台風が過ぎ去って 夕方が 異常なほど朱い あれはいつだったか 今でも思い出す 夕暮れの夏の広場で 稚気とした愛しい目をした あの娘は今頃 風が冷やした砂を裸足で踏んで …
琥珀の時間(トキ) 削られた硝子の杯に 満たされたその液体 私を取り戻す時間(トキ) スマホやTVで流れる 知らなければならない情報の鎧を脱ぎませう 馴染みの喫茶店…
鏡をみて 確かめる 「あぁ いる」 友に電話して 確かめる 「あぁ 自分だ」 コーヒーを淹れて 確かめる 「あぁ 僕だ」 琥珀の液体を飲んで 確かめる 「あぁ 私だ」 …
明後日 奴と会う 近頃 熱に犯され 私をも犯す それども私の心は 冷えきった閉ざされた堅い扉は 隙間もない。 独りで居ることは 私を正直にするが 私を圧殺させもする。 …
太陽が少しずつ力を失い 夜が労わる様に昇ってくると 西の空は 素晴らしく 色がとけていく 恋人たちは おしゃべりを止めて とけていく色を 愛しげにみつめる 激戦を駆け…
桜は散る 音も無くこの麗らかに 新緑の蕾 ━━━ それは薫風 こんな時季こそ 君を連れ 夕暮れ間近の公園を歩きたい 今こそ私は 恋愛博士 他の誰よりもその時間 優しき想…
静かな雨 この街が唯一 綺麗に見えてくる 風が呼べば 若葉は青青と応え 人々の声も 少し 密やかで在る 道急く車の轟音も 水音の行き来 傘のない私は 浴びて歩く 朝の雨の…
灰一色に見えた空に 案外早い雲が過ぎてゆきます へんに明るいあの空から 落っこちてきた雨が 坂道を転がって波打ちます 人々は皆下向き歩く だからなのでしょうか 春の…
深い憂いが愛となり 強き怒りが悲しみとなる時 純白の白百合が 濁ったそらから落ちてくる 鋭い六角形は 次々と楔を打ちつけ 堅い壁は崩れ逝く 深閑に落つ白の 優しさ
帰り道 雨が落ちてきた 近くの道は 水溜りをつくり 冷たい冷気は 静寂に憂いを加えた 時間の夜長を生き 眠りは 東陽に誘われる 開いた目は 霞んだ蒼穹を知る 何かに悲し…
頭が痛い 風邪か? そうか、戒めか? 空が飛びたい 体を流れる血を 出して了おう 邪悪な紅い河 私の思い通りにはゆかない 真赤な血 空が飛びたい 私を考える脳を 出して…
「もう7時過ぎてるよっ、早く用意しなよぅ・・・ったく」 下の子は発達障害があり、ふとしたことで他に気を取られてしまう。今朝も着替えをしていたものの、兄がYoutubeの…
君は聞いたのだろうか 天から来る美しい結晶 真白き静寂を 君は知っているのだろうか 暗闇に浮かぶ神宿る宮 銀の月華 私は遠くこの街 聞こえなければ 見ることもでき…
アルタイルよ 君はどれ程の想いで 彼を待ったのか そのやさしさは その悲しみは ベガよ 貴方はどれ程の想いで 彼を待ったのか その愛の深きは その淋しさは 乞巧奠 二人…
弛み無き歩みの友は 遠方にて進む 西日に暮れる青空は涼しく 彼方に靄が在る そしてそれは流れている 此の辺りに鳥の声 友は帰路をはしり 道沿いの店で談笑する いつもの…
はらはらと流れゆく泉の冷水に浸し 君の白き手 萌え出でたばかりの若葉に縁取られ 海へと続くその路すがら 細く柔らかき乙女の祈りをのせてゆけ 悲しみも淋しさも 刹那の…
MatsuT
2022年9月21日 16:19
台風が過ぎ去って夕方が異常なほど朱いあれはいつだったか今でも思い出す夕暮れの夏の広場で稚気とした愛しい目をしたあの娘は今頃風が冷やした砂を裸足で踏んで決して知られぬよう嬉しさを隠して腰の高さの餅草を飛び越えてみせた恥ずかしそうに目が合い微笑んでくれた恋もましてや愛も知らない無垢に 純真に好いていることに気付いた自身の想いは今も私を密かに喜ばせる引っ越してしま
2022年9月20日 08:28
琥珀の時間(トキ)削られた硝子の杯に満たされたその液体私を取り戻す時間(トキ)スマホやTVで流れる 知らなければならない情報の鎧を脱ぎませう馴染みの喫茶店で 取り繕った優しい鎧を脱ぎませう白山キャンパスで 友と話した楽しい鎧を脱ぎませう電話で父と話した わが子に寄せた期待の鎧を脱ぎませう在る私泣いています怒っています私に何も無い憂節が私に何も無い激情が次々と
2022年9月19日 20:41
鏡をみて確かめる「あぁ いる」友に電話して確かめる「あぁ 自分だ」コーヒーを淹れて確かめる「あぁ 僕だ」琥珀の液体を飲んで確かめる「あぁ 私だ」そのまま飲み続け「自分を」「僕を」「私を」確かめていくと、吹き荒ぶ風に削られるようにそうして音も無く舞う霧粒に吸い取られるように轟轟とそうして深深と消えていく残ったものは純真で真白で眩しいほどの小さ
2022年9月15日 09:32
明後日 奴と会う近頃 熱に犯され私をも犯すそれども私の心は冷えきった閉ざされた堅い扉は隙間もない。独りで居ることは私を正直にするが私を圧殺させもする。友人と居ることは私を楽しくするが私を窮屈にもする。誰が私を心安くさせてくれるか?彼方の女(ヒト)?一時 私を忘れさせるがその後 永く私を愚かにする。”思慮深く生きる”ことは私にとって困難だ。判断よりも誤った
2022年9月15日 09:03
太陽が少しずつ力を失い夜が労わる様に昇ってくると西の空は 素晴らしく色がとけていく恋人たちはおしゃべりを止めてとけていく色を愛しげにみつめる激戦を駆け抜けてきた者たちも故郷を愛しみ家族の情景は西の赤色全ての愛しみを包んだその色がとけていく
2022年9月14日 08:43
桜は散る音も無くこの麗らかに新緑の蕾 ━━━ それは薫風こんな時季こそ君を連れ夕暮れ間近の公園を歩きたい今こそ私は恋愛博士他の誰よりもその時間優しき想いを説こう
2022年9月14日 08:36
静かな雨この街が唯一 綺麗に見えてくる風が呼べば若葉は青青と応え人々の声も 少し密やかで在る道急く車の轟音も水音の行き来傘のない私は浴びて歩く朝の雨の日
2022年9月13日 09:24
灰一色に見えた空に案外早い雲が過ぎてゆきますへんに明るいあの空から落っこちてきた雨が坂道を転がって波打ちます人々は皆下向き歩く だからなのでしょうか春の夕刻の雨 だからなのでしょうかこの街は驚くほど水靄と静寂を纏っています貴女のの2度目の声に私は淋しかったのです貴女の初めての涙に私は嬉しかったのですこの街に雫が落ちている今貴女は何を想っているのでしょうその一滴
2022年9月13日 09:12
深い憂いが愛となり強き怒りが悲しみとなる時純白の白百合が濁ったそらから落ちてくる鋭い六角形は次々と楔を打ちつけ堅い壁は崩れ逝く深閑に落つ白の優しさ
2022年9月13日 09:02
帰り道雨が落ちてきた近くの道は水溜りをつくり冷たい冷気は静寂に憂いを加えた時間の夜長を生き眠りは東陽に誘われる開いた目は霞んだ蒼穹を知る 何かに悲しむより 何故か悲しい方が 優しい私の存在に 気付くのだろうか誰かの帰り道に雨が落ちている
2022年9月13日 08:55
頭が痛い風邪か?そうか、戒めか?空が飛びたい体を流れる血を出して了おう邪悪な紅い河私の思い通りにはゆかない真赤な血空が飛びたい私を考える脳を出して了おう苦しみへの回路私の思い通りにはゆかない偉大な脳血は常に欲を持ち脳は全てを企てる血を捨て脳を投げ真白な火の玉となり昇天すああ血が重いああ脳が重い成長すれば 地に囚われ私を逝けば 空を飛ぶ治ら
2022年9月12日 14:33
「もう7時過ぎてるよっ、早く用意しなよぅ・・・ったく」下の子は発達障害があり、ふとしたことで他に気を取られてしまう。今朝も着替えをしていたものの、兄がYoutubeの話題をふったが故に、途中で手が止まり母から怒られてしまった。「今、やってるじゃんっ!」右足で床を強く踏む。母親はテーブル上の請求書を見て「どうしよう」と、私に聞こえるように呟く。 私は東京の大学で教員免許を取得し、教員とな
2022年9月12日 10:54
君は聞いたのだろうか天から来る美しい結晶真白き静寂を君は知っているのだろうか暗闇に浮かぶ神宿る宮銀の月華私は遠くこの街聞こえなければ 見ることもできないそれらも愛おしい貴方の姿も
2022年9月12日 10:25
アルタイルよ君はどれ程の想いで彼を待ったのかそのやさしさはその悲しみはベガよ貴方はどれ程の想いで彼を待ったのかその愛の深きはその淋しさは乞巧奠二人の計り知れなく美しい喜び溢れる再会は生憎私はこの街に居て君が渡った大河も貴方が待ち合わせた星も二人の足元照らす月華もなにも見ること能わず今こそより多くの祝歌を贈ろう二人のためにそして彼の女(ヒト)のため
2022年9月12日 10:10
弛み無き歩みの友は遠方にて進む西日に暮れる青空は涼しく彼方に靄が在るそしてそれは流れている此の辺りに鳥の声友は帰路をはしり道沿いの店で談笑するいつもの川にライズを、ハッチを見知り揺れる紅陽を識る山は青青と彩濃く静寂の香風夕食は笑みが溢れ悠然の時間に夜空は輝き始める素早く湯を浴びて一服、そして樽の香り恍惚の時間を見る君は在る昼は木陰夜は星の下私は帰り
2022年9月12日 09:52
はらはらと流れゆく泉の冷水に浸し君の白き手萌え出でたばかりの若葉に縁取られ海へと続くその路すがら細く柔らかき乙女の祈りをのせてゆけ悲しみも淋しさも刹那の留まるを許さず流れていく水に雪解ける喜びを満たせ春に知る御空の光を吸い込んでそこなる乙女を照らせ我知る故に