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【 第22回 】謙虚に学び続ける

◆ほめられるとうれしい

「お子さんがよく育っていますね」
 そう言われて、うれしくない親はいないでしょう。
 子どもがほめられると、まるで親である自分がほめられているような気持ちになります。それは、毎日毎日、子どものためにとがんばっていることを認めてもらえた、という思いになるからです。

先生も同じではないでしょうか?
 「○○先生のクラスは、子どもたちがよく育っているね」と言われれば、先生も自分のことのようにうれしく感じられることでしょう。自分の指導がよかったと評価してもらえた、という気持ちになると思います。

「子どもはほめて伸ばす」とよく言われます。
 子どもだけではありません。大人だって、ほめられるのはうれしいですし、さらにがんばるぞ、というやる気にもなります。「ほめる」ということを、本人に直接的に使うだけでなく、誰かを通じてほめるなど、もっとうまく活用できるといいですね。

◆親の自己肯定感

大人になると、なかなか人にほめられる機会はありません。
 とくに「親」という立場について評価されることは、子どもを通じてしか、ないことですね。
 子どもをほめられるということは、その子を育てた親がほめられていて、よい評価をしてもらったのも同然な気持ちになるものです。

それが、親としての「自己肯定感」につながるのなら、それはとてもよいことだと思います。
 親が自己肯定感を持てて、心が穏やかになれば、子どもへの接し方も穏やかになってくることでしょう。
 ですから、懇談会などでは、どんなに手を焼く子どもであっても、先生方は、まず一つくらいは子どものよいところをほめて、親の労をねぎらってあげられると、その後の耳の痛い話も、保護者に聞いてもらいやすいかもしれませんね。

◆慢心しない

子どもをほめられて、うれしい。自分を認めてもらえたような気持ちになり、うれしい。
 そこで満足していませんか?

たしかに、子どもの育つ環境を整えているのは親であり、先生です。それが子どものためになっているのであれば、それは喜ぶべきことです。
 でも、子どもは、もっといろいろなものに影響を受けています。
 ダメな親や先生であっても、子どもはそれを「反面教師」として、そこからも学んでいるのです。
 ですから、親や先生が自己肯定感を持つことはいいのですが、「子どもがほめられたのは、私のおかげ」と、過度には思わない方がいいと思います。

「私がしてやった。私のおかげだ」と思ってしまうと、そこに慢心が生まれます。
 慢心してしまうと、努力しなくなってしまい、そこで成長が止まってしまいます。

「人は生涯勉強」といいます。
 大人になると、定期テストがあるわけではありませんし、ひんぱんに評価を受けるわけではないので、なかなか新しいことを学ぼうという気持ちにはなれません。
 しかし、いくつになっても、知らなかったことを知ることは、とても楽しいことです。
私たち大人が、楽しんで学んでいる姿を見せることは、きっと子どもたちにもよい影響を与えるのではないでしょうか。

親とは違い、先生は、子どもにとっては「何でも知っている大人」の象徴です。
 でも、今までに蓄えた知識や経験の上にあぐらをかいて、小手先の技で子どもに対している先生は、子どもにすぐに見抜かれてしまうと思うのです。
 どんどん新しいことが生まれてくる世の中ですから、先生方も学ぶ姿勢を持ち続けていただきたいと願っています。

なんでも自分の手柄にして慢心するのではなく、周りへの感謝の気持ちを忘れずに、少しでも誰かの役に立てるようになりたい、という謙虚な気持ちでいることが大切ではないでしょうか。
 ほめられたことは素直に喜び、うれしく受け止めればいいのです。
 ただし、それで満足せず、謙虚な気持ちで、さらに一歩先に進む向上心を持てるといいですね。

(2015年1月5日)

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「愛される学校づくり研究会」HP内の教育コラム「お母さんは学校の応援団長」リード文

★このコラムは、小牧市立小牧中学校のホームページ「小牧中PTAの部屋」を運営されている斎藤早苗さんによる保護者コラムです。「愛される学校づくり研究会」から強くお願いして、保護者の目から見た学校や教育について執筆していただくことになりました。ご自身は「私は学校の応援団長」と称しておられますが、さてどのような切り口で学校教育に迫っていただけるのでしょうか。とても楽しみなコラムです。

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2013年4月~2018年3月まで、5年にわたり寄稿・掲載された教育コラムの原稿集です。

保護者の視点で考えていた教育のこと、また先生方へのエールなど、自由に書かせていただきました。


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