阿呆の覬覦  【詩】

明後日 奴と会う
近頃 熱に犯され
私をも犯す
それども私の心は
冷えきった閉ざされた堅い扉は
隙間もない。

独りで居ることは
私を正直にするが
私を圧殺させもする。
友人と居ることは
私を楽しくするが
私を窮屈にもする。

誰が私を心安くさせてくれるか?
彼方の女(ヒト)?
一時 私を忘れさせるが
その後 永く
私を愚かにする。

”思慮深く生きる”ことは
私にとって困難だ。
判断よりも誤った邪推が走り
”悔いの無い”行動は
無い。

その活動が
新たな なお一層の
邪推を熟考させ
枯淡の境地を自ら哀願し
異土の習慣を習得せんが為
奔走する。

思考以て 人ならぬ私なら
白痴以て 人なる私を望む。

思考以て 私ならぬ私なら
白痴以て 私なる私を望む。

天井の尊厳なる御方は
阿呆一人の希冀事を
御聴取給うか?

天井の尊厳なる御方は
阿呆一人の心神を
御顧念給うか?

覬覦。

覬覦。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?