議論されていると想像するが、経営層に必要なのは、それ、ユーザーは別に嬉しくないよね。という感覚。

業務効率が改善する可能性があるのに、そこから逸脱してやろうとは思わない。今風な人たちは、メールでなくてもメッセンジャーやチャットなど、より速く快適に連絡が取れれば良いと考える。実際のビジネススピードに大きく影響する。

東南アジアの若者たちは、「自己実現の欲求」ステージにいる。現代的な価値観を備えており、向上心があって形式にとらわれない。自律的に学び「知らない」を「知っている」に変えられて、「できない」を「できる」に変換する能力がある。

事業に情熱があって、事業をどうにかしたいからシステムをなんとかする。この順序が覆ってしまってはダメ。

1つのインターフェースを相手にしていれば、いつのまにか全ての業務が終わっていくというワークスタイル。Slackが在庫なくなったよ。売り上げ少ないけどどうしたん?今月働きすぎだけど大丈夫?など問いかけ、相手しているといつの間にか業務が終わるように目指す。

長く愛されるサービスの要件。傲慢にならない。たくさんの機能を追加して、ほら便利になったでしょ?と自己満足してしまうこと。一人ひとりが感じる不便さを解消できるよう、生の声を聞き続ける。ユーザーとの信頼関係が大切。

140兆円規模の日本のリテール市場。3割の46兆円がまだ最適化されていない。広告費8兆円営業コスト6兆円リベート関連費14兆円廃棄ロス関連11兆円新製品開発コスト7兆円、廃棄ロスは、デイリー食品カテゴリー1つでも500億円に上る。

AIでオペレーションを変えるだけでは産業は変わらない。顧客が変わると産業が変わる、顧客の行動が変わることにこそインパクトがある。自分たちの非効率な環境を変えるだけでなく「顧客体験(UX)を変える

新商品を求めるお客様は、ゴールデンゾーンになくても買ってくれる。定番の人気商品をゴールデンゾーンに置いたほうが、迷わずに手に取ってくれて、売り上げが上がる。

イノベーションのジレンマに、「イノベーションの流れはオモチャのようなものから始まる」という一節がある。出始めはオモチャかと思われたサービスがやがて市場のメインストリームを侵食していく。市場を牛耳っていた大企業は太刀打ちできずにディスラプトされていく。

自動運転だと、前の車から情報をホッピングして受け取り、対向車線からホッピングもできる。数キロ先の情報を得られるようになる。

海外のアクセラレータープログラムは、スタートアップの利点と大企業のアセットを掛け合わせ、相乗効果を生み出す。

どうしたら問題を解決できるか一緒に考えようと歩み寄る。あなたがいてくれてすごく助かった。という気持ちを心にしまっておかず、言葉にする。

DXには、大きく2つのステップがある。
1.デジタイゼーション デジタル技術によって業務効率化やコスト削減を実現する。
2.デジタライゼーション デジタル技術によって自社のビジネスモデルを変革し、新たな価値や顧客体験を創出する。
DXは、デジタライゼーションの先にある。

バントリレーだと思いが曲がっていく。走者は自分の区間を全力疾走し、バトンを渡した瞬間お役御免、走るのをやめてしまう。ラグビーのように「ONE TEAM」でゴールに向かうことが重要。

日本に声優1万人以上いる。声優専業は300人ほど。声優の報酬はランクで決まる。1〜5年は1本1.5万円。5年以降は、初めの金額に180%かけて2.7万円。吹替のみ適用されるため、テレビやラジオのCMは別。

多くのケースが詳細に描かれていて、DXの実態を知るのにとても参考になる1冊です。事例ごとにわかりやすく書いてあるため、1度は読んでおくべきで、DXの参考にするための必読書でおすすめです。



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