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挫折と発見でバージョンアップした人事制度「WIDE」を解説します

2020年10月から、SORAは人事制度をバージョンアップする。バージョン名は「WIDE」で、社員の枠組みを拡大し、多様な働き方やスキルの人材が協働しやすい制度を目指している。

株式会社空、社員の枠組みと働き方を再定義した人事制度「WIDE」をスタート

ここでは今回のバージョンアップに至った背景や僕自身の思いを書く。

背景

2020年前半に、僕たちは事業規模の縮小とそれに伴う組織の縮小、いわゆるダウンサイジングを経験した。

様々に理由や反省はあるが、決定機となったのはやはり新型コロナウィルスの流行拡大だったと思う。緊急事態宣言や外出自粛はまず僕たちのお客様である観光業界に大きな影響を与え、次いで僕たちの事業に厳しい状況を突きつけた。事業方針について一人一人と相談して、残るメンバーと去るメンバーに分かれていった。企業だけでなく個人のこれからの不安も大きい世の状況のなかで、真摯に向き合ってくれたメンバーへの感謝と、入社時の期待に応えてあげられなかった申し訳無さは海の底のように深い。

僕自身はすべての責めを受けるべく、できる限り淡々と仕事に取り組むように心がけていたけれど、正直かなり落ちていた時期がある。今も少し引きずっているかもしれない。

それから色々にメンバーの尽力やありがたい機会があって、SORAは再び組織拡大に取り組めるようになった。

ただし、以前とは違う方法を選ぶことにした。

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新制度の意味、思い、実現したいこと

バージョンアップした人事制度にはWIDEという呼称をつけた。

WIDEは Working Individuals with Dynamism and Enthusiasmの頭文字で、「私たちは、ダイナミックに、熱中しながら働く個人の集合である」という宣言でもある。

創業からずっとリモートと出社の組み合わせで働いてきた僕たちだが、2020年3月頃からフルリモートでの働き方に切り替え、5月にはオフィスも解約した。7月からは月に1回程度、顔を合わせて働く日を試験的に再開してきた。リモートには比較的慣れていたチームだと思うし、僕自身もその日の仕事に合った環境を選んで働けるのはかなり気に入っている。

ただ、久しぶりにチームと顔を合わせた日、リモートでは得難い仕事の熱量と、議論の深さや速さを感じた。そこで改めて、自分たちが失っていたものに気付かされた。

今回のバージョンアップの狙いのひとつは、その熱中を取り戻すことである。

しかし、人によってリスク感覚は異なり、リアルで集うことへの期待感/抵抗感や、「必要最低限の対策」という感覚もまちまちとなる。とはいえ個人の判断に任せる形としてしまうと、お互いに遠慮しあってしまい、チームの熱中状態に入りづらい。会社として決めるべき問題となってくるが、全員が出社必須 or 出社リモートというのも乱暴すぎるように感じた。

そこで、働き方に3つのパターンを作って、自身で選択できるようにした。
ドライバーは週に1回の出社を試験的に再開し、集中して議論に取り組み、雑談の余白もつくる。フルリモートや移住・遠方ワークを希望する人は、コラボレーターやランサーを選択する。

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もうひとつの狙いは、多様な才能を集めながら、方針転換に柔軟な組織になることである。

これからの時代、事業環境は不確実な状態が続き、定めた戦略やフォーメーションの賞味期限も短期化していく。「組織は戦略に従う。戦略は組織に従う。」という言葉に従えば、戦略の変化に対して組織は柔軟に変化する必要がある。逆に言えば、組織の硬直性が戦略の柔軟性を妨げてしまってはならない。

そこで気付いたのが、今まで盲目的に受け入れてしまっていた「正社員」というステレオタイプだった。これまでも様々な雇用形態のメンバーがSORAには集まっていたが、それでも大多数がフルタイムの無期雇用契約、いわゆる正社員だった。そして、採用面談で素晴らしい方がいても、正社員 or 不採用という思い込みが脳裏にあり、今すぐフルタイムで必要な仕事量ではないという理由で機会を見送ってしまうことがあった。

これからのSORAでは、正社員という呼び方は止める。業務内容、働き方、コミット量などに応じて、それぞれが柔軟な関わり方で事業を前進させる。
より多くのメンバーが有期契約となり、「ちょっとこのプロジェクト期間だけ力を貸してくれないか」と、多様な才能が関わりやすい環境を作る。

ドライバー(もともとの正社員)は文化や戦略を主導する役割を担うが、その人数は全体の50%程度に落ち着くのではと考えている。

カンパニーコミュニティの形成

また、WEBサービスのように、全メンバー>アクティブメンバー という考え方を組織にも適用する。

これからの企業や非営利組織は、同じミッションに共感する個人の集合となる。事業や個人の状況に応じ、アクティブに稼働する月もあれば、ゆるく所属するだけの月もあっていい。アクティブメンバーは前述した3つのパターンでコミットし、非アクティブなメンバーもカンパニーコミュニティに所属することで、情報共有や戦略議論に参画し続けられる仕組みとした。

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カンパニーコミュニティのメンバーとは秘密保持を含む最低限の契約を結び、あいまいな関係ではなく、お仕事として共にミッションの実現に貢献してもらう。とはいえ副業としては割に合わない薄謝であるため、あくまで共感ベースで関わりたい方向けとなる。

ミッションを軸に様々な才能が集まる、以前にnoteで書いた「カンパニー(同志)」という組織のあり方を実現するときがきたと感じている。

新メンバー、様々に募集中です

人事制度のバージョンアップは器の整備にすぎず、中身の成長にまだまだ多くの才能を必要としている。SORAのミッションや考え方に共感していただけたら、ぜひあなたの力を貸してほしい。

ドライバーとして、コラボレーターとして、ランサーとして。様々なコミットのメンバーが働くチームには、きっと新しいメンバーが馴染むのも早いはずだ。

募集中のポジション一覧はこちら

原則として、カンパニーコミュニティへの直接の募集はしておらず、まずは現在募集中のポジションとご希望が合うかの検討をお願いしています。

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