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東日本大震災から10年というと、事は終わったかのようだ。

2011年3月11日午後2時46分、私は生後6ヶ月の次女と風呂に入っていた。湯船の中で揺らして遊んでいると、思いの外お湯が往復するので不思議な感覚がしたところで地震に気づいた。立てば水面が膝頭よりも下になるような僅かなお湯に、子供を抱いたまま大きく翻弄された。

実際の時間よりも長く感じた。赤ちゃんを抱えているので、迂闊に立ち上がるわけにもいかず、バスタブの縁を強く掴んで揺れが収まるのを待って上がった。この程度のお湯で翻弄されることを考えると、その後に東日本の沿岸を襲った津波の只中にあった人たちはどんな思いだったろうかと後からも考える。

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