2021/12/05


「お前には二つの道が残されている。過去から逃げるか、過去から学ぶか。そのどちらかだ」
 今、大学ノートを書いているんだけど、忘れないうちにとりあえずこの言葉だけ書いておく。『ライオン・キング』のラフィキの言葉だ。

 大学ノートが終わった。今日は6時半に目が覚めたので部屋のテレビをつけて「はやく起きた朝は」を見る。そのまま「ボクらの時代」を見る。今週は清水ミチコと浅田美代子と中園ミホの回で、これはおもしろいに違いない、と見た。浅田美代子のことを清水ミチコが、
「アイドルなのに歌番組で、歌いたくありません、って表情で歌っているのがよかった」とか、
「普通アイドルは『美容にはなにか気をつけてるの?』って訊かれたら『なにもしてないんです』って答えるのに美代子ちゃんは『この前、美顔器を買いました』って言っちゃうんだよね」
 って言ってたのも良かったし、名前は忘れたけど固いクッキーを作るのには2回焼けばいいって清水ミチコが言って、中園ミホが「2回焼いたらいいって言ってたよね」と言ったら清水ミチコが、
「今その話したよ、2回目だよ。
 老人ホームの会話ってこういう感じなんだろうね」
 こういう会話がいい! 男の会話ってつまんないんだよな~って、誰を仮想敵にしているのか分からないんだけど、質問も「どういうタイプの女性が好きなんですか?」とか、いっつもその話ばっっか!と思うし、すぐ仕事の話になっちゃうし、若い俳優への質問は一回は女性のタイプだし、同世代の男としてはなんでいつも恋愛方面の話しかさせてくれないんだろうとイライラするし、中堅クラスになったら今度は仕事の話で、もっとくだらない話というか、もっと普通の話が聞きたい。「普通」っていうのもちょっと違うんだけど、そう言いながら今日のこの日記もなんとなく型にはめたがっているような感じがする。他人のことを悪く言っているとその言葉はすぐ自分に返ってくるのが僕の今までの経験から得たことなので、そうなんだろうと思う。

それに「暇なんですか」っていうのは暇が悪かったり恥ずかしいものみたいな完成が前提としてありますけど、人間暇があった方がいいに決
まってるじゃないですか。忙しくしてたり、意義深そうなことをやっていないと不安だ、という社会のありようはあまりへルシーではないなと僕は考えているんですね。
(アカミミ NEWS NO.01「対談 柿内正午×柿内正午「自ら作って自ら演じるということ」」零貨店アカミミ)
 昼間に爆笑問題カーボーイを七年とか八年ぶりに聴いて、なにかほっとするところがあった。JUNKという悪所に、僕はどれだけ助けられてきたか。ヴォネガットと太宰は僕は太田からだった。学生時代に打ったお芝居の会場中のBGMにカーポーイで太宰について熱弁している回を流していたこともあった。いつだって太田は不十分だったり過剰だったりしているが、いつだって優しかった。僕は「正しさ」よりも、その間違いも恐れない優しさにこそ信を置きたい。田中のあいかわらずのわかっているようなわかっていないような受け方も、聴いていたころと変わらず素晴らしくて、ほれぼれした。なんだかんだJUNKは火曜が好きだ。
(柿内正午『町でいちばんの素人』零貨店アカミミ、p.193)

 もう「これぐらい書きたいな」って字数は超えたので書くのをやめる。何日か前の「そのうち書きます」と言ってサボったままになってる日記についてはもう書かないことにする。「過去は過ぎてしまってもう変えられないんだから気にしないことさ。ハクナマタタさ!」とティモンも言ってたし、もうそれはしょうがないので、過去のことに囚われるよりも今のことをちゃんとしよう、と決めた。

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